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『人は、いつも認めてほしい』~人の心を一瞬でつかむ方法 *

『人は、いつも認めてほしい』~ 人の心を一瞬でつかむ方法*

◆「人の心を一瞬でつかむ」方法って、知っていますか?

それは、相手のことを「承認する」ことです。

なぜなら、人は自分の存在を「認めてもらえる」ことで、安心したり、うれしくなったり、やる気が出たりします。

でも、そんな簡単に人の心がつかめたら苦労しない、と思う方も多いと思います。

しかし、人との距離を縮めたい、関係を良くしたいと思うなら、試す価値はあると思います。

承認とは評価や判定ではなく、その人の行動や出来事に対して、成長や変化などの事実を伝えてあげることです。

たとえ「成果なんてない、全然ダメ」とがっかりしていても、そんな自分を認める言葉をかけてくれる。そんな人が身近にいたら、その人はかけがえのない存在になるはずです。

今回は、そんな承認について書いていきます。

◆ 人はいつも、認めてほしい

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たとえば、人と挨拶を交わす場面です。

自分から勇気を出して「おはようございます」と挨拶した時に、相手にすぐに返してもらえると安心できますが、返してもらえないと嫌な気分になります。

明らかに聞こえている、と思っていても全くの無視やチラッと見ただけなどの反応の場合、なんとも言えない気持ちになります。

人は、「反応してもらえないと不快になる」ようにできているのです。

特に目も合わせないで、通り過ぎられたとしたら、怒りの感情さえ湧いてくることもあるのではないでしょうか

挨拶したことに、反応してもらえると安心するし、反応してもらえないと嫌悪感を持ってしまいます。

人は「自分の存在を認めてもらえると安心する」ようになっているのです。

◆ 人の欲求には段階がある

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人の欲求について、「マズローの欲求5段階説」が有名だと思います。

『人の欲求には5つの階層があり
 1下の階層の欲求ほど優先順位が高い』というものです。

下の階層から

・ 生理的欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)
・ 安全欲求(安心・安全でいたい)
・ 社会的欲求(仲間が欲しくなる)
・ 承認欲求(人から認められたい)
・ 自己実現の欲求(自分の能力を発揮したい)

となります。
 
自分の低階層の欲求が十分に満たされると、高階層の欲求を満たしたくなるのです。


◆ アメもムチも同じこと

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人のやる気を維持するためにアメとムチが大切だ、と聞いたことがあると思います。

叱られてばかりだとやる気がでないし、褒められてばかりだと緊張感がなくなります。
だから、人のやる気を維持するためにアメとムチは必要だと思っていました。

褒める、叱るというメリハリが大切だと思っていたし、むしろ「褒める」ことはいいことだと思っていました。
 
しかし、コーチングを学び始めてから知ったのは、「アメとムチは同じ操作」ということです。
 
叱るは、「相手の出来ていない点や改善すべき点を指摘して相手を導く」ことであり、相手の行動を変えることを意図する「操作」です。

次に褒めるは、「人のしたことや行いが優れていると評価して、伝える」ことです。
褒めることは、とてもいいことなのですが、褒め方に注意が必要な場合があります。

相手の存在や行動を認めて褒めるという褒め方ならいいのですが、いい結果をだせばたくさん褒めるけど、結果をださなかったら全く褒めない、という褒め方には注意が必要です。

なぜなら、いい結果を出すことが前提で褒めるのであれば、いい結果をだすことを意図して行う「操作」になってしまうからです。

特に、成果以上に褒めたりする成果の過大評価は、おだててやらせようと操作する下心が見え見えになって、かえってやる気を低下させる場合もあります。

◆ 褒めると承認の違い

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褒めると承認の違いを整理していきます。

褒めるとは、前述のとおり、「人のしたことや行いを優れていると評価して、そのことを言う」ことです。(※デジタル大辞泉)
簡単に表現すると、「できたらマル、できなかったらバツ」と評価することです。

これに対して、承認とは「その人の行動や出来事に対して、成長や変化の事実を伝える」ことですから、「できたらマル、できなくてもマル」と承認するということです。

たとえ、目に見える成果がなかったとしても、その時に感じられた相手の存在、成長や変化などの事実をそのまま伝えることが承認なのです。

◆ どのように承認すればいいのか

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「承認すればいい」と言われても、一体どうすればいいか分からないと思います。

もっとも簡単な方法は、「視線を合わせる」ことです。

先ほどの挨拶の場面でも、「目が合わない」と無視されたように感じて不快になりますが、「目が合う」と自分の存在を認めてもらえたように感じて安心します。

多くの人の中で、こちらが相手に気づいていて、相手が気づいていない場合。
気付いて欲しいと思った時に相手と目が合っただけで安心した経験があると思います。

極端に言えば、目を合わせるという、アイコンタクトだけでも承認になるのです。

次に言葉での承認について書いていきます。

承認するとは、「相手の存在について、今ここでの気持ちを伝えること」です。
相手のあるがままの動作や変化を言葉にして伝えればいいのです。
例えば、何らかの成果があった場合にプラスの承認は、
「成長したな」
「頼りになるよ」
「よくできているよ」
「いてくれてありがとう」など
行動や出来事に対して、相手の成長や変化の事実を伝えてあげることです。

ここで気を付けたいのは、評価と承認の違いです。 

評価は、相手の行動に対する価値を判断して、「いい悪い」を判定することです。
「できたらいい子」「できなかったら悪い子」とその人自身ではなく、結果や価値を評価します。

承認は、その人の行動についての成長や変化の事実を伝えることです。
「あともう少しだね」
「そこまでできるようになった」
「頑張ってできたね」  など
結果や価値ではなく、その人自身に焦点を当てて感じた事実を言葉にして伝えるのです。

よく「認められる部分なんてない」と思ってしまいますが、承認ポイントはその人の存在の中にあります。その人自身に焦点を当てて観察することができていれば、おのずと見つかってくるはずです。

どんな状態であっても、「自分の存在を認めて、言葉をかけてくれる」人に心が惹かれるのは、当たり前の反応ではないでしょうか。


◆人は自分の存在を「認めてもらえる」ことで、安心したり、うれしくなったり、やる気が出たりします。

『人の心を一瞬でつかむ承認の力』、試してみてはいかがでしょうか。

ただし、下心があると直ぐに見破られて、かえって心が離れてしまう場合もあるので取り扱いには注意が必要かもしれません。

◆ まとめ

✅ 人は自分の存在を認めてもらえる、「承認される」と安心する様になっている。
✅ 承認とは評価や判定ではなく、その人の行動や出来事に対して、成長や変化の事実を伝えること
✅ 「自分の存在を認めて言葉をかけてくれる人」に心を惹かれるのは、当たり前の反応ともいえるだろう

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