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心のバリアフリー、SOCIAL GOOD

アメリカにいた頃働いていた鮨屋のオーナーさんは事故で身体が不自由だったけど、彼は普通に車を運転しながら店にきて、会社をバリバリと経営されていました。

コロナ前にフィンランドにいった時のこと、路面電車から降りようとしたら、車椅子の方が乗り込もうとしてました。日本のバリアフリー的な段差解消装置がないのに、どうするんだろう、と思ったら近くの人に「はい、こっち!」みたいに呼ばれて車椅子を僕も含めて数人で持ち上げて乗車の手伝いをし、助けた人も助けられた人も何事もないようにその場を離れました。

北欧の街を歩くと施設もどこも決して日本的なバリアフリーじゃないんですよね。でももし介助が必要なら周囲の人がさっと助けることが前提になっているから、そもそも議論の前提が違うことに気がつきました。日本は悲しいかな、心のバリアフリー度がやや低いのかもしれません。(城にバリアフリーが必要なのか、の議論とかも以前ありましたよね。)

本屋でみつけて手にした「マイノリティデザイン」というこちらの本。優秀なコピーライターの方が息子さんの障害をきっかけに、福祉の世界に飛び込んでみてからのお話ですが、読むと自分の中の価値感が大きく変わるような本でした。

「SMALLの中にはALLがある」「SDGsを自分視点でみる」「もっと自分が居心地のいい社会をつくるために働けばいい」「キャッチコピーよりキャッチ概念」などなど・・心に刺さる言葉ばかり。

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九州ADCでもSOCIAL GOODをきちんとアートディレクターの仕事の質の指針に加えよう、と提言させてもらったんですが、それを先行して実践されている著者の言葉の数々に心動かされました。

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マイノリティデザインー弱さを生かせる社会をつくろう(2021年、ライツ社、澤田智洋)



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