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【投資】そもそも銀行の数って多くない?銀行数の日米比較

本日、2023年9月1日の日経新聞朝刊にもありましたが、金融庁が山形県が地盤の"きらやか銀行"と、その銀行を傘下に持つ"じもとHD"に公的資金注入を決めたとのこと。このこと自体は「ああそうですか」くらいにしか思わないんですが、そもそも論として、たいしてどの銀行も提供しているサービスは違わないのに、日本にある銀行の数って多いんじゃないか?と常々疑問に思ってきました。そんなわけで、この機会に日本にある銀行の数、そして金融大国である米国の銀行の数を調べてみました。


仮説

日本は「結構銀行の数あるよね」という印象です。「オーバーバンキング」なんて言葉もあり、日本にある銀行(店舗数含めですが)多すぎるというのが議論されてはきました。都市銀行、地方銀行とも、ちょっとは統合が進み、数は減少傾向ですが、それでも多い気がします。一方で、自身が過去に住んだ経験からすると、米国は銀行の数は多くはないのではないか?と感じていました。1997年から1999年までは留学のためボストンに住んでいましたが、その際、ほぼ利用可能だったのはBank Boston(今はもうない)のみだったし。その印象が強かったせいか、各地域に1つくらいしかないイメージです。そんなわけで、人口比でみると、日本のほうが銀行数が多いのではという仮説を立ててみました。

日本の銀行の数

まず日本にある銀行の数、店舗数等はどれくらあるのでしょうか?いろいろググってみましたが、以下の図表がちょっと古いものの、うまくまとまっているように見えました(杉山敏啓氏"平成の30年間における銀行業の国内店舗数の変遷")。

"平成の30年間における銀行業の国内店舗数の変遷 by 杉山敏啓氏"

これによると、平成30年の日本にある金融機関数は534、店舗数は21,531箇所。ただこれには含まれていないようですが、それ以外にもゆうちょ銀行が約50,000店舗、セブン銀行が24,000店舗(おそらくセブンイレブンにあるATM?)、JAバンクが16,000店舗あるようです。合計するとざっくり110,000店舗くらいあるようです。

日本の人口が約1億2千万人とすると、1機関あたり225,000人、1店舗あたり1,090人をカバーしている感じでしょうか。

正直これだけ見ても、多いか少ないか、直感的にはわかりません。上記レポートでは、機関数、店舗数の減少についてもう少し詳しく議論されていますね。時間のある時にでも読んでみても面白いかもしれません。

米国の銀行の数

米国の銀行の機関数については、以下のレポートから拝借。ゆうちょ財団というところが出している米国の金融機関に関するレポート。これによると2022年、米国にある銀行(預金口座を開設できる金融機関)は9,624機関(多い!)とあります。

ゆうちょ財団HPより抜粋

店舗数に関しては上記のレポートにはなかったので、他を探してみると、以下のサイトに、2019年で86,374店舗とありました。

米国の金融機関の店舗数推移

米国の人口が約3億3千万人ということですので、1機関あたり34,289人、1店舗あたり3,820人をカバーしていることになります。

考察というか…So What?

上記参考にさせてもらったHPが正しいとして、日本では1金融機関あたり225,000人、1店舗あたり1,090人をカバー、米国では1金融機関あたり34,289人、1店舗あたり3,820人をカバーしているという感じです。店舗数はひょっとして、ゆうちょ銀行とセブン銀行、JAバンクが多すぎて、かなり多く見積もりすぎているかもしれません、そして、金融機関あたりでみると、米国のほうが人口あたりの銀行数は多いということになりますね。そんなわけで、当方の最初の仮説「日本のほうが銀行の数は多い」は覆されました。

So What?なんですが、もちろん近年は徐々に銀行の数、店舗数は減少傾向にありますが、そんな劇的でもなく、引き続き日本、および米国にある銀行の数、多いんですよね。繰り返しますが、銀行で扱っている商品(預金、ローン、決済などなど)って、金利差とかっていう細かい違いはあれど、対して変わりない。それなのに、提供する機関数がこんなに多いってなんかmake senseしません。なんでなんでしょうね?

規制業種であるし、金利も市場金利にある程度はリンクさせられるため、過度な自由競争にはならず、淘汰も進まないんでしょうか?個人的には、機関数としては電力、ガス会社と同じくらいの数で十分なのでは?(店舗数は維持したままで)という感じもしてます。

以上、たいした話じゃなくてスミマセン(笑)

#日経COMEMO #NIKKEI

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