
IT業界人材、実は足りてる疑惑
こんにちは。いのです。
2020年に入り、プログラミング教育も開始される最中、これらとこじつけるようにIT業界の人材不足が騒がれていますが本当でしょうか?
私にはむしろ多すぎるような気がしてしょうがないのでその理由を書いてみたいと思います。数字的根拠というよりはIT業界に長年務めている経験談なので、そこをご理解のうえ読んでいただけるとありがたいです。
IT業界人材不足とは
1999年頃からIT業界はインターネットの普及に合わせて一気に盛り上がりを見せました。ソフトバンクが携帯事業(J-Phone)を買収したり、その後街中でADSLモバイルと宣伝したり、楽天 vs ライブドアなど、ヒルズ族たちが頭角を現したのもこの時期ですね。
その後、時代は急速にITビジネスに進展しはじめます。そしてここで最初のIT業界人材不足が訪れます。年代で言えば2000年以降、実は既にITバブルというものは過ぎています。そして2008年に起こるリーマンショックに向けたカウントダウンが密かに始まっていた時代でした。
インターネットが普及することによって、物を作れば売れる時代から、一気にサービス提供、そして価格競争の時代に突入します。インターネットは人々の暮らしを便利にするのと同時に社会人の働き方を一変させたというわけですね。
ですが、日本は変わりませんでした。全て変わらなかったというわけではありませんが、終身雇用や年功序列と言った古き良き日本が時代の変化に負けず生き残ったのです。
ここで既にIT業界に多くの人材が投入されることになりました。私もその1人ではありますが、時代はIT人材を求め、そして不足した人材は未経験者を採用することで頭数を合わせることが一般的になってしまったのです。
かくいう私も未経験者出身なので人のことは言えないのですが、ここで発生する影響として、IT人材の質の低下が起こるのは想像に難くないでしょう。私を含め、一部の未経験者はありがたいこと、人材育成と福利厚生に力を入れてくれる企業に巡り会えたので、最初は役不足感があったかもしれませんが、後々役割を全うできるようになったと思っています。
ですが、我々の世代で多くの人材が不足し、それを未経験者で補ったしわ寄せは後々の世代にも大きく影響し始めます。
世界は効率化重視
昨今の日本の会社は大手が正義という時代ではなくなりました。市場で1位を取った企業だけが優遇され、そして、いち早くサービスをリリースし続けたものが勝ちます。
これはIT業界にも同じことが言えます。しかし、ここでの強者というのは日本という枠を越えていることはご存知ですよね?
そう、IT業界の強者はFAGMAと呼ばれる、Facebook、Apple、Google、Microsoft、Amazonのアメリカを代表するIT企業です。
残念ながら日本のIT企業は上位にはたどりつけていません。最近では中国から阿里巴巴も迫ってきていますね。そう、効率よくプロダクトをローンチし続ける企業が強者であり、それをいまの企業の正義と呼んでも良いでしょう。
話を日本のIT業界にフォーカスをあてた場合、日本には90万人近い人が、国内でIT人材として活動しているそうです。これが適正かどうかは私には判断できません。ですが、感覚としては「そこそこ多い」と思っています。
ではなぜそこそこ多いと感じているのにも関わらず、人材が不足と呼ばれるのかは1つしかありません。日本のIT業界が質よりも量を取っているからです。先ほどの話と重複する部分がありますが、これが原因です。
IT業界の強者は質の高いメンバーを揃え、質の高いプロダクトを生み続けます。それは1人であってもできることかもしれません。ですが、質よりも量をとってしまっている日本のIT人材の場合、1人で行っていた作業を2人、3人で行います。大勢でかかっても、質の問題でかえって効率が悪くなります。
私も過去にSIer(システムインテグレータ:受託開発会社)に所属していましたが、どんなメンバーが集まったとしても同じ1人日で数えられてしまうのです。人月の考え方って怖いですね。
でも日本は日本なりのIT業界の構造になっているのであればそれで良いのではないか?と思っている方はかなり間違った認識をしていると思います。
いろんな意味で働き方改革が起こる
もちろん良いことです。
ですが、これまでどおりの仕事の仕方をしているだけではこの波に揉まれ、仕事を失うことになりかねません。AIが人々の仕事を肩代わりしてくれるようになると、つぎのような事が想定されます。
・ライン系の仕事や下流での仕事は自動化される
・プログラミング関連もRPAのように自動化される
・少子超高齢化社会のため労働人口減にも関わらずできる仕事がなくなる
ますます格差が広がっていきます。おそらく本当の意味での働き方改革になると思います。
なので、私も含め、いまIT業界に携わっている人、もしくはこれからIT業界に携わろうとしている人は大きな転機が訪れるでしょう。進むべき道はいまのところ2つあると思っていて、
・知識、技術などで尖った人材になる
・新しい物事をクリエイトできる人材になる
ということです。もちろん他の道筋もあるとは思いますが、少なくともこれまでの下流の作業は自動化または淘汰されます。残った選択肢はいずれにしても尖った人材、特化型の人材になるということです。
1個できたら他は良いのかという話ではなく、広く浅くであったり、目の前の事象や言われたことをこなすだけでは時代の変化に対応できなくなるという意味ですね。
そのためには今を生きる大人も子どもも、自分の好きなことを見つけ、学びつづけることができるようにしていきましょう。
関連動画
これからの日本の就業に関する格差と方向性についてYouTubeでも語っていますのでぜひ!
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