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2022年1月に読んだ本の感想

ちょろちょろ本を読んでいるので、せっかくなので感想をまとめつつオススメしようと思う。


「兇人邸の殺人」


屍人荘の殺人シリーズ、もとい「剣崎 比留子シリーズ」の最新刊(3作目)。
一作目、二作目とミステリ+○○という新時代ミステリなコンセプトで書かれている作品。

今回もミステリをベースとしながらも、全然違うジャンルのサスペンス要素が重なって新鮮な物語となってる。

ただ、個人的に部屋の配置とかが脳内で思い描けないタイプなので(クリエイターとして致命的)、ミステリ部分は毎回「へーそんな方法だったんだぁ」くらいしか感じられないので非常に残念。

本格ミステリではあるけど、キャラクター造形はラノベっぽく、文章も非常に読みやすいので普段ミステリ読まない方にもオススメ。(その場合は是非「屍人荘の殺人」から)

今回も比留子さんは可愛い。


「里奈の物語」

非情な境遇から過酷な生き方を強いられている女性たちを取材したノンフィクションルポ、「最貧困女子」の作者 鈴木大介氏によるフィクション小説。

フィクションとはいえ、これまでに出会った「貧困に陥ってしまった・しまう少女たち」からの取材で得た知識、経験で描かれた物語は非情にリアルかつ非リアルであって欲しいと願うような地獄。

親に捨てられ、それでも類まれな精神で一人闘い、生きていこうとする里奈の物語は作者、鈴木氏がきっと願う「地獄の中でも手にしてほしい幸せ」に向かって進んでいく。

ただ、氏の初フィクションということもあってか、冗長的なシーンが多く、3分の1くらいはカットしてもいいかな?という長さがあった。

それでもオススメしたい作品。
漫画版もあるけど、どうやら幼少期はカットしてるっぽいので原作のほうが感情移入できるはず。

前述のルポもおすすめ。


「元カレの遺言状」

弁護士にして元プロ雀士という異色の経歴を持つ作者の「このミステリーがすごい」大賞受賞作。

金が全てでプライドが高く、ルックスも良いが性格がすこぶるわるい弁護士、剣持麗子が元彼の死と、それに伴う大きな謎に巻き込まれていく…

終始、主人公の剣持麗子のキャラが良く、反面そのキャラに感情移入できなければ全くハマれないというリスクもあるなという作品。
個人的には非常に好きなキャラだったので、最後まで楽しんで読めた。あとミステリでもありエンタメも強いので誰にでもオススメできる作品。
続編もあるそうなので、いつか読もう。


「裏世界ピクニック 月の葬送(第7巻)」

女子大学生が「裏世界」と呼ばれる現実とは異なるとんでもない危険な世界に踏み込み、冒険する、アニメ化もした人気シリーズ最新作。

恐らくラスボスとして設定されている、ヒロインである鳥子の因縁の女性、閏間冴月をメインとした回。

ここ数巻は、どうも楽しめてなかったけど、今回は非常に面白かった。というのも、ここ最近は「裏世界感」が薄れていて、恐怖感もあまりない、どこかマンネリを感じていた。
しかし今回は裏世界独自の恐怖感が復活し、また主人公の空魚とヒロイン、鳥子の関係値も変わっていく良作だった。

あ、まだこのシリーズ読んだことないという方に。
簡単に言うと、「都市伝説はSF的な解釈ができて、それが下地にあるなかでSFホラーの世界観に、ある種ぶっ壊れた人格の主人公「空魚」と、美人ハイスペックだけどある種ポンコツな「鳥子」の百合SFホラー」」です。

時代は百合よ。百合。




以上。
1月はミステリが多かったな。
ミステリは書けるとは思えないけど、読む分は好き。

ただ脳内イメージが下手くそすぎるので「十角館の殺人」とか今回紹介した「兇人邸の殺人」みたいな館系のクローズドミステリは苦手なんだと気がついた。

そんなわけでまた2月の記事で。

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