じゃあどこにIT投資を行ったらいいんですか?(前編)
IT投資に対する「正しい」考え方がわかるように、会話調でエントリを書いています。記事の最後の今までのリンクを掲載しています。
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「私はITに対するお金をこう使いなさいと言う立場の人間だが、前回の記事でIT投資に対するリターンほどわかりにくいものはないという、自己否定で終わったわけだが(笑) まぁ、事実だからしょうがない。」
「なんでそんなことになったんですか。」
「やり遂げるのが難しいことを、簡単ですっていう話を真に受けても困るじゃないか。専門家の助けなど要らぬ、ドントウォーリー・ビーハッピーでは済まない。」
「とりあえずやってみよう、とはならないもんですかね?」
「決裁権のある方の問題意識に刺されば、すんなりそうなるよ。その条件が揃うのは、それはそれで難しい。
そろそろ本題に入ろう。IT投資の対象はどこにすればいいか、だ。」
「多くの人が期待しているのは、ソフトウェア・ファースト的な、ソフトウェアを使って新規事業を作ったりすることだと思います。その辺はどうでしょうか?」
「まぁそれが一番サクセス・ストーリーとしてカッコええもんな。でも、新規事業を作るのは成功率も低いし、現実的に難しい。忘れているのは、ほとんどの企業は、ITが本業じゃない。」
「ITが本業じゃないってどういう意味ですか?」
「ソフトウェア・プロダクトを作って売上を上げているかどうか、ってこと。YouTubeのように、ソフトウェアのユーザーによって事業が成り立つ会社は、ソフトウェアに投資して更に売上をUPさせるのが正解なわけ。でも、ソフトウェアを作って公開してユーザーを集めると売上が連動して上がるような業種は、ほとんどない。」
「そうなると、どこにITを使ったら効果出るんですか? 新規事業を作ったりするのは難しいとなると、他にどうしようかと。」
「どこへいくかは、君たちが決めることだろう。自社のビジネスモデルを変えるとか、サービスメニュー増やすとか、非効率な業務を変えて品質を上げたいとか、何かしらあるはずだよ。」
「それはそうですけど、ITで何ができるのかイメージできないと、思考が広がらないですよ。」
「ITで何ができるのかイメージできないというのは、自社の課題として認識していないことの裏返し。ほとんどの会社がパソコンを使ってデータを共有して仕事をしているのだから、こういう風に使えないものか、という発想があってもいいはず。」
「問題であると認識してないものを変えようとはしないですね。それはわかります。面倒だなぁと思うことはたくさんあるんですけどね。」
「IT投資を成功させるためには、目の前の面倒を片付けるだけでなく、あるべき姿をイメージできる為のビジョンも必要だ。足元がおろそかになってもいけないが、足元ばかり見ていると目線の位置が上がらず、何も変わらない。」
「IT投資を啓蒙しているようで、IT投資をするもんじゃないと言ってるようにも聞こえるのですが」
「IT投資は、投資をして手に入れてからが始まりだからさ。何かを購入する場合は、購入すればそれで完結するものが多い。でも、ソフトウェアはそうはいかない。手に入れる前に、自分達で使い道を考えないといけない。スマホを買っても、アプリを活用しなくては使いこなせないのと同じ。
アプリは入れても使えないならそれでいいけど、企業が使う場合はそうもいいかない。不特定多数の立場の異なる人間が、連携するからね。」
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前編は以上です。がんばって、中編と後編(1個になるかも)を書きます。
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