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さまざまな『雨』を表す言葉 ~四季編~

「今日は天気が悪い」
『雨』が降っている時につい口にしてしまいますが、天気予報では言わないそうです。
それは、「恵みの雨」という表現があるように『雨』を望んでいる人もいるから。

日照りが続いて水不足が深刻であれば『雨』を望むでしょう。
おニューの長靴や傘を買ってもらったお子様も『雨』を望むでしょう。
運動会が嫌いなキッズたちも中止になるように『雨』を望むでしょう。

反対に、
通勤通学に自家用車で送り迎えされない一般ピーポーは『雨』を望まないでしょう。
運動会が大好きな陽キャどもも中止にならないように『雨』を望まないでしょう。
GBAソフト「ボクらの太陽」にドハマりしているゲーマーも『雨』を望まないでしょう。
注)「ボクらの太陽」は太陽光を検知するセンサーが付いていて晴れの日じゃないとまともに遊べません。

人によって、立場によって印象が変わる『雨』。
喜怒哀楽、その時の感情によっても見え方が変わる『雨』。
時間帯や季節によっても感じ方が変わる『雨』。

そんな『雨』を多種多様な表現を持つ日本語が放っておくわけもなく、実に多種多様な呼び方が存在します。
数百種あるとも言われる『雨』を表す言葉。
その一部をご紹介します。


季節ごとの『雨』
【春】
「春雨(はるさめ)」
2月末から3月の晩春に降る、雨足が細かくしとしと降る雨。

「紅雨(こうう)」
花が咲いている時期に降る雨で、赤い花に降り注ぎ花が散るさま。

「発火雨(はっかう)」
24節気の「清明」の頃やわらかく静かに降る雨。一説には、桃の花に降る雨が遠目では火を発しているように見えることが語源とされています。

「花時雨(はなしぐれ)」
桜の花のころに花びらをさっとぬらして通り過ぎる雨。

「春霖(しゅんりん)」
春の三月、四月ころに三日以上降りつづく長雨。

【夏】
「青葉雨(あおばあめ)」
木々の青葉に降りかかる雨。

「五月雨(さみだれ)」
五月雨とは陰暦の五月、梅雨時の長雨。

「卯の花腐し(うのはなくたし)」
卯の花を腐らせるくらいに降り続く雨。

「栗花落(ついり)」
梅雨のはじまるころが、栗の花が落ちる時期と重なることから。
「墜栗花雨(ついりあめ)」とも。

「半夏雨(はんげあめ)」
七月二日ころ半夏生の開花時期に降る大雨。

【秋】
「秋の長雨(あきのながあめ)」
三日以上降りつづく雨。

「秋霖(しゅうりん)」
初秋のころ、しとしとと降りつづく長雨。

「秋時雨(あきしぐれ)」
秋の終わりに降る時雨のこと。

「冷雨(れいう)」
冷え冷えと降る晩秋の雨。

「伊勢清めの雨(いせきよめのあめ)」
宮中行事の神嘗祭が執り行われる、陰暦9月17日の翌日に、祭祀の後を清める雨。

【冬】
「時雨(しぐれ)」
晩秋から初冬のころ、降ったりやんだりする雨のこと。冬の季語。

「山茶花ちらし(さざんかちらし)」
山茶花の花をちらす初冬の雨。

「鬼洗い(おにあらい)」
大晦日に降る雨。語源は鬼やらいとも言われる。

「富正月(とみしょうがつ)」
元旦に降る雨。豊作の前兆として喜ばれる雨のこと。

「寒九の雨(かんくのあめ)」
寒の入りから9日目に降る雨。豊作の前兆として喜ばれる雨のこと。


今回は以上です。
『雨』を表す言葉は美しいものばかりですね。
次回「降り方編(仮)」でお会いしましょう!

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