夏。価値のある体験とは。
夏の匂いがする。見上げると空の表情がはつらつとしていて、はっとした。もう8月。日差しは眩しいし、入道雲の形がいかにもな感じで、学生時代の夏休みを思い出させる。毎年この時期は夏特有の焦燥感に駆られる。これはこれで悪くないんだけれど、なんでか小さい頃からずっと、この時期になると焦っている。なんでなんだろうな。夏らしいことを何かしないといけない気がするからかな。今年はまだプールにも海水浴にも行っていない。ビアガーデンにも行っていない。お祭りにもだ。あ、釣りには、行った。(これは年中行くけれど。)
浜崎あゆみのPVみたいな夏になんとなく憧れて気づいたら30歳。いや、20代前半の時はそれなりにそれっぽいことをやっていた気もする。所謂若手のハーフタレントだった私は、たいして仲良くもない面子に呼ばれて知らないお金持ちらと生意気にも別荘やらクルージングに行ったりしたものだ。あれだな。言ってしまうとアレだが、ガワだけ整っていて、中身のない会。若い女の子は素敵なロケーションで美味しいものを食べたりして、セレブ気分をタダで味わう事ができるし、お金持ちたちは可愛い女の子とお酒を飲んだりして楽しめる。ウィンウィンではあったんだろうけれど、正直何にも残らなかったな。特別楽しかった!という記憶もないし、一緒に行ったメンバーの顔も名前も思い出せない。
私のしたい夏らしいことってなんだろう。きっと、今の方が上記のような会を楽しめる気もする。大人たちときちんと会話ができたら、きっと楽しい。大人の社交場を経験するには当時の私は青すぎたし、小娘の私にはもったいない会だったんだな、と思う。(まあ、小娘だったからこそ呼ばれた会だったんだろうけれど。)ただただ、身の丈にあっていなかった。
あとはまあ、今やるとすればメンバーが違うだろうな。仕事で信頼しているメンバーだとか、親友だとか、家族だとか。これからもっと知っていきたい人だとか。大事な人たちとそういった時間や経験を共有していきたいなと思う。いつか『リアル浜崎あゆみのPVみたいなバケーション』が味わえるように、日々のお仕事をがんばろう。
結局目的がどこにあるかの違いだとは思う。なんとなく、夏らしいことをしたい、ガワを楽しみたいだけなのか、大事な人たちと時間を共有したいのか。同じことをするにしてもまったく、残り方が違う。
そろそろ、そこに気づいて行動していかないといけない時が来たな、と思う。大事な人たちとの時間を大切にしよう。その人たちと共有できる体験を記憶に刻もう。心地いい、面白い、ワクワクする、っていう感覚を見逃さないようにしよう。たかが30歳、されど30歳だもの。
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