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「知的活動」を幅広に考えよう

陰謀論大いに結構だと思います。そうした言説に対しても、広く可能性を残したうえで、丁寧に考察を積み重ねていくことこそが、真の知的活動であるとも言えるでしょう。

ただし、陰謀論の類の話、全てを検証なしに信じるのは危険です。どこかのグローバル製薬会社のCEOが逮捕された、なんてニュースをみかけても、それをすぐに信じるようでは危ないです。

自分なりに複数の情報を集めていって、その「確からしさ」を検証していく必要があります。

しかし、いろいろな情報が溢れているなか、それらの真偽を見極めるのは難しいものです。そんなところにこんな記事があったので、ちょっと興味を覚えて覗いてみました

資料に書かれているのは「信頼できる情報の見分け方」。最新の情報なのか、情報のソースはどこか、発信者は誰かといった注目すべき点や、発信者については「プロフィールが実名か」「実名ならどんな人か」「過去に不審な投稿がないか」など、具体的な確認方法が紹介されています。

ねとらぼ
「SNSの「デマ」や「陰謀論」を見分けるには NPO法人が作った資料が参考になる」
2022年11月17日より引用

でも・・・全然、ダメですね。信頼できる情報かどうかの見分け方について、一言でいってしまえば、情報のソースを確認しろとしか言っていません。そんなことがまかり通るのなら、大手メディアが言っていることは「検証せずに信用しろ」ということになってしまいます。あまりにバカげています

さらに人工地震などについては、こんなことが述べられています。

また、地震雲や地震予知、人工地震など「疑似科学」や「陰謀論」であるといった説明もされています。こういった情報で不安を感じたときには、検索ワードに「疑似科学」「陰謀論」を加えてサーチし、多面的に情報を得るとよいでしょう。

ねとらぼ
「SNSの「デマ」や「陰謀論」を見分けるには NPO法人が作った資料が参考になる」
2022年11月17日より引用

最初から、「疑似科学」や「陰謀論」というワードを加えることで、ネガティブな情報が出てくるように薦めています。けれども、そんなことをしてしまっては、「多面的に情報を得る」なんてことはできません

本当に真実を知りたい、情報の真偽を確かめたいのであれば、さまざまな情報に触れるべきです。

地震というのは、非常に大きなエネルギーを要するものなので、それを人為的に起こすなどということは、なかなかに想像しにくいことは確かです。しかし、想像しにくいからといって、それを「ありえない」と決めつけるのは危険です。

今回、USGSが地震危険予測マップに、新たに人為的な誘発地震を加えることにしたのには理由がある。米国では、2009年以降、中部および東部で、エネルギー産業の活動が関連すると考えられる誘発地震の発生回数が急増し、その程度も深刻化しているからだ。
(中略)
オクラホマ州プラーグでは2011年に、廃水の注入が原因と考えられるマグニチュード5.6の地震が発生した。同州の記録では、過去最大規模の地震で、煙突が倒れるなどの被害が出た。この地震で受けた被害の賠償を求めて、事業者を相手どった民事訴訟も起きている。USGSの研究者によれば、オクラホマ州には有史以前にマグニチュード7規模の地震を引き起こした断層がある。このため、「廃水の注入や小規模の誘発地震が、より大きな地震を誘発してもおかしくない」とUSGSの研究者は指摘する。

ナショナルジオグラフィック
「米オクラホマ州で人為的な地震が増加」
2016年3月31日より引用

こうしたアメリカの事例を踏まえると、「人工地震がありえない」などと断じることの方が、「ありえない」と考えるべきでしょう。つまり、地震が起こるたびに「今回の地震は人為的なものではないのか?」を疑うことには、それなりの合理性があるということですし、その疑問は、疑似科学でもなんでもなく、れっきとした科学的思考によるものと捉えるべきなのです。

極めつけは、この一文です。

陰謀論やデマの投稿を見かけても相手にしないようにしましょう。

相手にしないようにしましょう????

これは、科学的議論を「陰謀論」として否定しようとする人たちの常とう手段です。まともに議論をする、つまり科学的な「確からしさ」を検証するための議論を重ねてしまうと、陰謀論にも合理性があることがバレてしまうので、「相手にしないようにしましょう」と、議論を避けさせ、思考させないようにしているわけです。

手前みそになりますが、「デマ」や「陰謀論」を見分けるための話としては、私が書いた記事の方が、ずっと価値があるように思います。
(`・∀・´)エッヘン!!

目の前の情報にいちいち振り回されず、まず分からないものは、一旦「不明」に分類しましょう。
「不明」に分類すること自体、けっして悪いことではありません。「不明」に分類された情報は、機械で言えば、部品ネジみたいなものです。
そこから、自分なりの分析を加えて、それが真実らしいという結論になれば、それはそのまま、真実像を組み立てるための部品・ネジとして使えばいいのです。全然、無駄にはなりません
逆に、「ガセネタ」を真実像を組み立てるための部品・ネジとして使ってしまったら、せっかくの真実像がまがい物になってしまいます。
不明」なものは、その中身がはっきりするまで使わず、「部品箱」に入れておけばいいと思います。貯めてある部品が多ければ多いほど、真実像は作りやすいです。「不明」なものが多ければ多いほど、情報の組み立ては簡単になります。「不明」な情報も立派な財産なのです。

「分からなければ「不明」に分類」より引用

知的活動の意味、今一度、大真面目に考えた方がいいでしょう。


ちょっと話が変わりますが、こんな記事がありました。

グローバル人材?あまり興味はないけれど、こちらの記事もちらっと覗いてみます・・・。

3つ目は「教養」です。恥をさらしますが、筆者自身、海外での「仕事以外」の会話には相当苦労しました。政治やビジネスの世界で活躍する諸外国の方々の「教養」には驚くほどの深みがあります。いわゆる「リベラルアーツ」の世界です。
リベラルアーツとは、「自由に生きていくための教養」で、哲学、歴史、社会科学、自然科学、芸術、外国語など、幅広い領域の教養を指します。欧米の企業幹部などとの会食では、シェークスピアの演劇や古代ギリシャ哲学の話題などがさりげなく出てきます。東南アジアでは、アジアの歴史、特に、近現代史などに関する相手の見識の深さに驚かされます

東洋経済オンライン
「人助けをしない日本人に「グローバル人材」は無理」
2022年11月17日より引用

政治やビジネスの世界で活躍する諸外国の方々の「教養」には驚くほどの深みがあります?

そうです?私には、その教養の領域が狭すぎて、まったく「深み」を感じません。そして、「グローバル人材」だなんて、ずいぶんと狭小にみえる物差しにも有難みを覚えません

逆に、そんなくだらない物差しを振りかざすから、変なコンプレックスを持つ人が生まれて、そんなコンプレックスのせいで、今の世界が歪んでいっているのではないでしょうか。そんな「グローバル人材」を目指すくらいなら、「アニヲタ」を目指した方が、よほど「深み」のある人間性を養える可能性だってあります。

むしろ、アニメから、知的活動を展開できないと決めつけることの方がどうかしています

かなり昔になりますが、アニメ「コードギアス(R2)」に登場するC.C.のセリフなど、その「グローバル人材」たちは、どう解釈し、どう理解し、どう語れるというのでしょうか?

既存の言葉で言うならば、集合の意識、人の心と記憶の集合体、輪廻の海、大いなる意思、神と呼ぶものもいる
人とは集合無意識がつけた仮面、心と記憶の海に開いた窓

グローバル人材」の方々からは、本当に驚くほどの「深み」がある見識お聞きできるものなのでしょうか?

知れてます・・・知的活動って、もっともっと幅広であるべきです。


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