見出し画像

No,33.ストレスに強い人について

才能か努力についてつらつらと書いてみる。


才能か(資質)?それとも努力(経験)か?って話はよくあるんだけど、イメージ的にはスポーツや頭の良さで言われることが多い。

日常会話でも、「あいつはストレスに強い、あいつはストレスに弱い」とかよく話が出んだけど、

こういったストレスを受けたときに立ち直るひとや、現実に適応しようとしているひとのことをレジリエンスが高いという。


レジリエンスとは、Rutter(1985)って心理学者が初めて示した概念で、「深刻な危険性にもかかわらず、適応しようとする現象」と定義している。


ちなみに日本語では、「弾力性」「精神的回復」などと訳される。


このレジリエンスは、生まれ持った資質と、経験などで得たものがあるんだけど、

平野(2010)は、生まれ持った資質(資質的レジリエンス)を、

① 「どんなことがおきても何とかなるっしょ!」みたいな楽観性
② 「つらいことでも我慢できるぜ!」みたいな統率力
③ 「友達が多いし、社交性があるよ!」みたいな社交性
④ 「俺は(私は)粘り強いよ!」みたいな行動力


経験などで得たもの(獲得的レジリエンス)を、


① 「人に誤解を与えてしまったら積極的に誤解を解くよ!」みたいな問題解決志向 
② 「自分はこんな奴だぜ!」みたいな自己理解
③ 「人の感情を読むのは上手いぜ!」みたいな他者心理の理解

どっちがストレスに強くなることに影響があるのか?といった研究を見てみる。


抑うつ・不安は生まれ持ったレジリエンスと、経験などで身につけたレジリエンスの両方が高い場合に抑うつ・不安(ストレス)は低いことが示された。


つまり、生まれ持った資質である楽観性や社交性と、経験から身についた問題を解決能力や自分や他人を理解する力が高いほど抑うつ・不安になりにくい。

画像1

羽賀・石津(2014)は、生まれ持ったレジリエンスの影響力の方が大きくて、経験から身につけたレジリエンスは生まれ持ったレジリエンスのはたらきをサポートするようにはたらき、その結果レジリエンシー(資質)としての効果が高まると考えられる。

このことから、生まれつきの要因と後天的に身につける要因がどちらも重要であると結論付けられると言っている。

まとめると、
生まれ持ったレジリエンスも、経験から身についたレジリエンスも、ストレスには重要。

たとえ持って生まれた強さがなくても経験から得たレジリエンスが、持って生まれたものをサポートする形でストレスに打ち勝つことが出来る、といったことだろうね。


参考文献

羽賀祥太・石津憲一郎(2014)「個人的要因と環境的要因がレジリエンスに与える影響」『教育実践研究 : 富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要』第8号、pp7-12


平野真理(2010)「レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み」『パーソナリティー研究』第19巻、2号、pp94-106


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?