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「本当は何を売っているのか?」お寿司やさんで見つけたヒント

旦那が独身のころに通っていたというお寿司屋さんへ行って来ました。私は15年ぶりくらいかな?この日を楽しみにしていました。

「庵」と呼びたくなるような風情のある入り口。中は網代(あじろ)の壁や天井で、柱の一輪挿しには椿の花。

なんせ一度しか行ったことがないから、和な感じだったのは覚えていたけれど、そうか、茶室をイメージされていたのか、と今回あらためて気づきました。

カウンターに相対する大きなまな板。お客が揃って時間になると、ご主人がセンターに立たれて、まるで舞台のよう。

カウンターの下から、木でできたネタ箱が出てきて、中は緑鮮やかな葉蘭で区切られ、ネタが並んでいる。一つずつ取り出されて、必要な分だけ丁寧に切り分けられいき、隠し包丁などの必要な仕事もほどこされていく。

バット代わりの、趣のある小皿に種類別に盛られていき、炙ったりするものは、いったん中の厨房へ。

つきだしからはじまるコースがスタート。ご主人はお客の進み具合を見ながら、ある時は会話に加わったり、ある時はそっと見守ったり。

握った後、煮切りをぬったり、塩を付けたりする手つきが、まるで大事に育てた娘を嫁に送り出すような丁寧さ。

その口元はつねに口角が上がっていて、見るからに幸せそう。その気持ちがこちらにも伝わってきて、ほっこり。

無言だけど、「ほうら、これも美味しいよ、ちょっと食べてみて」とやさしく語りかけくるよう。

そうか、美味しいのはもう当たり前なんだ。お寿司というモノを売っているには違いないけれど、お寿司を通して、ワクワクする時間を提供している。これはエンタメなんだ、と思いました。

お客を思い、準備して待つ。職人の技でひきつける。心を尽くす。会話を楽しむ。まさに一期一会、茶の精神。

私が目指す『接客』って、こういうことです。

繁盛店には理由がある。『美味しい』だけではない『何か』が。


私もお財布ショルダーという『モノ』を売っているには違いないけれど、お財布ショルダーを通して、お客さんに提供しているものがあります。

それは、両手が空く「解放感』だったり

貴重品を気にしないで、お子さんと遊べる『かけがえのない時間』だったり

大切なものは全てここにある、という『安心感』だったり

迷った時に一歩踏み出す『勇気』だったり

自分にとって大切なものは何かを考える『きっかけ』だったり。

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便利でかわいいのは、当たり前。

お財布ショルダーという小さなバッグを通して、お客様に提供できる『価値』を、これからも追求し、発信していこうとあらためて思いました。

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良いものを作っているのに「安くないと売れない」とか、「見つけてもらえない」と悩んでいるシャイなハンドメイド作家さんや、職人肌のクリエイターさんは、もしかしたら後回しになっていませんか?

『モノ』にこだわるあまり、『伝える』ことが。

『伝える』って、何もペラペラとまくし立てることではありません。

まず伝えたい『想い』があることと、一期一会を楽しんでほしいという『気持ち』があることが大切。

それがあれば、次は「さてどうしようか?」と、今度は『伝え方』を考えるステップです。

その場で臨機応変に対応する『接客』が苦手なら、『想い』を伝えるためにコツコツ準備できる『接客』の方を工夫をしていきましょう。

もし『想い』がまだ明確になっていないなら、まずはそこを定めることからスタートです。

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実店舗ではなく、ネットショップ・オーナーなのに、『接客』にこだわるのは、その大切さを知っているから。

初めてイベントに出る時、『接客』について勘違いしていたからこそ、その後、工夫を重ねてきました。

小さな自分ブランドの育て方を、『接客』を切り口にシェアしたり、講座をしたりしています。


ハンドメイド作家でも接客が上手くなる方法
(アメブロからnoteに移行中)

本店
お財布ショルダー専門店ラベンダーサシェ

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