スタートアップは発明だ!
前世紀であれば価値は、高速鉄道・道路・ダム・大規模工場など誰もが理解できる形で提供されていた。国家や銀行はこれらの価値にお金を安心して提供すればよかった。
そして21世紀、間違いなく世界の価値創造はソフトウェアに傾いている。例えばたった140文字のインターネット短文サイトがこれほど価値ある存在だと、しかし国会や銀行が推定するのは非常に難しい。
これらの金融の空白の入り込んだのがベンチャー投資家たち(以下VC)だ。彼らのスキームの大筋はこういったものだ。
① VCは起業家から株(数%〜数10%)をもらい、その代わりお金を出資する
② 起業家は事業を育てることで会社を金融市場に上場する
③ VCは起業家からもらった株を金融市場に売却して莫大な利益を得る
VC達は自らの才覚と信念を持って、起業家を選びリスクをとる。起業家たちもまた自らの魂と呼べる株を提供することで急成長を成し遂げられる。『VCと起業家と金融市場』3者を繋ぐベンチャーエコノミクスは近年における金融とテクノロジーの発明である。
価値判断が難しかったソフトウェア領域でのファイナンスはVCのおかげでお大きくなった。そして多くの現代のアメリカのビックテックはこのベンチャーエコノミクスから生まれたものだ。
ベンチャーエコノミクスは大きくなった。もっぱらソフトウェア領域だけだったものが、ついにそれまで収益化までの道のりが極めて長い所謂ディープテックもVC達は2週目の領域とし始めた。
20年ほど前、ディープテックスタートアップとして車産業とロケット産業に挑戦した男がいた。イーロンマスクだ。不可能に思える二つの領域だが、彼は乗り越えてしまった。これには彼の素晴らしさもあるがアメリカのベンチャーエコノミクスが2週目に入っている点も多分にある。TeslaとspaceXのおかげで衰退の予兆にあったアメリカのロケット・クルマ産業は再び世界で影響力を増した。
アメリカから10年以上も遅れているが、今ついに日本のベンチャーエコノミクスも2週目に入っている。調達規模も以前よりもずっと大きくなっているし、起業家をサポートする文化も以前よりずっと良くなっている。弊社TURINGもディープテック企業として、Telsaが20年近く前に達成したダイナミクスを日本で再現しようとしている。舞台は揃った!
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