〜若気のイタリー〜立田揚げマッチ1本勝負
おばんです。
仙台で写真を撮っているイタリーさとうです。
今日もローカルな話し失礼します。
いや〜冷え込みますね。
身体をツーーンと貫く寒さを感じると思い出す、ある日の夜。
仙台・東一市場。
一番町のアーケードからひとつ裏に入ると現れ、戦後のバラック市場の雰囲気が残る。
東一市場のなかで、三越通りと呼ばれる場所がここ。
渋いように見えて、新しいお店の入れ替わりもあったり、しっかり循環している路地裏の飲み屋通り。
夜になると。
一層渋い雰囲気が漂う。
「大衆居酒屋 山里亭」
あの日、ふらっと入った日のことは忘れない...。
ちょっとごつめの腕っぷしの強そうな大将。
カウンター席が並び、いかにも横丁のこじんまりとした飲み屋といった店内。
この少しばかりの窮屈さが、とても心地よかったりする。
店内にはたくさんの色紙と写真が並んでいた。
ほとんどは力士かプロレスラーだった。
お店の取材記事の切り抜きも貼ってあった。
「プロレスラーも試合後に足を運ぶ体育会系御用達の店。」
膝が震え出した。
寒さだと自分に言い聞かせ、メニューを見渡す。
とりあえず、生とだし巻き卵を頼む。
さきほど見た切り抜き記事には大将が竜田揚げを持って写っている。
恐らくこのお店の看板メニューなのであろう。
しかし、その竜田揚げの量が尋常じゃない。
「鳥立田揚げ(¥780)ください。」
「1人前は5枚もあるけど、大丈夫?」
大将が持っている写真の量だ。
ハーフサイズなど、1〜2枚で食べることを勧められたが、ここで妙な血が騒ぐ。
せっかくきたんだから、この色紙に並ぶプロレスラーたちに負けちゃいかん。
同じように頼むのが礼儀だ。
と、冷静になれば止められる衝動を抑えられず
「5枚!行きます!」と宣言。
厨房から油で揚る音が聞こえてきたのち、出てきたのがこれだ。
でっかい鳥もも肉が節約せずに十分なサイズで、本当に5枚きた。
「...(サクっ)」
揚げたてなんだからそりゃうまい。
1枚目は美味しさを味わいながら食べた。
2枚目も美味しさの余韻を残しながら食べた。
3枚目.......
数々のプロレスラーの色紙を眺めながら、脳内では古舘伊知郎の実況が流れてくる...。
奥州からイタリズムの風をなびかせるイタリーさとう!
今宵の挑戦も、まさしく若気のイタリーでありましょうかぁっ!
目の前にずっしりと奥羽山脈のように鳥の立田揚げがそびえ立ちます!
この雄大な山脈の一角を、今、まさに踏破しようというところ!
しかし!まだ目の前には3枚も残っているぞ!
私は何かスイッチが入ったように、味わう、ということを置いて
残さずに食べ切るという闘いになった。
プロレスラーのように、ではないが、フードファイター小林尊のように、リズムよく噛んで飲み込むような勢いで立田揚げを喰らう。
3枚目、4枚目、5枚目...。
気合いで食べ切った。
後からきたサラリーマンのお客さんに褒められた。
腹ははち切れそうなばかりで、というよりは多分ちょっとだけ切れて、鳥もも肉がこぼれ落ちていたのではないか。
そんな夜の話し。
みなさんも食べるときは無理せず適量を味わうように。
ごちそうさまでした。
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