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「本当にSEOでお問い合わせって増えるんですか?」

増えます。ただし、増やすためにはいくつか超えるべきハードルがあります。

「SEOで広告費をかけずにお問い合わせが増えたらいいな」と、BtoBサービスを提供している方であれば、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

「資料請求サイト」「マッチングサイト」のようなリード獲得、第三者間のマッチングを支援するサイトは、SEOに力を入れて成功しているイメージがあります。

https://it-trend.jp/
https://www.itreview.jp/
※特にIT製品で多い

ただ、私の見る限り、SEOをやり切って成果を上げているBtoBサイトは非常に少ない印象です。

「オウンドメディアを作って記事をたくさん入れてみたが、一向にお問い合わせは増えなかった」
「企業ブログを更新してきたが、成果に繋がっている実感がない」

というのは、BtoBのSEOあるあるだと思います。

なぜ、BtoBサービスのお問い合わせをSEOで増やすことは難しいのか?

今回はその疑問に対して、3つの課題を軸に解説していきます。

SEOでお問い合わせを増やすためにクリアすべき3つの課題

  1. ユーザーのモチベーションが低い

  2. 検索ボリュームが少ない

  3. 成果地点をハードルの高いものにしてしまう

SEOでお問い合わせを増える前には、主にこの3つが壁として立ちはだかっています。

①ユーザーのモチベーションが低い

まず前提として、ビジネスの情報を検索しているユーザーはモチベーションが低い傾向にあります。

事業者側としては「モチベーションの高いユーザーが自社サイトに来て、お問い合わせをしてほしい!」という気持ちが強くなりがちですが、検索しているユーザーは意外とあっさりしていて、ほとんどの方はそこまで真剣にWebサイトのコンテンツを見ていません。
(私もそうです)

その背景としては、「BtoBサービスを導入するにあたっては、一人で意思決定がしづらく、導入のハードルが重い」ことが挙げられます。

  • 自身が意思決定者でなく、導入に稟議が必要である

  • 意思決定に複数人が関わるため、その議論を手間に感じる

  • 導入して終わりではなく、導入後の運用まで考えなければならない

このような前提をもとに情報を調べたり、導入を検討していたりするため、生活に根差した情報(toC)と比べると、モチベーションは低くなってしまいます。

そのため、「そもそも流入してくるユーザーはお問い合わせへのモチベーションが低く、お問い合わせに繋がりにくい」ことは押さえておきましょう。

別の観点として、マーケティングのフレームワークに「AISAS」と呼ばれるものがあります。

これは最初の接点=認知から購買、そして周囲への共有までを表したものですが、BtoBにおいては検索(Search)から購買(Action)までが一旦切れる傾向が強いように思います。

アクセス解析ツールでは成果として見えづらくとも、全体の数値を追うとSEOによる接点がお問い合わせに繋がっていることもあるため、全体的な数値からSEOの成果を推察することも必要でしょう。

また、検索するキーワードによってもモチベーションに差があるため、その点を次の項目で触れます。

②検索ボリュームが少ない

SEOでは、検索キーワードごとにお問い合わせへのモチベーションが異なります。

例として、以下をご覧ください。

■お問い合わせから遠いキーワード(潜在層)
・〇〇とは
・〇〇 メリット、デメリット
・〇〇 方法

■お問い合わせに近いキーワード(顕在層)
・〇〇 比較
・〇〇 費用
・〇〇 おすすめ
・〇〇会社 一覧

このように、概念の一般的な内容を調べているキーワードはお問い合わせから遠く、費用や会社の一覧など、導入時の検討事項を調べているキーワードであれば近いという性質があります。

これはBtoC・BtoB問わず、同様の性質が見られるのですが、BtoBではそもそも全体の検索ボリュームが少ないことから、特に顕在層向けのキーワードのボリュームも少なくなります。

また、事業者側としては辛いことに、「〇〇 比較」や「〇〇 おすすめ」といったキーワードは他社との比較を前提とするため、自社では狙いにくいキーワードです。

もし狙う場合は「他社と比較して自社のサービスは特におすすめですよ」といった我田引水的な訴求になってしまうため、狙うべきかどうかの判断は難しいでしょう。

・BtoBの顕在層キーワードは、検索ボリュームが少ない
・BtoBの顕在層キーワードは、比較の性質を伴うために、事業者として狙いにくい

この2つの要因を加味すると、SEOへの取り組みはお問い合わせから遠回りなものになってしまい、優先度が下がりがちな印象があります。

③成果地点をハードルの高いものにしてしまう

ここまでは検索市場の性質に触れてきましたが、次は社内要因について触れていきます。

「SEOに投資するからには、確度の高いお問い合わせが欲しい」

この考えは誰しもが持っていると思いますが、SEOを通じて得られる流入はモチベーションの低いものがほとんどで、確度の高いお問い合わせは発生しづらいのが実情です。

それでもWebサイトのCTAにはお問い合わせ”のみ”を置き、ハードルの高い成果地点のみを設けていることがあります。

しかしながら、検索でざっくり情報を収集しに来た方に対し、「ぜひ弊社へお問い合わせを!」とアプローチしても、お問い合わせには繋がりません。

情報収集をしているのであれば、「では、このような資料はいかがですか?」とお役立ち資料やライトなサービス資料を提案する方がリード獲得には有効です。

一方で、お問い合わせとは異なり、資料をダウンロードされた方(リード)に電話やメールでアプローチしないとそこから商談は発生しません。

そのため、社内でリードにアプローチする体制がないと、商談や受注に繋げることができず、もったいないことになります。

① 成果地点をお問い合わせのみにしている
→サービス資料やお役立ち資料、メールマガジンへの登録を提案する
② ①で獲得したリードに何もアプローチをしていない
→電話やメールでしっかりアプローチする(インサイドセールス体制を作る)

この点がクリアできれば、SEOからの成果創出は身近に感じられることでしょう。


まとめ

SEOは実施すべきことが多く、取り組んでいるとつい施策の細かいことに目が向きがちです。

しかしながら、全体を俯瞰して見ないと「どう成果が生まれるのか」というスタンスで取り組むことができないため、定期的に全体を俯瞰することは大事だとつくづく感じています。

「SEOって本当に効果があるの?」という観点のみならず、「SEOの成果をどのように売上と紐づけるか?」という観点で見ると、自社にあった取り組み方が浮かんでくると思います。

余談になりますが、マーケティングは売上から遠い取り組みに見えがちですが、しっかりやり切ることができれば大きなインパクトを残す取り組みになりますので、ぜひ前向きに取り組んでいきましょう。

アイオイクスではSEOを軸としてデジタルマーケティングの支援サービスを提供しています。何かお力になれそうなことがありましたら、ぜひご相談ください!

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