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グラスワイン一杯サービスの裏にあるココロ

行きつけの飲食店が、この、コロナ禍の影響で客足が伸びず苦戦をしていた。

コロナ前は月1〜2回は通っているお店。
カウンターだけの鉄板焼きの洒落たお店で、対面ならではの店主と会話を楽しみながらの食事ができるお店です。

その店主がコロナに負けじと打って出たのがクラウドファンディング。

クラファンのプラットフォームを活用して、寄付額に応じて店主セレクトのワインやワイングッズをお礼の品にプレゼントするというもの。

自分のところにもSNSを通じて、ぜひ協力してほしいと熱烈なメッセージをいただいた。

正直なところ僕は最初はとまどいました。お店に行って美味しい食事やサービスにお金を払うことにはなんの疑問もないのですが、そうではない関係でお金を落とす、ということに、何か違う関係を結ぶようで抵抗があったのです。

数日、そのことについて考えてみた結果、僕はクラファンにお金を投じました。
理由としては、そのクラファンに協力しなかったらお店がなくなってしまう。そうなってしまったら、またあの美味しい食事と会話を楽しめなくなってしまうから、でした。

まさに飲食店を救う、ということにつながるのだから、協力しなくては、とある意味当たり前のような結論ですが、自分なりに腹落ちしました。

そして、先日、クラファンのお礼の品のワインが自宅に届きました。梱包の中に、お店に行けばグラスワイン1杯サービスが3ヶ月間5回まで有効と書かれたポイントカードも入っていました。

週末にその話を奥さんにしてみたところ、早速お店に行ってみよう、ということになり20時までの営業の中、早めの時間を予約してお店に行ってきました。

店主はお店に来てくれたことをとても喜んでくれて、クラファンを始めた理由や手探りで始めたクラファンの大変さなどをいろいろと話してくれました。
そして、僕がグラスワインをオーダーしたときに、ポイントカードのことに触れたら、これまたすごい喜びようで、持っていったポイントカードの記念写真までスマホで撮影するほど。

僕がしばらくはサービスのグラスワイン1杯だけ飲みに通おうかな、と冗談まじりに店主に話すと、店主は笑いながらこう言いました。

「それでも全然いいんです。お店に来てくれて、お客さんと話せることが嬉しいんです。グラスワインのサービスは、お店にお客さんが来てくれるために考えた投資です。お客さんとじかに話していろいろな情報を手に入れるだけでもありがたいんです。」

その言葉を聞いて僕はハッとしました。お客さんが来てくれるための投資なんだ、、、と。
僕は最初、そのポイントカードの話を切り出すのはちょっとためらってました。なんだか常連のように仲良くしてもらっているお店でグラスワインのサービスをもらうのはちょっとせこいし、お金を落としてあげる方が大切だよな、と思っていたのです。

そしてここには、店主と顧客の意識のずれがマーケティングとして発生しているな、とも思ったのです。
たかがグラスワイン1杯サービス、されどそれは投資。費用対効果は顧客との対話による情報収集。

ポイントカードひとつとっても、店主の想いの持ちようによっては全く違うものになるものです。あとはそれをどう伝えるべきか、が課題なのでしょう。どうすれば、この意識のずれを解消できるのか、まだ答えを持ち合わせるほど考えてはいないのですが、こんなところにもマーケティングの課題はあるもんだな、と感じた1日でした。

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