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【読書感想】10月に読んだ本まとめ

10月はいつもの月以上に本を読めた。

普段読む量が多いわけではないので、1ヶ月で一冊読み切っただけで「うおー!読書した!」って気分になる。
マンガはよく読むけど、いわゆる文字がびっしり詰まった本はなかなか読み切れないことも多い。

私の場合、本を読むのはだいたい寝る前なので、3ページくらい読んだら眠気が襲ってくる。結果、読書が遅々として進まない(読書は私にとって質の良い睡眠導入剤とも言える)。

そんな私が1ヶ月に1冊以上読み切れたのはすごいことなので、せっかくなので10月に読んだ本をまとめておきます。
マンガは継続で読んでいるものばかり。どれもほんとに良い作品なのでおすすめ。

岸見一郎、古賀史健『嫌われる勇気』

言わずと知れた、ダイヤモンド社の大ベストセラー。アドラー心理学入門としても話題の書籍をようやく読んだというわけ。遅い、遅すぎるといわれても仕方ないが、どの本とどのタイミングで出会うかは人それぞれなのでとりあえず「遅い」とか言う輩には黙っててほしい。綿棒持って窓サッシのレール掃除でもしといてほしい。

読んでみて、ベストセラーになるにはやはりそれだけの理由があると思った。

この本は一貫して「過去に何をしたかよりも、『今』この瞬間どうするか」や、「自分の課題と他者の課題を分けて考える」の大切さを説いている。とはいえ何回か読み込まないと、アドラー心理学をきちんと正しい方法で理解するのは難しいのではないか……と、一度読んだだけだと感じた。
ので、隙を見ては繰り返し繰り返し読んでいる。私は本を読むとき、自分の頭の中で理解が追いつくまで先の文章に進めないので、同じ箇所を2〜3分かけて読むこともある。 ゆえに遅読傾向。

何度も読み込んで時間をかけてでも理解したいことがたくさん書かれている本だと思う。
今さら私が薦めるまでもないが、今年読んだ中で本当に他者におすすめしたい1冊を上げるならこれかな。それぐらい勉強になった。


さくらももこ『焼きそばうえだ』

カフェで1時間半程度で読破。サラッと読めて、でも確実に笑えるのがさくらももこ作品のいいところ。

とはいえこの『焼きそばうえだ』は、今の時代に連載でもしてようものならネットでの批判が相次ぎそうだ。

まず、著者の友人である植田さんに「ヤキソバ屋をやらせる」というのを、植田さん不在の中勝手に4人ほどで決定しているのがやばい。ヤキソバ屋開店にあたり、植田さんはマンションのローンを抱えているため自己破産してもらうのが前提で計画を進めているのもやばいし、それを植田さん本人には事後報告(計画がかなり現実味を帯びてきてから)で伝えているのもやばい。意味が分からない。「いやひっどいな!!(笑)」と読んでいて30回くらい思った。
「焼きそばうえだ」と検索すると、サジェストで「ひどい」と出てくるのも理解はできる。

さくらももこさんが2018年に亡くなってから、改めて作品(主にエッセイ)を読んだりネットの記事を読んだりして、さくらももこさん自身がなかなか奔放というかとんでもねえというか、まあけっこうな生き方をしていたのかもしれないなあ……と考えるようになったため、個人的には今この『焼きそばうえだ』を読んで、「まあそれぐらいやりそうな人(人たち)だったよね」とも思っている。

とはいえ『ちびまる子ちゃん』もそもそもはブラックユーモアが光る作品だし、2023年の著者亡き今、この『焼きそばうえだ』から学ぶべきことは「面白い冗談を本当に実現させてしまうくらいには、人生めいっぱい楽しんでやりたい」という遊び心なのかもしれない。大人ってすごいね。

いやそんな小難しいこと考えなくていいよ。笑いたいときはとりあえずさくらももこのエッセイを読みなさいよ、と私が改めて心に刻んだ一冊となった。


オノ・ナツメ『BADON』8巻

継続して読んでいるマンガの新刊その1。

オノ・ナツメさんのマンガは好きでよく購入している。
この『BADON』は、アニメにもなった同じくオノ・ナツメさん作『ACCA13区監察課』と同じ世界が舞台だ(詳しく語られていないから推測だが、2作品で出てくる土地の名前が同じだったり、どちらの世界でも煙草が高級品だったりしているので、多分同じ世界)。

「『ACCA13区監察課』はアニメで知っているけど『BADON』は知らない」という友人がいたので、「もったいない!!個人的には『BADON』の方がかっこよさマシマシだよ!!」と薦めたことがある。『BADON』の魅力は登場人物全員がとにかくかっこいい(可愛いキャラもいる)。

私が好きなキャラは、老舗煙草店の若社長・レニー。上品な佇まいと煙草業界を守りたいという信念を持つ。今巻では予想よりたくさん出てくれてうれしい。

▲若くして老舗煙草店の社長を務めるレニー

裏社会を生きてきた登場人物たちの立ち振る舞いや深みのあるセリフの数々が、まるで外国映画を観ているような作品である。もっと『BADON』の良さが知られてほしい!!煙草が好きな人、かっこいい大人の男性(イケオジ)が好きな人、外国の街の雰囲気が好きな人!!ぜひ読んでほしい!!


よしながふみ『きのう何食べた?』22巻

継続して読んでいるマンガその2。大人気『きのう何食べた?』こと『何食べ』。ドラマも毎週楽しく視聴している。

ジルベールと小日向さんの結婚式に招待されたシロさんとケンジという、19巻くらいから打たれていた布石がようやく今巻で回収された(待ってました)。その結婚式で、シロさんが行ったスピーチが感動もので……。これは絶対ドラマでもやるエピソードになるな!いつになるかわからないけど。

「パートナーのこんなにうれしそうな顔が見られるものなら結婚式を挙げるのも悪くないですね」

「知りませんでした こんなにうれしいものだとは思わなかった」

『きのう何食べた?』22巻171話より

『何食べ』原作で私が特に好きなところは、一つ一つのシーンやセリフがとにかくさらっと描かれていることであり、にもかかわらず心に強く残るエピソードやセリフが多くあるところだ。『BADON』の感想を書いていてもでも思ったが、私はマンガはかなりセリフを重視する方だと思う。思わず口に出したくなるセリフが多いマンガを、好んで繰り返し読んでいる。

ちなみに『きのう何食べた?』のドラマをシーズン1からきちんと観たのはわりと最近だ。正直以前は「ドラマか……」と何となく食わず嫌いしてたフシがあるのだが、観てみるとこれがとても良くて。

特に内野聖陽演じるケンジが原作そのまんまで、再現度の高さに感動した。西島秀俊演じるシロさんや、磯村勇人演じるジルベールも役にとても合っているのだが、内野聖陽のケンジのハマりっぷり……というか、もはや原作から出てきたんじゃないかと見紛うほどの演技は、ドラマ内でも群を抜いている。

ちょっとこれは原作読んでみんなチェックしてみて。マジでそのまんまだから。私が保証する。


水凪トリ『しあわせは食べて寝て待て』4巻

フォアミセス連載中の、水凪トリさん作の薬膳マンガ。

主人公・さとこさんが、自身の体のために薬膳を取り入れた生活をする日々の様子を描いたマンガ。私は「生活の知恵」的なエッセンスが入ったマンガが好きで、この『しあわせ~』も本屋でビビッときて買ってみたら好みドンピシャで、私の中の「新刊が出たら即買うマンガ」になったというわけ。

マンガで描かれているのは料理に使う野菜を季節に合わせる大切さ、ひと息つきたいときのお茶の種類、温泉の効能を十分に発揮させる入り方……

などなど、知っていれば日常をより良くできる知恵がたくさん詰め込まれている。丁寧に日々の暮らしを整えていく主人公・さとこさんや周りの人の様子を見ていると、自分もやってみようと思える。
温泉の効能をアップさせるより良い入り方は簡単にできるので、気になる人は2巻をチェックしてみてほしい。

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以上が10月に読み切った本まとめ。
まだ読み途中の本も何冊かあるので、今月もいろいろ読めたらいいな。

日々の思うことを綴ります。エッセイ大好き&多めです!