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「広告の街」1音目について

突然だが今日は最近の気づいたことについて書こうと思う。
先日のnoteで少しsora tob sakanaというアイドルについて触れたかと思う。今日は中でも僕が好きな広告の街という曲について書く。


この曲は2016年のsora tob sakanaというアルバムに収録された曲で、なんと言っても曲頭の楽器帯のリズムがぴったり合わないとダサくなってしまうであろう、キモいフレーズが印象的な曲である。こんなにも攻めた曲なのに歌メロはめちゃめちゃキャッチーで、サビなんかは誰もが口ずさみたくなるようなフレーズで、難解なアレンジの中にキャッチーさを共存させたい曲という点では、完成形というかマスロック要素とかわいいアイドル・キャッチーなメロの要素のバランスが理想的な配分で構成されている曲だなあと思うのである。
僕と比べるのはおこがましすぎてやばいが、もし僕だったらこの曲頭のキモいフレーズをこのキャッチーなサビに繋げようという発想に至らないというか、これらを一つの曲として共存させることが技術的にもできないなあと思う。
この曲を作った照井順政は本当に天才的な作曲センスと知識・技術だなあと聞くたびに感心させられる。
普通に考えてアイドルの曲なのに、サビはシンセとギター単音フレーズでピロピロしていて、サビが終わってからベースがちゃんと加わって音圧が上がるみたいなおかしな展開の曲他にはなかなかないかなあと思う。(ボクが無知なだけかも)



そういう感じなのだが、冒頭にこの曲はsora tob sakanaというアルバムに収録された曲と言ったが実はその後のdeep blueという2020年のアルバムにも再収録されている。
どちらもSpotifyに上がっているのだが、この2つの音源を聞き比べてほしい!



曲構成,メロディーなどはほとんど変わっていないが、再録音したのか音がかなり変わっている。特に最初のギターの音が2016年と2020年でかなり印象が変わっているように思う。
2020年は割とミッド~ハイの主張強めでクリーンめな音で、音の切れ目もスパッと切れていて(たぶん波形切ってる)、無機質で機械的な感じに感じる。
一方で、2020年の方の方は曲頭のギターはこっちの方が歪んでいて、2014年と比較すると高音域のヌケが抑えられている感じがする。あと、2020年の方はおそらくほぼ波形を切ったりせず生の演奏そのままの感じがして(完全に僕の主観だが)、2016年に比べると音の切れや無機質さよりかは、各楽器の音の余韻みたいなのを大事にしてる感じがした。
という感じで、2016年収録の方は無機質さ、2020年収録の方は楽器の生々しさという感じで、最初の楽器の一発目の音だけとっても印象が全く違うなと今日仕事中に聞いていて思った。




ここからは完全に僕の推測だが、なぜ曲頭の音をこんなに変えたのか考察してみた。
実はsora tob sakanaは2019年にメンバーが一人卒業している。また、今年解散も決まっている。そんな背景の中で、リリースされたdeep blueはそれまでの無機質で複雑な演奏を良さにしているアルバムと違って、何となく全体的にメンバーの歌声とうまく溶け合うような生々しい楽器隊や、メンバーの歌声の良さを生かすようなボーカルワークになっているように感じる。

いろいろなことを乗り越えたメンバーの人間性のようなものがより伝わるようなアルバムになっているように感じるのである。


そんなところから、2016年の音源は相反するものが混ざり合っているような感覚の面白さ、2020年の方はメンバー一人ひとりの歌声に楽器隊が寄り添って溶け合っているような良さを感じるのである。
そんなアルバムの雰囲気,グループの活動の背景から、この広告の街の1音目の音の違いが生まれているのかなあと今日僕は考察した。まだにわかファンなので真相は違うかもしれないが。真相を知っている人がいたら教えてほしい!

長いバンドだと、ベストとか採録みたいな形で過去の曲を音源に入れたりすることが多いかと思うが、そんな音源たちの前回の細かな違いを比較してみるのも面白いなと考えた今日でした。

そんな感じで、sora tob sakanaの「広告の街」の1音目についてでした。




sora tob sakana結成~活動にこんな背景があったのかと面白かったので追記。スタッフのインタビュー記事。


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