No,68.妬みの心「妬む気持ちって何ぞや?」
妬みについてつらつらと書いてみる。
同時にYouTube動画のリンクも貼っておきます!(^^)!
ちなみに、引用した論文は生理学的知見のものだが、心理学的知見も重要なため仮説をもとに考察してみた。
① 嫉妬と妬みの違い
意外に嫉妬と妬みを同じ意味で使ったり、なんとなく違う気はしても説明しようとしたら案外できないと思う。
一応、心理学では別のものだと定義しているので簡単に説明すると、
● 妬みは「あいつは女にもてる」「あの学校は偏差値が高い」2人ないしは2集団で成立する。
● 嫉妬は、3人の人物が必要。例えば,彼女・彼氏が別の男性や女性と仲良くしていると嫉妬する。つまり3人必要。
② 妬みの生じるプロセス
妬みって古今東西を問わず大罪の1つ(キリスト教・仏教など)に数えられているけど、イギリスの哲学者バートランド・ラッセル曰く「自分の所有しているものから喜びを見出すのではなく、他人の所有しているものから苦痛を見出すためだ」と述べている。
妬みはなぜ生まれるのだろう?簡単に説明してみる(図1)。
図1 妬みが生じる構造
図1のように、他人が自分より優れた物をもっていて、尚且つその物が自分にとって興味があるものから妬みが発生する。
例えば,知人が高級ブランドのバッグやドレスを何着も持っていて、自分も欲しい物と思えば妬みが生じる。しかしブランドに関心のない人間にとっては、どうでもいいので妬みは発生しない。
③ 妬みの生じる脳の神経基盤(生理学的知見)
妬みの感情は身体の痛みでと同じ背側前部帯状回といった脳の部位でも同じ活動が実証されているらしいです。
つまり、妬みは心の痛みを伴う感情だけど、身体の痛みと同じことになる。
さらに、妬みに思っている人に不幸が起きた場合には、物を貰った時の喜びやほめられた時の喜びと同じ腹側線条体が活発になるらしい。
あ~恐ろしいや、恐ろしや。
④ 妬みを抱きにくい感情とは(心理学的知見)
どうやったら妬みから解放されるのかを考えてみた。じゃないと疲れるのでね。
そもそも、妬みの感情はどんな人でも持っていることを前提としても、妬みを抱きやすい人(図2)とそうでない人(図3)の違いを考えて、図にしてみた。
図2 妬みを抱きやすい人
図3 そうでもない人
最後に
図2のように妬みの感情を抱きやすい人は、妬んでいる相手ばかりに気に取られて苦しんだり、また失敗したら喜んだりして、なんで妬むんだろうと冷静に考えないから妬みループに陥っている。
そうではなく、図3のように、自分自身が向上するため努力や広い視野を身につけて、妬みの人にはない自分の良さを見出して自分の新たな可能性を模索する。結果的に妬みを抱きにくくなったり、妬みを感じても妬みループから抜けやすくなるんじゃなかろうかね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
高橋英彦(2011)「妬みと他人の不幸を喜ぶ感情の神経基盤」『日本生物学的精神医学会誌』第22巻、第1号、pp51-54
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