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エッセイ | 気温は会話の種

ここ最近は気温が高すぎると思う。地球はどうなってしまったんだ。まだ梅雨明けもしていないのにもう夏本番といった感じではないか。梅雨が明けてから夏本番というのは令和では通用しないのだろうか。

去年の夏も暑かったが、今年の夏も一筋縄では行かないような暑さなのかもしれない。

・見た人を苦しめる温度計

去年も同じ様に暑かった頃、移動している時にふと温度計が目に入ってきた。
まだ朝の10時だというのにすごく暑く、冷房の効いた建物の中に入って涼んでいるにも関わらず、汗はなかなか止まらず、いっそこのまま自分の全てが流れていってしまうのではないかと思うほどだ。

目に留まった温度計には38℃と表示されている。ついに温度計も壊れてしまったのかと思ったが、スマホで調べてみてもそこの地域は38℃となっていた。

こんな気温なら別に伝えてくれなくてもいいのに。暑いなら「暑いから気をつけてね、水分補給とか大事だよ」程度にして詳しい数字とか出さないでほしい。

暑く感じて実際はそうでは無かったってことなんてない。逆に、連日猛暑が続いていくと「今日は何だか涼しいな」なんて感じるが、実際のところ気温の差がなかったりすることもよくある。暑さでどうにかなってしまってきているんだと思う。

・見た目の温度と体感温度

温度計の数字や天気予報などの気温は、夏場に出かけるときはあまり参考にしていない。どうせ暑いのだから。春秋であればアウターが必要かどうかを考えたり、冬ならどのくらい防寒対策をしてから家を出るかを考えられる。

ただ夏は違う。もうどうしようもないのだ。これでもかと言うほどに暑さ対策をしたとしても高が知れている。その上、気温よりも大切なものを私は知っている。夏は体感温度が全てにおいて優先する事項だ。直射日光、対流、湿度、対流、これに加えて気温だ。これらが合わさった時の体感温度でどこまで暑く感じるかが問題なのだ。

そしてその問題に私は勝利した。

私が使用している天気予報アプリがあるのだが、こいつが仕切りにアップデートをしてくれとうるさい時期があった。私はウィジェットとしてしか使用していなかったし、現状に不満もなかったから放置していた。

ただ、何回アップデートを無視してもことあるごとに出てくる。
『あっしをアップデートしてくだせぇ。あるじ様のお力になれやすぜ』
まじでしつこかった。こんなに何回も出てくると意地でもアップデートしないようにしていたが、結局は諦めた。

アップデートしてみると何も変わっていない。むしろウィジェットに更新ボタンが無くなったことで本当に最新の情報なのか怪しく思うほどだ。やはりするべきでは無かったかと思い、念の為アプリを起動してみると前バージョンでは表示されていなかった体感温度の記載があった。

・天気についての会話は『会話をしていない』のと同じ

これを待っていたんだよ。
お前がいれば暑い夏でも覚悟を決めて外に出られる。
体感温度が分かったからと言ってどう変わるのだとも思う。我ら人間1人がどう頑張ったとしても、屋外の暑さには無力なのだ。
ただ、「体感気温38℃あるみたいですよ!こりゃ暑いわけっすよね」みたいな適当な会話でその場を繋ぐことはできる。初対面の人や、なかなか会話が噛み合わない苦手な人と一緒になる時は暑くあってほしい。いや、むしろ暑く無かったら「今日は涼しいですね。こんな日がずっと続けばいいんですけどね」なんて愛想笑いして乗り越える。


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