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演劇人の永遠の悩み「チケットを売る」ための基礎的なセルフプロモーション論

もはや演劇界では
「集客力」=「攻撃力」と認識されていてもおかしくない。

演劇の売上のその殆どが、その短い公演期間でのチケット販売数にかかっているわけで。(あとは物販)

そうなると劇団側はいかにしてチケットを売るかを画策する。
劇団に人気があればいいのだが、劇団の名前でチケットが売れるなんてのは長期間活動している劇団か、メジャーな劇団くらいに限られてくる。

そうなると、僕が運営している「劇団亜劇」のような新人劇団は集客のほとんどを役者さんに頼らせて頂くことになる。

役者の方も(劇団側が売るべきとは思うが)自分が売らなければならないキャスティングの場合があると思う。

しかし役者さんはどこかでプロモーション知識をつける機会なんてほとんど無く、試行錯誤を繰り返して集客している人がほとんどだと思われる。

そこで、現在でもCM業界で活動している僕が少しでも役者さんの集客につながるように、これまで貯めてきた「セルフプロモーション」の知識を書き留めたいと思います。

※「集客は役者がやるべき」という意味合いの記事ではありません。あくまでも劇団も役者もどこかしらでぶつかる「集客方法」に関してですので、ご了承ください。

その1
 「お客さんの心理」とは?


セルフプロモーションの基礎の前に、まず「お客さん」の心理を理解します。

まず、あなたのお客さんの「来場可能性」をカテゴライズしてみましょう。

というのも、人はあなたの公演情報に触れた瞬間、心のなかで

という3つのフォルダに素早く無意識に仕分けしているのです。
これは自分が他人の公演情報を知った時にも同じような感覚になるはず。

この心のフォルダ分けにはある特徴があります。
それは「行きたくない」フォルダから上の階層である「行こうかな」「行く」に上がることはなかなかありません。

しかし、逆のパターン。
「行く」「行こうかな」から「行きたくない」には簡単に転落します。

これが大雑把ですが、人の心のフォルダ分けの特徴です。

つまり、まずは今あなたのお客さんの中の

にカテゴライズされる人たちを100%劇場に呼ぶ事を考えた上で……

フォルダの人たちを一人でも

フォルダへ移動させることを意識する事が集客を伸ばす第一歩です。


その2 
そもそもなぜにセルフプロモーションが必要なのか?


前提としてお客さんはあなたの演技を観るまでにこのような段階を踏みます。

このようにあなたの演技を見せるまでに、お客さんが乗り越えるタスクは非常に多いのです。

そして、お客さんが「行きたい」と決める段階はです。

「公演情報を知る」「公演に興味を持つ」これはどちらとも「情報」を得た結果です。

あなたがどれだけ命をかけて最高の演技を稽古場で突き詰めても、その「情報」がお客さんに届かなければ、そのお客さんにとっては存在しないも同然です。

セルフプロモーションという「情報発信」の大事さが伝わったでしょうか?


その3
 SNSを活用しましょう!

セルフプロモーションの方法は山程ありますが、お金もかからずとっつきやすいSNSを利用したプロモーションにしぼります。

現代においてのSNS普及率はおよそ30%と非常に高く、特に若年層に至っては70%を越えています。またブログ等もいいですが、ブログのリンクをクリックして情報を読み切る人はあなたのヘビーユーザーくらいです。

ではSNSを使った「セルフプロモーション」の基本的な考え方をお伝えします。保存がきくように画像で載せます。


その4
行く理由を二つつくる


これが最も大事なことだと僕は思っています。

人は行く理由が二つあると動きます。

例えば旅行で「美味しいもの」だけがあると迷いますが、そこに「絶景」もあると知ると行こうと決めませんか?

このように行く理由が一つだと行く気にならないけど、それが二つになると行こうかな、行ってもいいかなと思ったりします。

理由が一つだけだと「行かない」フォルダに入っているけど、理由が二つになると「行こうかな」「行く」フォルダへ移行します。

行く理由を二つつくるのです。
知っている役者で集客が多い人はなぜ多いのでしょうか?

そのなぜ?を突き詰めて考えていくと、その人に二つ以上の行く理由があるはずです。

あなたを見に来る理由は二つありますか?
あればその二つ、もしくは二つ以上の理由を多くの人に発信していますか?一つだけしか発信していないことはないですか?

理由が二つない人は理由を作りましょう。
自分だったらどういう理由があれば自分の舞台を見に来るか考えてみるのもいいと思います。


さいごに

今回お伝えしたのはあくまでも基礎の基礎です。

「それくらい知ってるよ!」
「簡単じゃん」

と思われましたか?

では、それを実行しているでしょうか?

また

「自分はこういう媚びるようなことはしたくない」
「セリフ覚えるので忙しい」

と思いましたか?

最初に言いましたが、どれだけ演技を突き詰めても人が見なければ意味がありません。

基礎的なことですが、これをやり続けるのはなかなか難しいです。ですが、集客がいい人のほとんどは行っています。
逆に集客が伸びない人は、この基礎を伝えてもやるのは最初だけで次第に飽きてやめてしまっています。

役者は表現者という「職業」です。
価値を自らの存在で生み出す「職業」です。


自分の「価値」が経済を回し、国を支える。
極端ですがそれくらいの意識を持っても大げさでは無いのです。

チケットが売れ、自分のお客さんが増える。
過去最高を毎回更新する、フォロワーが増えるetc……

それはとても楽しいことです。
自分の「価値」を多くの人に届けることができるのですから。

ただ演技を続けているだけではお客は増えません。
まずは過去最高を超えることを目標とし、それを強く意識するのはどうでしょうか?

まずはそこからでもいいと思います。


役者の方は大変だと思います。
稽古しながらも集客集客と言われ、出演してはみたものの「様々な理由でチケットを売るのが難しい舞台」の場合も多いと聞きます。

ですが、集客力100人を超えると舞台で食っていけるとも聞きます。
そうなれば集客に悩む比重が下がり、演技に集中できるはず。

僕もまだまだ集客方法には悩み続けていますが、僕の舞台に出た人は必ず過去最高枚数を達成できようにできる限りのサポート、方法を考えております。

「チケット売れすぎて困る」日が早く来るよう、一緒に頑張りましょう!


今回の資料を作るにあたり、超参考にさせて頂いた書籍を紹介します。


また当劇団「劇団亜劇」もよろしくお願い致します。


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