ひがん花
夕焼雲の落し子か
切れた紅緒のまぼろしか
河原を染めてあかあかと
くるめくものよひがん花
思い乱れて風を呼ぶ
心は誰も知りませぬ
花のさだめかうつせみか
乙女ごころの切なさか
河原に今日もうつうつと
もだえるものよひがん花
風に昏れゆく秋の日の
思いはどこ届くやら
詩誌『駱駝』61号(1958年9月)
「ひがん花」には曲がつけられました。当時山口県立徳山高校の教師だった礒永秀雄はこの歌を生徒に紹介したところ、大いに気に入られ愛唱歌となりました。校内の合唱コンクールでも礒永クラスはこの歌をうたいました。
2001年礒永秀雄の詩碑除幕の際にも、かつての教え子たちが集まりこの歌をうたって偲びました。