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【余談】小さい頃の習い事

小さい頃から気が付いていた。

わたしも変わっているが、母も変わっているということを。

母は兄弟全員に習い事をさせてくれたので、わたしと弟は水泳、妹はピアノを習っていた。でもその代わりに、やりたいやりたくないに関わらず、半ば強制的に母が決めた習い事に行かなければならなかった。

暗黙のルール

わたしの両親、特に母はめちゃくちゃアウトドアな人だった。とにかくキャンプが大好きで夏は毎年何回か必ず連れて行かれて、キャンプが無理ならとりあえずバーベキューに行く。冬は毎週末スキーに連行される。我々家族の意見は聞かない。母の提案は絶対。とにかく強制参加。これが暗黙のルールだった。

母に聞かれたら怒られるが、正直キャンプはめんどくさかった。なぜなら、準備と片付けに協力しないと母の機嫌が猛烈に悪くなるからだ。雨が降るとコンディションは最悪。両親はキャンプのための準備と片付けを毎回全部自分たちでやってたから相当好きだったんだと思う。

それだけで充分なのに

わたしはそれだけで充分だった。なのに母はそれの延長戦みたいな野外教室的な習い事みたいなボーイスカウトとはまた違うクラブみたいなやつに半ば強制的にわたしたち兄弟全員を入れた。

それはほぼ毎週土曜日か日曜日に必ずあって、朝8時過ぎに家の近くに迎えのバスが来て、家からバスで1時間ちょっと走らせたところにある山奥の森の奥に建てた施設みたいなところを拠点に1日活動する。毎回何やるか決まっていて、春は山菜取りに行って天ぷら作ったり、畑にジャガイモ植えたり、夏は近くの湖でカヌーしたり、秋は森の中探索したり、冬はとにかく毎週スキーの練習をする。とにかく自然の中でいろんなことをするクラブだった。

わたしは家にいる方が好きだったから、正直やりたくなくて何回も抵抗したけど、やめさせてもらえず、結局小学校の6年間は毎週通った。母はわたしの人見知りを少しでも治したい気持ちもあったらしいが、あまり治らなかった気がする。

その幼少期6年間で得たもの

まず、6年間ほぼ毎週土日(そのクラブで1日行って、その次の日は家族で行く)スキーをやり続けていたので、スキーは周りの友達の誰よりもできる。小学校でスキー教室が高学年からあったのだが、他の人ができなすぎて最高につまらなかった思い出がある。スキーの関しては、割と細かくレベル分けされていて、6年間でだいたいみんなほぼ上から2番目くらいまではクリアする。(それ以上上に行くと指導者レベルになってしまうから難しい)

そしてカヌーも割と誇れる特技になった。そのクラブに入っていて、スキーもカヌーもできない人はいないというほど叩き込まれる。高校の時の修学旅行で沖縄に行った時、謎にカヌーをしたのだが、周りが初心者の中、わたしだけめちゃくちゃスイスイ漕いでるという現象が発生してしまった。

それがわたしたち兄弟の普通だった

わたしの家ではそうしないといけなかったのでそれが普通だったが、周りの友達を見ていてもそんなことをしている人はあまりいなかったし、周りの友達は毎週土日友達と校庭とかで遊んでいたし羨ましかった。

わたしの母はもともと東京の人なのに、こういう生活がしたくて田舎に移り住んだんだなと今になっては思う。

正直どういうつもりで6年間やらせたのかよくわからないが、母は自分がやらせたいことと自分の好きなことには惜しみなくお金を費やす人だった。わたしが中学生になってから部活に入って、キャンプもスキーも参加できなくなってしまったが、他の人が経験していないことをやらせてくれた両親には感謝したいと思う。


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