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本を書いています。

Vol.20 本が本になった日。

来週6/27に発売になる拙著『「面白い!」のつくり方』、著者献本として見本が何冊か手元に届きました。

ダンボールにギッシリ入った本に、達筆な編集者からの手紙。緩衝材には新聞紙。表紙のみかんの絵と相まって、さながら故郷から送られてきた小包のようでした。

これまで見ていた校正紙は、言っても見開きの想定で刷られたA4の紙の束だったので、印刷されて綴じられた状態で目にするのは、これが初めてです。本の形になると、ここまでモノとしての存在感が増すものなのかと、思わず見とれてしまいました。実は今までも装丁の仕事をしたことはあったのですが、自分の著作(しかも単著)となると、感慨もひとしおです。

思わずテーブルに並べて「平積みごっこ」をして、大人気なくはしゃいだりしました(笑)

キレイに印刷され、ピシッと裁断された紙の塊を手に持ってみると、改めて「本」というものはれっきとした工業製品なんだな、ということを感じます。出力紙をクリップでまとめた紙の束とは、まるで別物のような存在感があります。

そしてまた、本という様式の持つ権威性のようなものも、強く感じました。もはや自分で書いた文章なのかどうかも分からないぐらい、「ちゃんとしたもの」に見えるのです(苦笑)

ちょっと前までは自分の頭の中にしかなかったものが、段々と実体化して、今では確かな存在として目の前にあるという事実。しかもたくさん。仕事では散々いろんな印刷物を作ってきたはずなのに、今回の体験はとても新鮮に感じられました。

「あぁ、がんばって書いて本当によかったなぁ」

と、身もフタもないような感想しか出てきません。

前にもここで書いたかもしれませんが、私は常々「(自分にとって)制作物としての純度が高いもの」を作りたいと願ってきました。今回のこの本は、人生で初めてそれを満足のいく形で達成できたのかもしれません。

もちろん、ここに至るまでは自分一人の力ではなし得ない道のりでした。改めて、すべての人に感謝したい気持ちでいっぱいです。ちょっと大げさかもしれませんが、初めて子どもが生まれたときの気持ちにも、ちょっと似ています。

とはいえ、あくまでも工業製品である以上、ここからは売れてくれないと困ります。生みの親として、できる限りの事はしていこうと思う所存であります。

不束者ではございますが、決して悪い子ではないはずです。仲良くしてやってもらえたら嬉しいです。何卒よろしくお願い致します。


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