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美しい三角形をつくる。

※)2021年2月、本アカウントを個人用から事業用に変更しました。
この記事は個人アカウント時代に民ノ布の中の人が書いたものです。


先日、超久しぶりに電話口で理不尽土下座謝罪をした。

理不尽土下座謝罪とは:理不尽だなと思いつつ私が謝らないと事が進まない時に出す渾身の謝罪。めちゃくちゃ精神がすり減る。

相手は今年から仕事を出し始めた縫製工場だ。

前の投稿で、「絶対理詰めしない」なんて偉そうなこと書いたのにやってしまった。一番気が立ってる繁忙期の今、一番やってはいけないことを。

そんな偉そうな投稿はこちら↓


こういう応対をさせてしまった私も悪いが、発注書が見当たらないまま仕掛かってしまった先方も悪い。(色々とすごくないですか?)
信頼関係の構築は一朝一夕では出来ないのはわかってるんだけど、あいにく私にも先方にも盃を交わし語らう時間はない。

お互いがイライラしてる状態で商品が出来たって全然ハッピーじゃないし、信用が出来ないので無駄な検品が発生する。

さすがに内部で解決しないといけない理由で何度もミスされたら心が折れるので、また果てしない工場探しの旅が始まる気がしている…。

とはいえ、新規事業の為年間の発注総量が読めない上、個人事業主なのも相まって8割方門前払い。(その前に、絶滅危惧種の国内縫製工場は普通にどこも混んでいる。)

それでも縫って下さる人がいないと成立しないので、ブランドのコンセプトに共感してくれそうなところ、若い人が働いていて活気がありそうなところなどにメールを送ったり訪ねたりするが、そういうところは私が知っている相場を遥かに凌駕する料金表を渡してこられる。

理由は簡単で、今後の経営を考えると今までの相場価格ではやっていけないからだ。

実際工場に行くと、こんなに丁寧にアイロン掛けてくれてるんだとか、なるべく捨てる生地が無いようパターン配置を考えてくれているんだな等、ジーンとする場面に出くわす。

彼ら彼女らに適正な報酬をあげたいという経営者の気持ちは本当によくわかるし、そういう信念を持った工場と仕事をしたいと心から思う。

ただその工賃だと、ブランド設計が(選択肢が無いという意味で)画一化されてしまい、届けたい層に届けられない価格になってしまうという矛盾も生じてしまう…。
余談だけど、D2Cが増えているのはこのような卸前提の値付けが出来ないという背景も多少は関係していると思う。

私のようなぼんやりながらも長く業界に居る人間は大概、理想と現実で悩んだ挙句、相場価格でやってくれる旧態依然の工場を選ぶことになるのだ。(それで今回難儀したんだけど)

補足:あくまで私と社長の相性が悪かっただけで、当該工場をディスるつもりはありませんっ。

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ここまで書くと、行き詰まり感しかないように見えるんだけど、商才がある人々は地の底で唸っている私の頭上を軽く飛び越えて、素晴らしい展開をされている。

出来る人には出来るのだ。

ということは、私でも出来るかもしれない。

気持ちの切り替えが尋常じゃなく早いことが長所であり短所である私が、今回だけは粘り強く行こうとしている。

ブランドを通して実現したいこと、届けたい人に届く価格、そしてビジネスパートナーへの適切な報酬。

この三角形が美しく成立するように、ブランド設計を見直すことから始めることとする。


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