見出し画像

ひとのため

自分は仲のいい友人にお節介だのお父さんだの呼ばれている。
決して悪くはない愛称だが、なにかうれしくはないのだ。
なぜかというと、何かしらお節介をしたときに後々振り返ると後悔することが多々あるからだ。人のために何かで得きることは何なのか、その人の幸せとは何なのだろうか、私の行動は本人を追い詰めているのではないか等々様々で時には自分を追い詰めて病むこともあった。それでも基本楽天家なので、最終的には何とかなる理論で終わってはいたが人のためにと考えすぎるのは大分負担になっていた。

そんな時一つの本に書いてある言葉に救われた。
その言葉の背景を簡単に言うと、一人の死期が近く意識だけが残る病人に対して、必死に心を込めて本を読む一人の看護師をみて書かれた言葉だ。
「どんなに小さくても心を込めて相手にしてあげられることは、これほどまでに尊いのか。僕はその姿を今でも目に焼き付けている。
それをするには誰に気兼ねする必要もない。もちろん誰の許可もいらない。ただ始めればよい。今日から。」

引用元:人生はあなただけのものじゃない 著者 トム・ラム
この言葉の解釈は人それぞれかもしれない、その中で、私はとにかく後半の「それをするには誰に気兼ねする必要もない」という言葉が印象的でしょうがなかった。
今まで何かをするたびに、その先に何があるのか・人のためになるのか・大切にしたい人の幸せにつながるのか等度を越えた不確定な未来を考え不安になっていた。
しかし、未来は誰にもわからないのだ。加えて人の思う幸せなど十人十色で、私自身が何かすることでそれを確実にできるなど個の範囲外である。
だから、私は・いつか・どこかで・誰かの・ためになれる可能性を少しでも高めるために「今できること」を誰に気兼ねも許可もいらず行っていこう。

この本は、私に他にたくさんのことを教えてくれた。
最後に背中を押してくれたのは、あの言葉だったのだ。

これから関わるであろう誰かのために何かできることを増やしていく。
そんな心を込めて、私は今できることをする。


この記事が参加している募集

#人生を変えた一冊

7,947件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?