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Yahoo!基金で寄付をしてみて感じたこと|なぜPayPayで寄付できないのか調べてみた

能登半島地震に被災されました方々におかれましては、1日も早く復旧されますこと切に願っております。

私もこの度Yahoo!ネット基金を通じて募金をさせていただきました。
少額で申し訳ないのですが、持っているTポイントをすべて寄付させていただきました。

このようにYahoo!基金を通じて寄付を行ったのですが、無性に気になったことがあるので今日はそれを書きたいと思います。

気になったのは以下のふたつです
:決済方法にPayPayが何故ないのだろう
②:領収書がないと何がいけないのだろう

以下が実際の画面です。赤い〇のところが該当箇所です。

調べた結果、理由がわかってきましたので、もしよろしければお付き合いいただけますと幸いです。


PayPayでの寄付にこだわる理由

Yahooといえばヤフオクやヤフーショッピングなどで有名です。その中で力を入れている決済手段としてはPayPayが有名です。しかし寄付についてはPayPayが使えないのです。

このことがとても気になりました。クレジットカードや銀行振り込みで寄付はできるので困らないのですが、それでもメイン決済手段といってもおかしくないPayPayがないのはなんとも不思議だったのです。PayPay残高を持っている人はTポイント残高より多いのは間違いないので、選べた方が断然寄付額は多くなると思ったからです。

あともう一つ、領収書の発行がないことについて。寄付にあたり領収書が発行できないことがどんな意味を持つのか。それも気になったので加えて考えてみたいと思います。

PayPayで寄付できない理由:法規制上できない

PayPayでできない理由をインターネットで検索しても全然ヒットしませんでした。あるにはあったのですが数年前の記事でした。同じような疑問を持っている方はきっといるはずと思ってがんばって調べてみましたが発見できませんでした。

そこで、Yahoo!基金に直接問い合わせてみました。そしたら次のようなご回答をいただけました。

Yahoo! JAPANカスタマーサービス〇〇〇です。
いつもYahoo! JAPANをご利用くださいまして、ありがとうございます。
お問い合わせの「PaPayでの寄付」について、ご案内いたします。

PayPayでの寄付は弊社でも対応を検討しておりますが、法規制上の
課題などがあり、現時点では実現に至っておりません。


せっかく寄付をご検討いただいたにもかかわらず、ご期待に沿えず
申し訳ございません。
今後の実現に向けて引き続き検討してまいりますので、
何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
これからもYahoo! JAPANをよろしくお願いいたします。

Yahoo! JAPANカスタマーサービス からのメール引用

どうやら法規制が絡んでいるようでした。この課題がクリアになれば寄付はできるようです。ではどんな法規制がかかっているのか検証してみました。

【一般論】電子マネー・ポイントは3種類に分けられる

PayPayやTポイントの個別はとりあえず置いといて、電子マネーやポイントなどは大きく3つに分かれるということです。以下一覧表にしたものです。

電子マネー 一般論

電子マネー・前払式支払手段・企業ポイントの3種類に分けられるようです。それぞれ見ていきましょう。

電子マネー:資金移動業者が発行した電子マネー

電子マネーはPayPayマネー楽天キャッシュといったお金と同等に取り扱えるものです。これらは銀行口座へ出金できますし、第三者へ送ったりもできます。この点からお金と同じように扱えるので寄付金として利用可能なのです。

資金移動業者とは銀行以外で送金サービスを行うことができる業者であり、電子マネーを発行できる企業でもあります。2024年1月7日現在で83社しかないようです。(資金移動業者一覧

前払式支払手段:プリペイドカードのようなもの

前払式支払手段というのはプリペイドカードのように、お金を払ってそれに見合ったポイントを購入するイメージです。これらは、第三者への譲渡はできますが換金はできません。PayPayマネーライトAmazonギフトカードなどが該当します。

受け取っても現金に換金できないので、寄付としては不適格なのだそうです。

ただし第三者への譲渡は、各運営会社の規約により禁止している場合があるようです。

企業ポイント:主たる取引の景品・おまけとして付けられるもの

企業ポイントは、企業が取引におまけとしてつけるポイントのことをさします。「購入額に対して10%ポイントバック」などで付与します。

ガソリンスタンドやコンビニでTポイントが付いたりするのが該当します。他にもPayPayポイント(旧PayPayボーナス)Amazonポイントもお買い物のポイントバックとして付くのでこれらに当たります。

これらは、銀行口座への出金や第三者への譲渡が可能です。
つまり、寄付金として利用可能なのです。

しかし、各運営会社の規約によって禁止していることがあります。

【個別】Tポイントはどうなっているか

前章を踏まえて、Tポイントの事情を見てみたいと思います。Tポイントの事情はシンプルです。

Tポイント・Tマネーについて

上記のように、Tポイントについてはもう一つTマネーというものがあります。Tポイントは企業ポイントであり、規約でも特段規制はしていないので寄付金として成り立つのです。

一方、Tマネーは好きなだけ購入できますが、前払式支払手段なので出金不可です。換金ができないので寄付には使えません。

従ってTポイントについて寄付に利用可能ということになります。

【個別】PayPayはどうなっているか

次にPayPayを見てみましょう。PayPayは少し複雑な事情があります。

PayPayマネー、PayPayマネーライト、PayPayポイントについて

PayPayはPayPayマネー・PayPayマネーライト、PayPayポイントの3種類になっています。結論としては3種類いずれも寄付として使えません。順番が相互しますが、簡単なところから見ていきたいと思います。

PayPayポイント:規約で禁止されていて寄付には使えない

まずPayPayポイントについてです、これは企業ポイントにあたりおまけで付いてきます。「毎日5%PayPayポイントバック」などが当たります。

本来であれば、出金・譲渡が可能なので寄付に使用できます。しかし規約で両方とも不可としているので寄付には使えません。

逆に言うと、規約を変更すれば寄付に利用できます。
しかしちょっと待ってください。

PayPayポイントはおまけとして付いてくるもの故少額です。本当に寄付で使いたいのはPayPayマネーやPayPayマネーライトではないでしょうか。よって寄付ができてもPayPay残高を使った寄付としてはイマイチです。


PayPayマネーライト:換金できないので寄付には使えない

次にPayPayマネーライトです。PayPayマネーライトは前払支払手段です。これは出金・換金ができないので寄付としては使えないです。


PayPayマネー:2つの課題があり寄付には使えない

PayPayマネーは、純然たる電子マネーです。よって本来は寄付には使えるはずなのです。しかし、2つの大きな課題があって寄付には現状使えません。

どのような課題があるのでしょうか。

課題1)QRコードのネット公開は規約で禁止されている

PayPay加盟店であればお店のQRを持っているのでそれで決済できます。しかし、そのQRをネット公開は禁止されているのです。

PayPayオンライン決済を導入すれば良いのですが、オンラインショップや提携ネットショップがないといけないなどハードルがあるようです。

このように決済用QRをネット公開で利用できるのは、オンライン診療用QRコードが認められた医療機関や薬局のみのようです。

出典:厚生労働省 オンライン診療に関するホームページ

課題2)本人確認の実施・未実施でPayPayマネーの扱いが変わる

一番の課題はこちらのような気がしています。先ほどの一覧のチャージ方法を見ると、銀行口座やATMの場合、PayPayマネーとPayPayマネーライトの両方に書かれています。いったいどっちなんだ?何が違うんだ?となると思います。

実は本人確認してあるとPayPayマネー、してないとPayPayマネーライトになります。一覧で表すと次のようになります。

PayPayチャージルール

本人確認が未完了のアカウントの場合は、すべて出金ができないPayPayマネーライトになってしまうのです。

さらに言うと、本人確認が完了した人同士ではPayPayマネーを譲渡してもずっとPayPayマネーですが、本人確認未完了の人に渡った瞬間にPayPayマネーライトに変わってしまいます。

そして、一度PayPayマネーライトになってしまうと、二度とPayPayマネーには戻らないのです。

今後求められること:前払支払手段について規制緩和がもとめられる

PayPayもしかり、他の電子マネーでもおそらくですが、本人確認をしてないアカウントが多いのだと思います。その場合、PayPayマネーライトのような前払支払手段のものが多く、換金ができないので寄付には使えないのだと思います。

アカウントに対して本人確認(※)を簡略化したり、前払支払手段の換金ができるような法改正などが必要になってくると思われます。

※本人確認は、マイナンバーや免許証を用いて一定の申請手続きが必要です。難しくはないですが案外と面倒です。本人確認をしなくてもPayPayは普通に使えるので多くの方がPayPayマネーライトで使われているのだと思います。

番外1)最先端乞食は規約違反のようです

最先端乞食という言葉をご存じでしょうか。SNSで決済QRを拡散して、誰かに決済をしてもらう方法です。この方法をとるとタダで缶ジュースなど飲むことができます。

こんな方法があるのかと驚きましたが、先ほど申し上げたように、決済QRのネット公開は規約違反です。この規約はお店側に適用されているので、下手をするとお店とPayPay両方に訴えられてしまう可能性があります。

また、規約に違反するとPayPay側でアカウントを閉鎖したり、残高が入っていても戻さないという処置になる可能性もあります。

よって、あまりやらない方が良いと思われます。

番外2)Yahoo!基金の領収書なしの意味するところは?|寄付金控除はできません

Yahoo!基金では誰でも簡単に寄付ができます。信用のおける寄付先とは思いますが、その寄付を確定申告の際に寄付金控除として使おうと考えている場合は注意が必要です。

まず、領収書がでません。そして、それ以前にYahoo!基金は、LINEヤフー株式会社とは関係なく、独自で運営されている任意団体です。

「Yahoo!基金への寄付金は税控除の対象にはなりません。」とはっきりと書かれているので、寄付金を税控除に利用する場合は、赤十字など認定された団体への寄付へ振り込みで対応した方が良いでしょう。

寄付金控除はふるさと納税でもされていることなので、そこで満額されていればあまり関係ないかもしれませんが一応書かせていただきました。

#3行日記 :月曜日から仕事です

今年の正月は、個人的にはエネルギー充填できました。張り切ってお仕事はじめをしていきたいと思います!

さて、連続投稿企画の状況は以下の通りです。昨日より3000記事ほど増えました!

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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