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21 提携・統合以外の新規事業の道も

Insight Tech アイタスクラウド営業担当です。
地銀再編や21年春の給与デジタル払い解禁など、金融業界に変革の波が来ていますね。それによる影響がいかほどのものなのか個人的に気になるところもあり、勉強も兼ねて調べてみました。

考える

そもそも何故「再編だ」と言われてるのかが個人的に疑問だったのですが、
・都市銀行と地方銀行の収益構造の違い
・地方の人口減少

早い話この2つが大きく絡んでいるようです。

大和総研の資料がネット上で公開されており、分かりやすかったので貼らせていただきます。

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地方銀行が抱える問題とは?  第 2 回 収益力の低下が続く地方銀行の貸出業務 地方銀行の収益状況 2017年1月23日 大和総研  より抜粋

図表4のとおり、地方銀行の収益構造の大半を占めるのは「資金利益」というもので、貸し出しによる利息などがこれに該当するようです。”資金運用収益”などいろんな表現があるようですが細かいことは一旦置いておきます。

これを過去10年間遡ってみたのですが、全国の地銀の貸出金利息額が大幅に減少していることが分かりました。(下記リンクからエクセルでDLできます)

地方銀行2020年度中間決算の概要(2020年12月16日公表) 一般社団法人全国地方銀行協会 

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貸す相手が減っていること、(競争などで)利率が低くなっていることの2つが原因のようです。人口減少も止まらず今後地方はさらに貸す相手が少なる中、貸出しの利息が収益の柱である地銀はまずいよねというお話のようです。

さらに給与デジタル払いが解禁され人々が銀行口座を使わなくなってしまうと、出金や振込みによる手数料収入も大きく減少するため、再編・提携だけでは足りないという見方も出ています。故に、新規事業に乗り出す金融機関も多いようです。

だいぶ背景が見えてきましたね(・0・。)

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この件について調べる中で、「森ペーパー」なるものに辿り着きました。
2013年末に金融庁の森検査局長(現長官)が地銀各行の頭取に配ったとされるホワイトペーパーだそうです。(正式名称は「金融機関の将来にわたる収益構造の分析について」だそうです)

こちらは地銀に対し早く再編するよう警鐘を鳴らす内容のものだったそうで、7年も前から訴えかけていたことに驚きです。当時は各銀行が過去最高益を記録していた時期でもあったため、中々再編は進まなかったようですが、今はその真っ只中ですね。

今では地方銀行が出資した商社などが誕生しており、金融以外の事業を育てる動きが増えつつあります。待ったなしの状況で困難を極めると思いますが、変革の時期こそチャンスがあるので、踏ん張っていただきたいですね。

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