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アルファベットに秘められた物語

海外にいって日本語の表記をみると、言葉そのものに違和感を覚えることもありますが、それ以上に字体のセレクトに違和感を感じることがあります。(グラフィックデザイナーという職業柄というのもあると思いますが。)

こちらの本では英国出身、日本に13年以上(執筆当時)住むグラフィックデザイナーの方がアルファベットの成り立ちやエピソードについてまとめた本です。アルファベットは漢字とは違い記号的だ、という視点もありますが、やはりそこはカルチャーと密接に結びついており、それぞれには歴史の積み重ねから生まれた背景や佇まいのようなものがあります。

日本でいう「名は体を表す」と似ていて、例えば歯医者(Dentist : デンティスト)になる人は名前がDenisのようにその職業名と音が近い人が多いなんていうリサーチデータや、ハリケーン「カトリーナ」がアメリカで猛威をふるった年にはメディアでその名前が連呼された結果、新しい子どもの名前にカ行が多く含まれるようになった、なんて話もあります。

グラフィックデザイナーの方は読んで損はなく、雑学としてもおすすめの本です。

なお余談ですが、その後この著者の方は東京オリンピックのロゴ×コロナマークのデザインを日本外国特派員協会の月刊誌の表紙に載せて物議をかもした方だったりもします。

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英国人デザイナーが教えるアルファベットのひみつ(2016年、MdN、アンドリュー・ポケセリ)



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