半年で29本公開。ホワイトペーパーの制作量を維持し続けるための5つのコツ
こんにちは!SmartHRのいそ(@isosho46)です。
情報発信するのが苦手なこともあり、しばらくnoteもtwitterも開いておらずで約1年ぶりの投稿です。
現在SmartHRでデジタルマーケティングによるリードジェネレーション(見込み顧客情報の獲得)を担っており、ここ最近はホワイトペーパーなどコンテンツの制作・活用に軸足を置いて活動しています。2022年上半期の活動を振り返ってみたら、半年間で29本のホワイトペーパーの制作を担当していました。月間にすると4.8本の制作ペースですが作り過ぎな気がしますね😂
ということで今回は、SmartHRが大量のホワイトペーパーを作る背景や、制作量を維持し続けるためにどんなことをしていたのかをご紹介したいと思います。
※本記事は「制作ディレクション」に寄った話になっています。
SmartHRのコンテンツ制作体制
コンテンツ制作、といえば「コンテンツマーケティング」をまず思い浮かべるかもしれません。
SmartHRのマーケティング組織には、今自分が所属している「デジタルマーケティング」のチームとは別に、「コンテンツマーケティング」のチームも活動しており、それぞれ活動目的に応じて役割を分けています。目的達成に向けて何をすべきか、と考えた際に2つのチームそれぞれでホワイトペーパーを作成する体制が出来上がりました。
ホワイトペーパーはリードジェネレーションに不可欠です。新しいお客さまとの接点を作るためには、そのコンテンツを読みたくなるか、ご自身の課題解決に繋がると思えるかを重視した制作をする必要があります。そんなわけで、デジタルマーケティングのチームでも対応しています。
なぜSmartHRはホワイトペーパーを重視するのか
ホワイトペーパーは「お客様とのコミュニケーションの起点」になるため、施策への活用幅が広いものです。そのため、SmartHRではホワイトペーパーの制作・活用を積極的に進めていますが、次の課題が発生したことでその重要性がさらに増しました。
新規リード獲得が難化しているなかでも、新規層を開拓し続けなければならない。これまでにないテーマのコンテンツを作り、新規層の興味を喚起してリード獲得を狙う。
外部メディアでのメルマガ施策量が多く、月間のリード獲得量を右肩上がりに保ちたい。同じ資料を使い続ければコンバージョン数が下がるため、新しい資料を提供し続ける必要がある。
SmartHRのサービス領域が「労務」から「人材マネジメント」にも拡大。人材マネジメント課題のあるリード獲得に向けてコンテンツ拡充も必要になった。
こうした課題から、すでに100本以上制作していたにも関わらず、さらに2022年上半期は月間4本の制作を目標に掲げて活動していました。実際に作成したホワイトペーパーのリード獲得への貢献度は高く、目標達成の下支えをしていたようにも思います。
ここではデジタルマーケティングでの活動として記載していますが、良いコンテンツであればナーチャリング施策やセールス活動にも活用できるため、事業貢献度はかなり高いと考えています。
制作量を維持し続ける5つのコツ
ここからは月間4本の制作目標を実現する上で実践していた5つのコツをご紹介します。共通するのは「工数や負荷を減らす」ということです。
①良質なコンテンツは2次利用する
すべてのホワイトペーパーを0から作るのは大変です。しかし、社内にはオウンドメディア(SmartHRだと「SmartHR Mag.」「SmartHR ガイド」)やセミナーでも良質なコンテンツが作られています。それらで配信されているコンテンツを2次利用することで、企画・制作の負担を減らしています。(SmartHRが作成した内の半分は2次利用で作られています。オウンドメディアチーム&イベントチーム、いつもありがとうございます!)
オウンドメディアであれば転載(または本意が変わらない程度に微修正・再編集)、セミナーであれば録画をもとにイベントレポート化します。逆に、ホワイトペーパーの内容(たとえばインタビューレポートなど)を、オウンドメディアに転載するなどもできます。
既にあるコンテンツの内容が、これから作りたいコンテンツの狙いに一致していれば、コンテンツを循環させることを検討するとよいでしょう。
「同じ内容のものが複数あってもよいのか?」と疑問に思うかもしれませんが、コンテンツの露出面や活用方法が広がり、多くの方にリーチできることでコミュニケーションの機会が増えることのほうが重要と考えています。
※前提として、元の内容がホワイトペーパー向きに作られていないことは留意ください。
②複数の制作会社さんに並行して協力いただく
量を作るには、そのための制作リソース確保が必要です。そのため、社外の制作会社さんへの発注を積極的にしています。
質や対応スピードなどを考慮すると、1企業あたり多くて2本の制作が限界です。(同一企業のなかで別の制作チームを立てて2ラインで対応していただくことができればその限りではない。)月間3本以上作る場合には、同時に3社程度並行してご協力いただく体制を整えています。
制作会社さんによって強み・弱みが異なるので、得意領域を見極めて制作依頼するのも重要です。企画力が強い企業、作業スピードが早い企業、デザイン力が高い企業、イベント録画のレポート化に慣れている企業、など。それにあわせてディレクションをします。
しかし、稼働するまでは得意領域が見えず、はじめは希望するアウトプットレベルに届かないといったリスクがあるかもしれません。制作開始前に実績を確認し、まずは1本トライアルで制作してみることからスタートするとよいでしょう。
また、継続することでお互いに気をつけるべきポイントに慣れてくるので、一定のクオリティが担保できるようになります。ディレクション力に加えて根気強さも必要かもしれませんね。
また、複数本同時並行のためには、制作スケジュールとタスク管理は欠かせません。それぞれのスケジュールが一覧できるように、社内でスプレッドシートにまとめて管理しています。一覧で可視化することで、対応すべき業務の優先順位がつけやすくなります。
③デザインの型化
デザインでの工数を減らせるように、資料の「型(テンプレ)」を作ると便利です。たとえば、オウンドメディア記事の転載であればAパターン、イベントレポートであればBパターン、のように内容によって型を整えておくと動きやすいです。
同じようにガイドラインも定めておきます。SmartHRには「SmartHR Design System」にデザインのガイドラインがまとまっているので、社外の取引先にまずこの内容を共有しています。
これらが決まっていればアウトプットレベルを一定にできますし、制作会社さんによるバラツキが少なくなり、修正工数の削減も期待できます。(型がなくてもクオリティ高いアウトプットができるパートナーを見つけるのが理想ではあります。)
ただし、「表紙デザイン」については毎回新規で作成することをオススメします。表紙は資料ダウンロード(コンバージョンレート)に大きく影響する要素です。見にくいデザインや読みにくいタイトル文字の表紙では、お客さまの目に止まりづらいです。また、意外にも見慣れたデザインというのも同じように目が止まりづらくなります。パッと見ただけで内容を想起させて興味を引くような表紙デザインであることが望ましいため、時間をかけて作成したほうがよいでしょう。
④時間をかけるべきところを見極める
制作過程で必ず押さえるべきポイントはあるにしても、それ以外はある程度割り切った対応も必要です。社外へのディレクションには、時間をかけるべき対応だけに注力しています。
ホワイトペーパーの制作工程を「1)企画〜2)構成〜3)ページレイアウト〜4)原稿・デザイン」と4段階にわけたとき、たとえば「1)企画」であれば目的と方向性のズレがないか"だけ"を確認し、「2)構成」の確認では本文の流れ"だけ"を確認する、などその都度で必要最低限の対応に時間をかけるようにします。
毎回細かい文言まで確認しても、工程が進めば変更は発生するかもしれません。気になったとしても強い気持ちで「今ではない」と割り切って、どんどん前に進めていくが大切です。(もちろん、その時点で明らかに間違っている点は指摘しましょう。)
その都度どこに時間をかけるべきか、逆に省エネで済ませられるところがないかを考えながら対応できるとスムーズです。
⑤即確認・即レス
全体の制作スケジュールと各タスクの締め切り設定は必ずした上で、それぞれの工程を締め切りギリギリまで貯めず、確認依頼がきたその日 or 翌営業日(or 可能な限り早く)に確認・レスすることをオススメします。
締め切りまでタスクを貯めるとスタックする傾向にあるのと、イレギュラーな事態が発生した場合に優先順位が下がり遅れることも考えられます。また、タスクを後回しにする意識やクセがついてしまって、日々の業務スピードさえ停滞しかねません。
即確認・即レスを心がけて巻きで進行できれば、その分時間的なゆとりもでき違う業務に時間を割けます。
なるべく普段から即対応ができる状態でいることが望ましいため、不要な会議やタスクを日頃からなくすことや、まとまった作業時間を事前に確保することも重要だったりします。
【APPENDIX】企画・テーマ選定について
「月間4本も制作してネタ切れにならないのか」と自分でも思うことがあります。とはいえ、世の中の状況が日々変わっていることや、「人材マネジメント」領域のコンテンツが不足していることもあり、扱えるテーマはまだまだ多いと感じています。
2022年の制作目標を設定をする際には、一度社内にあるコンテンツを次のような図にマッピングして整理したことがあります。
マッピングすることによって、不足している領域がどこかがわかり、注力したい内容の計画を立てることにつながりました。
現在はリードジェネレーションの観点から、いわゆる「啓蒙」的な内容を作成することが多いです。お客さまが知りたいと思えるノウハウや知識系のコンテンツを、トレンドやシーズナルイベントに合わせて作成します。そのなかでも、自社サービス・機能に関連づくものは優先して選定しています。
(トレンドのキャッチアップの方法についてはいくつかありますが、ホワイトペーパーを活用する先の外部メディアの方にコソッと伺ってみると、良い気付きがあるかもしれません。)
おわりに
以上、ざっと振り返ってみました。
SmartHRでは、制作したホワイトペーパーを外部メディアでのメルマガ施策にすぐ活用しています。メルマガの成果をみて、お客さまのニーズに応えることができているかを定量的に分析できるためです。分析結果からニーズの傾向を把握し、また次の制作に活かす、そんなサイクルを回します。
ホワイトペーパーは内容だけでなく、どうやって届けるかの部分でも成果が大きく左右されます。作って終わりではなく、成果を最大化させるためにどう活用すべきか、全体の設計を考えられるのがデジタルマーケティングのおもしろさでもあるかもしれませんね。
最後に、毎度noteのおわりに書いている採用告知を今回もさせてください!!
現在、本記事で書いているようなコンテンツ制作ができる人物を急募してます🙋💦
デジタルマーケティングやリードジェネレーション観点で成果を出せるコンテンツを作成し、自身で活用してPDCAを回せるおもしろいポジションです。「コンテンツ制作×デジタルマーケティングスキル」を活かしたい、おもしろそう!という方がいらっしゃればぜひぜひご応募をお待ちしてます💪