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●●をすっ飛ばした英会話学習は無意味|沖縄最北端の辺土名高校での出前授業

こんにちは。
英会話とノートで心地よい暮らしをつくる、ライフデザイナーのchihiroです。

波瀾万丈な自己紹介はこちら記事にまとめているので、ご参照ください。

先日、沖縄本島の最北端にある高校・辺土名高校で外部講師として「英語学習プログラム」を実施させていただきました。

北部の離島・伊江島で開催してきた「国際理解」の授業を、より一層英会話学習に寄せて、【社会人になっても役立つ思考力・英会話力】が養える内容にレベルアップした本取り組み。

先生方をはじめ辺土名高校に関わる外部人材の皆さまから大変喜んでいただけたのは嬉しかったですが、なにより生徒たちの目がキラキラ輝き出して、熱量が上がっていった教室の雰囲気がとてもうれしかったです!

「英語を教えない英会話の授業」なんて初めてだったと思うので、日頃使わない脳みそをたくさん使っていただきました。

今回は、実際にどんな内容を実施したのか、その一部について詳しくご紹介します!


辺土名高校は英語で世界に語るべきことの宝庫

辺土名高校は沖縄最北端にあり全国でも珍しい、環境に特化した学びができる全国的に珍しい学校です。

文部科学省のホームページでは「環境関係の特色ある学科・コースの例」として全国6校あげられているうちの一つとして紹介されている学校です。

辺土名高校の1番の特徴は、3年生になったら個々人が研究課題を持ち、発表をすることです。私が今回お邪魔して実際に聞いた中でも

  • 食用できないと言われている在来の植物の食用化

  • 辺土名高校付近にある河川の生物多様性

  • 日本〜東南アジアにしか生息していない絶滅危惧種の生態

  • コンポストの利活用

など、個性あふれる様々な研究をしており、まるで大学のゼミさながらの取り組みを実施していました。

今回の授業は、来月末に訪問しに来るJICAの方々に向けて、生徒が自分の研究を英語でプレゼンテーションできるようになることです。

一人ひとりの翻訳はできないので、日本語での思考力を強化し、Deeplをつかって自分の英語の原稿をつくり、練習するプロセスを体感してもらっています。


語りたい・伝えたいことがあって、初めて「英語」が必要になる

オンライン英会話学習コミュニティを運営している私は、講座内でもお伝えしていることがあります。

それは、英会話力を強化するために必要な要素は、以下の3つだということです。

  1. 自己理解

  2. 他者理解

  3. 間を繋ぐコミュニケーション

この点については、YouTubeで公開中の「オリエンテーションセミナー」で詳しく解説してるので、気になる方はぜひご覧ください。


辺土名高校の授業では、「国と国、違う国出身の人同士が学び合うために必要なことは?」という問いをグループワークしてもらいました。

これは伊江島の中学生にやっている「国際理解」の授業でのグループワークでもあります。

生徒たちから出てきた声をマッピングしても、結局集約されるのはこの3要素でした。(黒板下部)

こうした「英語を学ぶ前に知るべきこと」といった根本的なことについて、ちゃんと理解しないまま、教科として英語学習が始まってしまうから

  • モチベーションが続かない

  • 英語は難しい

というような呪いばかり自分で自分にかけてしまう人が量産されていくのだと感じています。

特に、英語を使って何を伝えたいのかという「自己理解」の部分は、英語学習を始める前に日本語で棚卸すべき際たる項目です。

一方で、日本語で生活していると普段から「私は」という主語で会話することが極端に少ないため、意識的に「私は」を主語とする「I(アイ)メッセージ」を考える時間をとならない限り、日本人が日常から自己理解を深めることは困難だと考えられます。

そんな背景があって誕生したのが、私が主催する無印良品のノートを使った「未来への伏線を仕込む【ノートラボ】」なのですが、こちらは余談なので割愛しますね。笑


英語が苦手でも「できるかも」と感じられる自己効力感を養う場が必要

そうした中、すでに研究課題を持っている辺土名高校の学生は「自分には伝えたいことがある」という状態がもう整っているので、あとは

  • それを英語で伝えることで、どのようなベネフィットが自分にあると想像できるのか?

  • 具体的にどんなふうに英語で伝えることができるのか?(英語が苦手な自分でも簡単に伝えられる方法はあるのか?)

この2点について、きちんと理解することができれば、あとは事前に練習するだけ。

練習を重ねたという自負を持って、海外の方と対面するとき、練習の成果が出せたと体感できれば、自己肯定感と自己効力感が上がる成功体験を積むことができるようになります。

これは、私が毎年夏に実施している、伊江島の中学生対象に実施している「オンライン留学体験プログラム」も同様のメカニズムで構成されています。

座学で実践することは、自己理解と戦略的な英会話力の向上で、実際に海外の方とオンラインで話す「少人数制オンライン英会話」で座学の実践をすることによって、英語が苦手でも「自分にはできる!」という感覚を養ってもらうことを目的に実施しています。


出前授業のポイント解説

以下では、辺土名高校の出前授業でお伝えした、普段の学校教育では絶対に行われない内容についてご紹介します。

大人が聞いても高評価をいただく(むしろ大人や先生方の心に刺さってるw)ことが多い内容なので、英会話力強化にご興味がある方はぜひ参考にしてください。

働き方の常識が変わっている|どんな大人になりたいか?

話が少しずれますが、私は自己紹介の記事に書いた通り、紆余曲折様々な経歴を経て、複数のプロジェクトで生計を立てる「複業家」として活動してきています。

来年は法人化する予定なので、もう個人として「複業家」を名乗る旅は終わってしまうのですが、そのなかでとても感じることがあります。

それは、職業が「一生に1つだけ」の時代はほぼ終わってきているので、進路選択の段階で「職業を1つに絞る」というのは無意味であるということです。

そんなことよりも、死ぬまでの寿命の中で「どういう大人になりたいか」を問うことのほうが圧倒的に意味のあることだと感じています。

なぜなら、一旦職業を選んだところで、仮に65歳まで働いて定年したとしても、人生100年時代。残りの35年間、つまり一生の3分の一にも相当するその長い時間をどう過ごすのか、全く思考停止してしまうリスクがあるからです。

このことを紹介したのは冒頭でだったのですが、生徒たちよりもギャラリーの先生方の方が心に刺さっていたようで、ある先生は「おれ、このままでいいのかな〜って思いました」とおっしゃってました。笑


目的を言語化する|自分の取り組みが、世界の誰かのヒントに

英会話というものが「自己理解」「他者理解」とその間を取り持つ「コミュニケーション」がぐるぐる円滑に、活発に、質が高い状態で巡ることによって強化されていく

という先ほどご紹介した内容にプラスして、根本的な部分で、そもそもなぜ英語を学んで、使いこなす側になったら「これから先の自分の人生において
得なのか?」「英語を介してのみできることはなんなのか?」といった点に対して、想像力を発揮させておくことも脳を本気にさせて心に火をつける上で非常に大切なことです。

なぜなら、目的が明確になっていないと、「現状維持バイアス」という脳にもともと入っている機能の影響を受けて、三日坊主になろうとするのです。

こんなふうに根本的な部分に目を向けて、自分にとって腹落ちするような「なるほど、だから英語はできたほうがおもしろいんだ」という感覚をいったんつかみさえすれば、英語学習をすること自体がワクワク楽しくなってきて、勝手にやるようになるんですよね。笑

そのためには、世界で課題解決の仕方が変わってきていることに対して解説することによって、ある程度担保できると考えています。なぜなら、国境で区切れない社会問題が山積する今、自分が課題解決に向けて実施している取り組みが、他の国のだれかのヒントや解決策になる可能性があるからです。

実際今回の辺土名高校の場合は、個々人の研究課題を沖縄JICAの皆さんが11月に来訪するのに合わせて、英語でプレゼンテーションを行うために企画されたものでした。

プレゼンテーションを聞いたJICAの方が「ぜひウチの国でも同様の取り組みをやってみたいから、講師としてきてくれないか?」という話になってもおかしくないんじゃないか、と話したわけです。

想像力が掻き立てられて、一気に生徒たちの目が輝きました。笑


働き方の常識を知る|仕事も居場所も自分で選べる時代

私自身が「複業家」として生計を立て、先日は世界中のデジタルノマドが滞在する「ワーケーションのメッカ」であるバリに滞在したことからも、生まれ落ちた場所はまったくキャリアに関係ない時代だととても強く感じています。

仕事も居場所も自分で作れるし、自分で選べる。

そんな生き方を英語さえできれば、簡単に手にすることができる時代です。これを私はグローバルではなく、地球を俯瞰して見る視点で「何人かはもはや関係ない」という意味で、プラネタリーな時代と名づけています。

教員ではない非常勤講師として、これから社会に出る一歩手前の高校生に伝えられることは本当に光栄だと思いつつ、少しでも彼らの力になれたらと願いながら、「英会話力強化」をみんなで前向きに目指すための前段としてご紹介しました。


さいごに|おとなのえいご倶楽部、開催のお知らせ

以上、辺土名高校での出前授業の一部でした。

これだけご覧いただいても分かるように、私は英会話を会得するためには、単なる「語学の学習」に手をつける前に、日本語で「マインド(思考)を整えること」が絶対的に不可欠だと感じています。

そうした根本的な真理とも言える部分をすっ飛ばしているから、公教育で何年も勉強するに日本人はいつまでたっても「英語が話せるようになりたい」という大人を量産してしまっているのです。

たのしく英会話学習を続けられる自分をつくる

そんなことを国内外の仲間といっしょにまなぶ「オンライン英会話コミュニティ」を主催しており、【3期】の募集は2023年11月上旬を予定しています。

不定期に開催しているので、気になる方はぜひこのnoteや、私のInstagramなどから情報収集いただけたらうれしいです。

人生100年時代、どんな大人になりたいですか?
その答えに「英会話ができるようになる」という要素が入っているようでしたら、ぜひそのワクワクするような楽しい旅をご一緒できたら嬉しいです。


最後までご覧いただきありがとうございました!


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