新作ゲーム開発にないゲーム運営の魅力(リリースから運営4年した本音)
ゲーム業界ではない人からのゲーム企画職のイメージは、「新しいゲームのアイデアを考えたりして、新しいゲームを作っている人」かもしれません。
今最も市場の大きいスマホゲーム業界では、実は新作ゲームを担当している人のほうが圧倒的に少ないです。
スマホゲーム業界では、新作ゲームと運営ゲームの人員割合は、
新作ゲーム担当:運営ゲーム担当=20%:80%
くらいだと思われます(自社やゲーム業界の友達と話した肌感です)。
しかも昨今は、スマホゲームの開発費が10億以上が当たり前かつ新作ヒット率が低いハイリスクローリターン市場になりつつあるため、
運営ゲーム担当の割合が、これからもっと増えるかもしれません。
これまで、ディレクターやゲームプランナーとして担当した下記経験より、
リリースした新規ゲーム担当:3本(内1本はリリース直前に左遷w)
未リリースの新規ゲーム担当:2本(開発中含む)
新規ツールアプリ担当:1本
ゲーム運営担当:2本(リリースから1年弱でサービス終了とリリースから4年担当)
企画職視点で、ゲーム運営の魅力をまとめたいと思います。
▼その前に結論
「ゲーム運営は、毎月結果が出るし仕事量も多いし、最短でプランナーとして成長するには非常に効率が良い!」
(未経験や新卒は特に、運営からキャリアが始まることが多いと思う)
「ただ、一つのタイトルで4年はオススメできない。
理想は1年(春夏秋冬のイベントや運営として一通り経験できる)・
長くても2年(2年目はネタもなくなるし施策もマンネリ化するし運営の辛さを経験できる)か、それ以上は続けても学ぶことが減るので、新作ゲームか他の運営タイトルゲームに異動しよう!」
(個人名で講演とかできるレベルの人ならよいと思います。
長く担当している内に、例えば「データ入力」→「ゲームプランナー」→「ディレクター」と上級職にJOBチェンジしていくなら、続けても良いかも知れません。
基本的には、4年で1ゲーム運営を担当するより、4年で2ゲーム運営を担当したほうが、成長できると思いますね。)
文章がやたら長文になってしまうので、先に結論を書きました(笑)
結論についても補足説明しつつ、ゲーム運営の魅力を、個人的主観かつ本音ベースで、書きたいと思います。
真面目なゲーム運営の魅力を知りたい方は、ゲーム運営に特化した会社の記事なのでリクルート色のある内容ですが、下記記事を読むと良いです。
運営の魅力① 仕事している感がある
運営ゲームに配属されるということは、そのゲーム儲かっていますよね(赤字だったらサービスが続かないので、赤字ではないはず)。
利益をあげているゲームを担当するのは、メンタルが落ち着きますよ。
あと、運営ゲームなら、仕事内容も明確の場合も多いし、まずは言われたことをしっかりこなすことに尽力すれば、しっかりプランナーとしての仕事を覚えられると思います!
ゲームの運営は、リリース直後は火の車というか、毎日トラブル続きで次のイベントの準備もままならないのがある意味普通です。
もし運営ゲームが、イベントやガチャの準備が余裕をもったスケジュールで進行していて、残業も少なく落ち着いて働ける環境なら、ラッキーであると同時に、スケジュール管理や進行するディレクターやプロジェクトマネージャーが優秀なので、そのノウハウを吸収しましょう。
逆に儲かってないゲームだったら、立て直す手腕が必要なので、新規ゲーム開発と同じくらい大変だし、やりがいはあります。
V字回復できたら、新規ゲームで成功するより難しいので、転職の時とかのアピールポイントの武器になります。
ただ、会社からV字回復を期待されているというより、ギリギリ黒字なら続けるけど、そろそろ終了も近いゲーム担当の可能性も高いです。
ある意味会社の期待値が高くないことを利用して、色々試して実験して楽しむくらいの気持ちも必要かもしれません。
私がプランナー(ソーシャルゲームプランナー)になった10年前は、ソーシャルゲームって何?訳すと社会的なゲームって、社会に貢献するゲームなの?と最初に思うくらいの時代でしたし、モバイルのソーシャルゲームは、GREE社の「釣りスタ」「クリノッペ」くらいしかありませんでした。
今みたいにノウハウもなく手探りだったので、20代の若手でも「こんなゲームを作りたい!」というゲームのコンセプトから企画をするチャンスがあるのは魅力的でしたが、自社で内製ゲーム開発が始めてというのもあり、プランナーとしての仕事の仕方が分からず泣きそうでした。
新規ゲーム担当の3本目(運営4年担当したゲーム)で、リリースまで信頼されて企画を任せられ、リリース後に始めて黒字化できたので、黒字化するまで、自分は社会人になってからずっと赤字の人材なんだと自己否定精神があり、辛かったです。
(今に思えば、新規ゲーム開発は成功するのは簡単じゃないし、チャレンジする人は貴重なので、そんなに自己否定しなくてよかったと思います)
ゲーム運営の実際の仕事内容は、下記のnoteが参考になるのでオススメです!
運営の魅力② 数字に強くなる!
新規ゲーム開発より、毎月売上という形で通信簿がでるので、その分、運営プランナーのほうがシビアかもしれません。
毎月イベントや施策などを振り返り、良い所は伸ばして悪い所は改善するいわゆるPDCAサイクルを回す必要があります。
その時に、ソーシャルゲームのKPI(売上に影響する経営指標)をもとに分析したり改善したりします。
新規開発だとリリースしないと結果がでないので、運営プランナーのほうがほうが、ソーシャルゲームの主要KPIを身をもって覚えて、分析や改善方法について習得できると思います。
なので、運営プランナーとして、ソーシャルゲームのKPIの見方を覚えないと、会議で改善案を発言しても、2ch創始者ひろゆき名言の「それってあなたの感想ですよね」となってしまいます。
担当している運営ゲームが、ユーザがどんどん減りサービス終了するのは、世界の終わりみたいな気持ちになります。
私は二度とサービス終了には立ち会いたくないので、サービス終了しないよう、運営プランナーは、毎月売上やユーザを減らさないように、数字との戦いですね!
ソーシャルゲームのKPIの見方や分析方法について学ぶには、下記サイトが超オススメです。
このサイトをオススメするために、このnoteを書いているくらい(笑)
断片的には、まとめサイトに書いてあったりしますが、ここまで1つのサイトで詳しく丁寧に書いているサイトは少ないです。
自分ではソーシャルゲームのKPIについて、分かっていても説明が上手くできなかったりするので、今でもここの内容を会議資料に引用して説明したりしています。
▼ソシャゲKPI理解の超オススメサイト
■過去の連載記事ソシャゲ分析講座
基本編(その1):「売上の方程式」を理解する
基本編(その2):「DAU」を理解する
基本編(その3):「継続率」を理解する
基本編(その4):「スペンド率」を理解する
基本編(その5):「ARPPU」を理解する
基本編(その6):「4つのステージとKPI」を理解する
基本編(その7):「イベントの分析」を理解する(前編)
基本編(その8):「イベントの分析」を理解する(後編)
基本編(その9):「カード」と「ガチャ」を理解する(前編)
基本編(その10):「カード」と「ガチャ」を理解する(後編)
運営の魅力③ 不具合対応時に生きている実感がある
これは魅力なのか分かりませんが、運営しているゲームなら、必ず不具合などによるトラブルがあります。
例えば、リリースしたイベントやキャンペーンに、重大なバグがあったりすると、さあ大変。
サービスを続けている間、不具合により被害を受けるユーザは増え続けるし、不具合の原因を特定していないのに、当てずっぽうで不具合対応したら、さらに別の不具合が発生するという二次災害にもなりかねません。
サービスを一時停止するのが一番安全ではあるのだけど、とはいえサービスを停止するのは大事すぎるし、なるべく不具合の影響が少ないように見せて解決したい。
といった、緊急事態になります(笑)。
慣れないと、パニックになったりテンパりますが、不具合を責めても意味がないので、神経を研ぎ澄まし、不具合内容と解決方法をゲームプランナーやディレクターがまとめることになります。
▼不具合内容と解決方法のまとめ
・不具合の原因
・不具合の影響範囲
・不具合の対象ユーザ
・不具合の解決手順
・不具合の補填内容
・不具合のお知らせ内容
など
不具合対応中は、アドレナリンが出まくるし、集中してゾーンに入っている感覚や、テキパキチーム内に指示している時や、不具合を解消した時の達成感は結構好きですね(笑)
ただ、同じ不具合が起きないよう、再発防止策を考えないといけないですし、私の会社ではないのですが、「障害報告会」てきな不具合を起こしたら不具合レポートを作成し、会議で発表しないといけない会社は、胃が痛いかもしれません。
不具合対応をすることによって、プランナーとしての胆力は強くなると思います。
とはいえ、私は経営にダメージを与えるクラスの不具合は起こしたことがないので、このクラスの不具合を起こしたら、きっとテンパるか、心を宇宙に飛ばして、無の境地に入ると思います(宇宙視点で見れば、地球は核戦争さえ起きなければ無事ですし、不具合で自分が死ぬこともないので、対したことはないはず)。
昨今は不具合の初手のユーザへの告知を誤ったことにより、大惨事になることもあるので、不具合のユーザへの伝え方は、特に気をつけたほうがよいですね。
1ゲームの不具合が、経営的な問題になりかねないこともあるので、不具合のお知らせ掲載文章などは、書いた人が過信せず、複数の担当の人にチェックしてもらったほうが、安心だと思います。
以上となります。
もっと文章を練らないと運営の魅力が伝わらないと思いますし、
勢い半分、言いたいことを言う半分になってしまいました。
運営四年間にもほとんど触れられず(^_^;)
また機会があれば、書きたいと思います。
▼ゲーム企画系で2番目にスキが多いnoteです