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2020年に遊んだゲーム ベスト5

年末にベストゲームを5本選ぶ企画も、今年で5回目を迎えました!
2020年は大変な年になりましたが、ゲームライフは、これまで変わらず、充実した1年でした。
2020年に遊んだゲームを整理しようと思います。

<毎年のお約束>
※ 僕が「今年遊んだ」ゲームなので、2020年発売でないものも含みます。
※  ベスト5を選んでいますが、5本の中に順位はありません。

今年プレイしたゲームは、全部で29本(うち何らかのエンディングに到達したものは13本)でした(記事の末尾にリストを掲載します)。

Cyberpunk 2077 〜「史上最高のRPG」であることは間違いない〜

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※ 僕は本作をXbox Series Xでプレイしています。

現状、本作に対する僕の評価は揺れまくっています。

約2年前に僕が書いた記事の中で、僕は、自分が考えるオープンワールドゲームにおけるリアリティの条件を論じ、それと関連して、本作「サイバーパンク2077」に対する期待を表明しました。

(前略)ここでは、僕が考える「オープンワールドゲームのリアリティ」について考えました。そして、リアリティがあるゲームとは、「プレイヤーが想像する余地を残したゲーム」なのではないか、という意見を述べました。
今回論じた「オープンワールドゲームにおけるリアリティ」という文脈に位置付けたとき、ウィッチャー3チームの新作「Cyberpunk 2077」には期待しています。(後略)

たとえ具体的に描写されなくても、ナイトシティに生きる人々の息づかいを感じることができる…例えば、中には入れなくても全ての建物の階段を登って部屋の前までは行けて、窓越しに様子が伺えたり、生活音が聞こえたりする、僕は本作にそんなリアリティを期待していました。

本作が、それに肉薄する瞬間はあったと思います。

雨の夜、光るネオンが水溜りに反射する歩道に佇んで、薄汚れた雑居ビルを見上げると、建物の窓の中に青白い蛍光灯が瞬いているのが見えた時。

あるいは、水辺のスラムから、遥か遠くに輝く高層ビル群を臨んだ時。

そんなとき、ナイトシティが実在し、自分自身がそこにいるのだという実感を、高いリアリティを持って感じました。
このような瞬間が現れる、ミッションとミッションとの間の何もしていない時間こそが、本作の真髄だと感じられました。

一方、ゲームプレイ自体は、(全ての点で高い水準をクリアしていることは大前提として、)期待を大きく超えるものではありませんでした。
ミニマップの点線を辿りながら移動し、目標をセンターに入れてスイッチして、敵を銃殺して回る。あるいは、ソリトンレーダー(的なもの)を見ながら敵の視界を掻い潜って侵入する。FalloutやGTA、もしくはメタルギアシリーズでお馴染みの感じです。

本作があらゆる面でこれまでの作品を超えた、「史上最高のRPG」であることは間違いないです。
ただ、僕が求める「オープンワールドのリアリティ」という観点では、大変惜しい作品だったと感じました。

仮に「シェンムー」のように、戦闘を主体としない、その世界で生活することに主眼を置くようなゲームデザインだったら、マイオールタイムベストだっただろうなあと思ったり、いや、現状でもゲームとしては間違いなく面白いと思ったり、気持ちが日々揺れ動きながら、本作をプレイする今日このごろです。

Outer Wilds 〜ゴーグル不要の究極のVR(仮想現実)体験〜

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ビデオゲームは、インタラクティブなメディアです。
プレイヤーが何か入力をすると、ゲームが反応を返す。その繰り返しで成り立っています。
しかし、我々が生きる現実世界はそうではありません。世界は、自分が生きようと死のうと、関係なく回ってゆきます。

本作「Outer Wilds」は、ビデオゲームというよりは、そういった現実世界に近く、いわば、究極の仮想現実を体験することができる作品だと思います。

本作でプレイヤーが放り込まれるのは、22分後に消滅することが確定している宇宙。プレイヤーは、終末の22分間を永久に繰り返し体験させられるループに囚われます。

この宇宙は、プレイヤーが何をしてもしなくても、一定のリズムで運行を続けます。

とある氷で覆われた惑星を一人探査しているとき、頭上を見上げると、巨大な太陽が燃え盛り、その周りを惑星が公転しているさまが見えました。

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宇宙は、本作の主人公の行動とは全く関係なく、(22分後の破滅に向け)規則正しく運行していました。
そのとき、たった一人でこの惑星を探査していることの孤独や、巨大な宇宙に対して自分がいかにちっぽけな存在に過ぎないかということが、まるで現実のようなリアリティを持って、実感されたのでした。
ビデオゲームでこのような気持ちになったのは、初めてのことでした。

このように、本作は、ビデオゲームというよりは、もう一つの宇宙を(VRゴーグルなしで)体験できる、いわば究極の仮想現実といえると思います。

SEKIRO: Shadows Die Twice 〜レベルアップするのはプレイヤー自身〜

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2019年のgame of the year受賞作にして、高難度アクションゲームの人気作。
僕にとっては、昨年プレイしたダークソウル2に続き、2作目のフロムソフトウェア作品でした。

レベルを上げ、白霊(味方NPC)を召喚すれば、ある程度ゴリ押しすることも不可能ではなかったダークソウルに対して、基本的に自らの反射神経と指捌きのみでボスを撃破してゆかなければいけない本作は、僕にとって、ダークソウル以上に難しく感じました。(ラスボスの攻略には15時間かかりました…)

それでも、アクションゲームが下手な僕がクリアできたのは、ゲームからのフィードバックが適切で、まるでRPGのように(キャラクターではなく自分自身の)成長を日々実感できたからだと思います。

毎晩毎晩、同じボスに何十回と挑んでは、敗退を繰り返す毎日…。
でも、決して行き詰まっていたわけではなく、「今日は第2形態に◯回行けた」とか「昨日までは見えなかった攻撃パターンが見切れるようになった」とか、必ず新たな発見と成長がありました。
それはまるで、RPGで地道にモンスターを倒して経験値を貯めるようなもので、そして、自分自身のレベルが十分に上がったとき、(そしてほんの少し運が良かったとき、)ボスを撃破できました。

本作をクリアできたことは、僕に大きな達成感を与えてくれました。
それに「どんなに困難な課題でも、適切にフィードバックが与えられれば必ず乗り越えられる」という本作で得た教訓は、もしかしたら、実生活でも役立つかもしれないなあと思いました。

あつまれ どうぶつの森 〜比類なき完成度を誇る「未完成」作品〜

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新型コロナウイルスの世界的流行という、誰もが予想しなかった脅威に世界が見舞われた2020年。本作は、そんな時代をもっとも象徴した作品だと思います。

コロナ禍における本作の位置付けは世評に譲るとして、1本のビデオゲームとして本作を論評すると、「明らかに未完成状態で発売されたにも関わらず、他の追随を許さない比類なき完成度を達成している」という、かなり変わった作品だと思います。

3月の発売時点では、過去作には存在した多くの要素が未実装でした
季節ごとのイベントはありませんでしたし、素潜りや美術品収集もありませんでした(これらは発売後、アップデートで実装)。
そして、本稿を執筆している2020年12月現在でも、お店の改装は1段階しかなく、また前作にはあったカフェ「喫茶 ハトの巣」も登場していません。

一方で、実装されている部分の作り込みは凄まじい完成度です。

博物館は、国立科学博物館(かはく)を参考に精巧に作り込んであります。

また、登場する家具一つ一つも、現実のモノをそのまま模倣するのではなく、徹底的に研究した上で、そのモノの「らしさ」を抽出し、上手にデフォルメして、ゲームに落とし込んでいます。

システムやソフトウェア制作では(最近はビデオゲームでも)、全部の仕様が入ったものを粗く作ってから、バージョンアップによって徐々に改良してゆく場合が普通だと思います。
その方が、ユーザーのフィードバックを元にして、どこを重点的に改善したら良いか、力の入れどころを探ることができるからです。

本作もそのような手法を取ることはできたはずですが、その場合、普通の大ヒットにはなっても、ここまで異例のヒットには繋がらなかったかもしれません。

世界的な社会現象と言えるまでになった本作のヒットは、コロナ禍の巣ごもり需要という側面ももちろんありますが、本作の凄まじい完成度が起因したことも大きかったのではないかと考えています。

ゼルダの伝説 スカイウォードソード 〜そしてブレスオブザワイルドへ〜

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本作は、2011年にWii用として発売された、少し古い作品です。
ですが、本作は、ブレスオブザワイルドを遊んではじめてゼルダの伝説を知った人に「次に遊ぶシリーズ作」として勧めるときに、最適な作品だと思いました。

個人的なことですが、僕自身は、3Dゼルダ作品との相性がかなり悪いです。
シリーズ作品はほぼ全て挑戦したことがあるのですが、大抵の場合途中で諦めてしまいます。(「時のオカリナ」なんて、NINTENDO 64のオリジナル版、Wiiのバーチャルコンソール版、Nintendo 3DSのリメイク版と、3回挑戦して、3回ともエンディングまで行けませんでした…)

そんな僕が初めてエンディングに到達できたのは、2017年の「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」でした。
理由を自分なりに分析してみると…

謎解きが直列に連なっているのではなく、各地に点在する祠という形で並列に広がっているため、全ての謎を解かなくてもエンディングに行ける
・「気づかなかったらそこで終わり」の従来の謎解きとは違って物理演算パズルなので、現実世界の物理感覚を援用して謎を解ける

という特徴が、クリアまでのハードルを下げてくれたのだと思います。

本作「スカイウォードソード」、発売当時に遊んだときは、それまでの作品と同様、クリアまで行けませんでした。(最初のダンジョンの仕掛けにすら、詰まる有様でした)

ですが、2020年の今年、改めて遊びなおしてみると、ブレスオブザワイルドほどではないにせよ、様々な点で工夫して、ゼルダの伝説に慣れていない人でもクリアしやすいように配慮されていることを実感しました。

ダンジョン内にセーブポイントがあるおかげで、中断と再開がやりやすいですし、ヒントも豊富で、次にどこに行ったらよいか迷うことはほとんどありません。また、Wiiリモコンプラスを使った操作はシンプルで、比較的ハードル低く、ゲームに入っていくことができます。

このように、本作「スカイウォードソード」は、あくまで従来の3Dゼルダの延長線上にはあるものの、「ゼルダのアタリマエを見直す」がコンセプトだったブレスオブザワイルドへとつながる萌芽を伺うことができる作品です。

その意味で、本作は「ブレスオブザワイルドの次」としておすすめできると思います。

来年2021年は、ゼルダの伝説シリーズ35周年、そして本作のオリジナル版が発売されてから10年の節目の年に当たります。
叶うならば、本作のHDリマスター版がNintendo Switchで発売され、さらに多くのプレイヤーを獲得することを望みます。

2020.12.29 Itaru Otomaru

付録:2020年にプレイしたゲームのリスト(全29本)

PS4:1本(うちクリア済み1本)
シェンムーIII(◯)

XBOX Series X / XBOX ONE:5本(うちクリア済み2本)
Forza Horizon 3(◯)(※本編は以前クリア済み。今年はDLCのBlizzard Mountainをクリア)
The Outer Worlds(◯)
Slay the Spire
Disneyland Adventures
Cyberpunk 2077

PS2:2本(うちクリア済み1本)
ウルトラマン(◯)
beatmania IIDX 6th Style new songs collection

PC (Steam):5本(うちクリア済み2本)
SEKIRO: Shadows die twice(◯)
NieR: Automata(◯)
NiGHTS into Dreams
Crypt of the NecroDancer
Hades

PC (EPIC Games Launcher):4本(うちクリア済み2本)
MINIT
Gone Home(◯)
Outer Wilds(◯)
Death Stranding

PC (Xbox Game Pass):1本(うちクリア済み0本)
龍が如く 極

Nintendo Switch:7本(うちクリア済み3本)
あつまれ どうぶつの森
スーパーマリオブラザーズ35
Return of the Obra Dinn
Demon’s Tilt
To the moon(◯)
The Gardens Between(◯)
マリオ&ソニック at 東京2020オリンピック(◯)

Nintendo 3DS:1本(うちクリア済み1本)
ゼルダの伝説 神々のトライフォース2(◯)

Wii:1本(うちクリア済み1本)
ゼルダの伝説 スカイウォードソード(◯)

Mobile:2本(うちクリア済み0本)
原神
テクテクライフ





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