随分前ですが、メンタルメンテ(精神のお手入れ)のため、行きつけの占い師さんのところへ行った時に、占い師さんに「山田詠美さんの、『血と涙もある』っていう小説があるんですが、今のいてさんに刺さると思いますよ。」と、オススメされました。
その日のうちに書籍を購入し、帰宅後、即読み始めたら、なかなかにおもしろくて当日には読み終えていました。いや〜〜これは恋愛事情がなかなか複雑で、占いに通い詰めるような人(つまり私!!!)には刺さりまくるよな〜〜〜。
■全体の感想
すごい。すごくわかる。私は沢口喜久江さんには到底及ばないけど、『いてと娘にお金を残して死にたい』と言った夫に「私はお金が欲しくて結婚したいと思ったんじゃなくて、あなたとおじいちゃんおばあちゃんまで幸せに過ごしたい。と思ったから結婚した。」と言い放った自分や、鈴木くんの前で「夫は結婚する時に、私のために命を賭けられるかどうかまで考えたんだって。そんな話をされたら、こっちだって腹括らなきゃって思うよね。」と強がった自分を壊したくないんだよな。やっぱり。
人間みな、なんとなく「こういう人間を装おう。」「こういう人間で在りたい。」みたいな”演技”があって、それにより自分にメリットがあるから当然そうしているわけだけど、それを無自覚に、過剰にやりすぎてしまうと、ずっ〜と、ふっと気づいた時になんかしんどい、みたいな状態になって、いずれそれに堪えきれなくなると、しかるべき形で爆発させざるを得ない状況を作り出すのかなあ、と思う。喜久江さんが桃子に対して、嫉妬心を顕にして、彼女を突き放したシーンのように。
さて、印象に残ったセリフなどをここに書き記しておきますね。
そしてもうね、この作品は、257P-258Pを読むためだけに他のページが存在しているんだなあ、まじで。(※注: あくまで私にとってはです。)
私にとってこの小説の主人公は、玉木洋一でしかないですね。玉木優勝。玉木一生愛す。
■血も涙もある 山田詠美