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邦楽由来の言葉たち 二曲目
邦楽由来の言葉たち二曲目。
さっそくいってみましょう!
コツ
物事を行なう勘どころ。要領。急所。呼吸。骨合。
由来は、
管楽器の笙は17本の竹で組まれており、それぞれの竹には簧(した:リード)が付いていて、出る音にもそれぞれ固有の名前が付けられている。
「乞(こつ)」という音は左手薬指の位置にあり、とても出しにくい事からこの言葉が出たと言われている。
という説の他に、
コツの語源は、漢語「骨(こつ)」。
骨は体の中心にあり、体を支える役目を果たしていることから、人間の本質や素質などを意味する。
そこから、コツは勘所や要領も意味するようになり、物事の本質を見抜き、自分のものにすることを「コツをつかむ」と言うようになった。
という説もあります。
ろれつが回らない
舌が回らずに言っていることがよく聞き取れない状態を意味する表現。酔っている状態などを指す。
由来は、
「呂律(ろれつ)」は、中国から伝わった雅楽の言葉「りょりつ(呂律)」が転じた語。
音楽の基準とされた12音階のうち、「呂(りょ)」は陰の6音、「律(りつ)」は陽の6音を意味し、「呂」と「律」の音階が合わないことを「呂律が回らない」と言った。
これが一般にも広まり、「言葉がはっきりしないこと」ことを「ろれつが回らない」と言うようになった。
お酒はほどほどに。
頭取(とうどり)
銀行などの首席の取締役。その代表者として業務執行に当たる。
由来は、
頭取は、雅楽で合奏する際に首席演奏する「音頭取り」の俗称で、特に、管楽器の首席演奏者のことをいった。
やがて、能や歌舞伎の「翁(おきな)」「三番叟(さんばそう)」で、小鼓を奏する三人のうち、中央に座る主奏者も「頭取」と呼ぶようになった。
「音頭を取る人」から「集団のかしら」に意味が派生し、劇場で楽屋を取り締まる者や、相撲で力士を取りまとめる人も「頭取」と呼ばれるようになった。
明治に入り、銀行の前身となる「為替会社」が設けられた際、出資者の代表を「頭取」と呼んだことから、銀行の代表者として業務執行に当たる人を「頭取」と呼ぶようになり、以降、「集団のかしら」の中でも特に、銀行の代表者をいうようになった。
ただし、信託銀行などでは「社長」というところもあります。
野暮(やぼ)
1 人情の機微に通じないこと。わからず屋で融通のきかないこと。また、その人やさま。無粋ぶすい。
2 言動や趣味などが、洗練されていないこと。無風流なこと。また、その人やさま。無骨。
由来は、
雅楽の楽器「笙(しょう)」にある「也(や)」と「毛(もう)」という二本の管は音が出ないため、役立たずの意味で「やもう」「やも」「やぼ」と変化し、「野暮」になったとする説がある。
他にも、田舎者を意味する「野夫」が転じたとする説もあります。
ちなみに、東京都国立市の谷保天満宮が由来という説もありますが、
狂歌師の大田蜀山人が「野暮」と「谷保」を掛け、「神ならば出雲の国へゆくべきに目白で開帳やぼのてんじん」と詠んだことから、そのような説が生まれたもので、それ以前から「野暮」という言葉は存在していたため、「野暮」の語源と「谷保天満宮」は無関係
と否定的な考えが有力と言われています。
二の舞(にのまい)
人のあとに出てそのまねをすること。特に、人のした失敗を繰り返すこと。
由来は、
二の舞は、蔵面をつけて舞う雅楽のひとつ「安摩(あま)」の答舞に由来する。
安摩の舞の後に、「咲面(わらいめん)」と「腫面(はれめん)」をつけた二人が、わざと失敗しながら安摩の舞を真似て演じる滑稽な舞のことを「二の舞」と言ったことから、人と同じ失敗をもう一度繰り返すことを意味するようになった。
昔は「二の舞を演じる」が正しく、「二の舞を踏む」は誤りとされていましたが、現在では「二の舞を踏む」もOKになっています。
ただし「二の舞を繰り返す」は繰り返しの意味が重複するためNGです。
今回は以上です。
あまりダラダラと続けるのも野暮ってものなので、次回「三曲目」がシリーズラストになります。
べ、別にネタが尽きるからってわけじゃないんだからねっ!
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