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98☆ナゾの聖女サンタ・プラッセーデ

ぼんじょーるの!
晴れてるけどうっすら寒い水曜の朝です。
昨日も午後から雷雨だったのですけど19時ごろには晴れてきれいな夕焼け空。
たしか月曜からずっと同じパターンな気がします。

ローマの春はお天気が安定しません。
1日のうちに晴れ、曇り、雷雨、そして強風があって、時にはひょうが降ることも。
育ち始めた夏野菜の苗やオリーブ、ブドウの新芽にダメージを与えるのでホント、低温と同じぐらい被害が大きくなります。

さて、今日、4月21日はローマの建国記念日。
しばらく行ってませんけど、ローマにはホントにたくさんの教会があって死ぬまでにすべて見て回りたいと思っています。
でも、たぶんムリだと思うけど……ホントに数が多いから。

好きな教会にはもちろん何回も訪れます。
だって、ローマの教会って美術館みたいにフレスコ画や絵画や彫刻がすごいのに無料なんだもの。
カラバッジョもラッファエッレもベルニーニもみーんな無料鑑賞できます。

で、そんな有名どころじゃないけど、すごく好きな教会があるので今日はそれを紹介しようと思います。

モザイクがすごいサンタ・プラッセーデ教会

入口なんて、ほんと、通り過ぎちゃうようななんてことない木の扉なんです。
でも、なかに一歩入るとそこは、豪華絢爛なモザイクの世界が広がるサンタ・プラッセーデ教会

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正面祭壇は、この通り。

これだけでも十分すごいんですが、この教会の見どころは、右側にあるサン・ゼノ礼拝堂

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すごいキンキラキンのモザイク。
シチリアのパレルモ辺りにはわりとモザイクを多用した教会装飾が多いのですが、ローマのこんな小さな教会でここまですごいのはちょっと驚き。

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サン・ゼノ礼拝堂の天井モザイク。
窓枠の内側までモザイク仕様です。
これ、9世紀の初めに作られたそうで、当時の人は本当にびっくりしたでしょうねぇ。

この礼拝堂のなかには、キリストが縛られていた大理石の柱があります!
ローマ貴族コロンナ家の人が十字軍の遠征でエルサレムに行ったとき、ローマに持って帰って来ちゃったそうな(汗。
ちなみに柱はイタリア語でコロンナ。
コロンナつながりで、つい、持ってきちゃったんでしょうねぇ・・・気持ちは分かる。

ナゾの聖女プラッセーデ

プラッセーデは、ローマで最初のキリスト教改宗者のひとり、元老院議員プデンテのお嬢さんということになってます。
プラッセーデとプデンツィアーナの2人姉妹で、古い記録によると7世紀の人物。

父親と言われているプデンテは、初代ローマ教皇とされる聖ペトロがローマに来たときにかくまった人。
ということは1世紀のハナシですよねぇ?

うーん、ナゾが多いです。
実在の人物じゃなかったのかな?

313年に公認されるまでローマ帝国ではキリスト教は迫害されていたんですね。
ローマにはギリシャから来た神々がいたわけで、中でも戦いの神としてミトラ教が大いにもてはやされていたようです。
でも、ミトラ教は女性信者を受け入れていなくて……ローマはわりと男性優位な社会でした。
この時代、宗教を信じていいのはある程度の位のある人や男性だったんじゃないかしらん。

女性や奴隷は宗教を許されていなかったところ、キリスト教は誰でもウエルカムな世界だったため、最初は女性信徒が多かったのではないかと。

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こちらは教会の中にある聖女プラッセーデの像。

伝説によると、プラッセーデは、殉教した信者の遺体から出た血液をスポンジに染み込ませ、この教会のある場所にあった井戸の中に注いだそう。
だからこのプラッセーデ、手の周りに血がついていたんですね!
最初、この伝説を知らなかったので、この人、スポンジみたいの持って何してるんだろ?と思ってました(汗。

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これは分かりやすいですね。
血のしたたるスポンジを絞っています。

なんとルーブル美術館にも彼女の絵があります。

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やっぱり真っ赤な血がジョーっと絞られてますね(汗。

サンタ・プラッセーデ教会はローマ・テルミニ駅から歩いて15分ぐらい
サンタ・マリア・マッジョーレ教会のすぐ近くにあります。
日本のイタリアツアーではテルミニ駅周辺にホテルをとることが多いので、機会があったらぜひ行ってみてください。

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では皆さま、善き水曜日を Buon Mercoledi ぼぉん・めるこれでぃ♡

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