見出し画像

900人の村での子育て−自然と人の温かさに生かされる日々−

みなさん、こんにちは。根羽村民のゆきです。

オンライン移住相談を受けていても必ずと言っていいほど質問を受ける、村での子育て事情
まだ村で子育てをはじめて10ヶ月ですが、私が実感している、村での子育てについてお伝えします。

ちなみにTOP画像は自宅前での写真です。だいたいこの写真ですべてが伝わるんじゃないかと思っていますが(笑)少しだけ詳しく書いてみました。

根羽村での出産について

まず、この村の中で出産できる病院や助産院はありません。
ですので、妊娠した場合は、車で約50分程の飯田市まで行くか、お隣愛知県まで行くことになります。
私自身、移住する直前に妊娠がわかり、産婦人科はどこに通うか迷っていた頃、
前職の人から教えてもらい知っていた愛知県岡崎市にある吉村医院が通える範囲だとわかり、そこで妊婦健診、出産をしました。

通えると言っても、車で約2時間弱で当時はマギーがまだ免許を持っていなかったので、妊娠7ヶ月ごろまでは、私が運転をして通っていました。
今考えると、結構無茶してたかなと思うのですが(笑)ここで良かったなと思える場所でした。
出産の話はまた別記事で書けたらと思います。

渋谷区に住んでいた頃は、歩いて20分のところに産婦人科がありましたので、交通には田舎の不便さを感じることもあるかもしれないです。
個人的には田舎に来ると、車で2時間圏内は近いな、という感覚になりましたが(笑)。

飯田市の病院や助産院、私の通っていた岡崎市の吉村医院にしても、検診回数が通常の範囲内でしたら診察代はすべて妊婦補助でまかなえます。
都内に住む友達の中には、妊婦補助に追加して毎回費用を支払っていたという話も聞くので、そういった意味では田舎の方が経済的かもしれません。


村のみんなが待ち望んでくれる

人口900人の村ですから、毎年生まれてくる赤ちゃんは近年多くても2〜3人程度です。
ありがたいことに村のみんながお腹の子の誕生を待ち望んできてくれます。
村のおばあちゃんの家でご飯をごちそうになると、たいがい、妊婦さんはたくさん食べなきゃ!といっぱいご飯をいただきました。

そして無事生まれ、名前が決まると、村内放送で全村民に告知されます!(笑)
これを楽しみにしてたくらい、嬉しかったです。


子育て支援センター

保育園に預けるまで、通称「こねばちゃん」といういわゆる子育て支援センターでの集まりがあります。
根羽村では保育所の1部屋をお借りして、生後3ヶ月くらい〜2歳半くらいまでの子どもが週2回集まり、絵本の読み聞かせやお外遊びを楽しみます。
毎月テーマを決めてメモリーアートも行ったり、季節になったらブルーベリー狩りや芋掘りも行ったりしています。

活動内容や日々の活動はママさんたちで話し合い、協力し、進めていきます。
子育て初心者ですが、ここで質問できたり、色々な人と関わることができるのでとてもいい機会だなと思っています。

また、村の栄養士さんが主催する離乳食や幼児食教室も充実しています。
我が子はまだあまり離乳食を進めていないのですが、初めての子育ての時に、村の子育て制度が充実していると、安心できるかと思います。


保育園、小学校、中学校まで

根羽村は、保育園、小学校、中学校が1つずつです。(正確には、今年度より義務教育学園という公立の小中一貫校となりました)

ちなみに高校はありませんので、ほとんど生徒は15歳で村を出て一人暮らしをします。

保育園は満1歳から預けることが可能で、15人前後が通っています。
都会のような待機児童問題等はなく、年度の途中であっても預けたい時期から預けることが可能です。
ちなみに、根羽保育所は、自然の中で生きる力をはぐくむことを大切にしている、やまほいくにも認定されています。
園庭はもちろん広いのですが、周辺に山や田んぼ、畑がありますので、お散歩でそういった場所につれていってもらえるのは本当にありがたいですよね。

小中学校は1学年3人〜6人程の小規模校です。
私も何度か授業にお邪魔したことがありますが、生徒たちが発言する機会はとても多いです。
先生と生徒が会話をしながら授業を進めていくような感覚です。

春には地域の方に先生になってもらい本格的な田植えや畑をし、夏には川で魚のつかみ取り大会を行ったり、秋には収穫祭、冬にはスキー教室と、山村地域ならではの四季折々の楽しみがあります。

そんな穏やかな環境で育ちますから、村の子どもたちは皆心優しく、穏やかで、面倒見がいいです。
村の集会等があると、小中学生が保育園の子どもたちの相手をたくさんしてくれています。
みんな生まれたときから知っているから、本当の兄弟でなくとも、兄弟のように育つのだと思います。

ただ、自然の中でのびのびと育っていいなと思う反面、やはり都会のような多様な価値観に触れる機会が少ないというのは事実です。

子どもが生まれて思うことは、自分の子どもを行かせたい!と思う学校ってそんなにないな、ということ。
ちなみに今年の1月にバリ島のグリーンスクールに見学に行きましたが、どこかのタイミングでは通わせたいなと思うほど、とても魅力的でした。
(Instagramに投稿しています)

では、根羽村でそういう価値観に触れられないかというと、決してそうではないと思っています。
今回のコロナの状況も踏まえて、教育業界でも急速にオンライン化が進み、改革の追い風になっています。

私たち夫婦の村づくりのモットーは、自分たちの住む村をおもしろくしたい、というものです。
それはもちろんこの教育環境においても同じで、自分の子どもを通わせたいと思える学校にしていく、というのがこの規模の村だからこそできることだと思っています。

実際マギーは来年度義務教育学園のICT導入においてお仕事として計画づくりに関わらせてもらったり、
昨年度に引き続き総合学習(地域学)のプロデュースもさせてもらっています。

きっとこのあたりはまたどこかで書いてくれるでしょう。(笑)

1年半住んでいて思うことは、教育委員会や学校、地域の方々は子どもたちの教育に関して熱心であるということです。
みんな色々な思いを持っているので、今はそれをこの時代の文脈にものせながら、具体的にしていくことだと思っています。

生後10ヶ月の娘との暮らし

私は、このタイミングに東京ではなく根羽村に住んでいてよかったと心から思いました。
もちろん3ヶ月以上村外へは出ませんでしたが、窮屈な思いをすることは全くありませんでした。
村の人々は変わらず春の田植えや畑仕事に精を出していますし、私たちものびのびと生活させてもらいました。
お散歩にでかければ、誰かから何かしらおすそ分けをいただき、娘の成長をみんなが喜んでくれます。

山へ行けば山菜の恵みを頂戴し、川へ行けば美味しい水の恵みを頂戴できます。

スクリーンショット 2020-05-28 21.39.35

晴れの日は私も娘と一緒に畑に出て作物の成長の様子を見たり、草むしりしたり、
雨の日は庭先のよもぎで草大福を作ったり、よもぎオイルを作ったり、山で採ってきた山椒で山椒味噌を仕込んだり、
自然の摂理の中で生かしてもらっています。

スクリーンショット 2020-05-28 21.40.43

この写真、本当に大好きなのですが、娘をおぶって畑をしていたら、ちょっと休憩しな〜と、呼んでくれて
ここの苺採って食べていいから!と、採れたての苺をごちそうになっている日常です。

まだまだ村民初心者、子育て初心者ですが、こうした自然と人の温かさに日々助けてもらいながら豊かな日常を歩ませてもらっています。

子育てのことはその人にしかわからない観点や不安なこともあるかと思いますので、
引き続きオンライン移住相談でも、DMでもなんでもご質問いただけたらと思っています。

今日はここまで。最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?