「伝えたいことがある人」と「伝える手段を持つ人」をつなぐには
前回の記事でわたしがフリーライターになった(ならざるを得なかった?)理由を書きました。
そして、同時に昨今、編集者としてお仕事をするたびに感じているのは、若手のスポーツライターが少ないなということです。
「お仕事を依頼したい」と思って、お付き合いのある方の顔を思い浮かべても、最も年齢が下の人で30代だったりします。
前回の記事に書きましたが、フリーでライター業を営んでいる人の多くは、もともと出版の世界で働いていて、何らかの理由でフリーになったのではないかと思っています。
出版業界全体の業績不振もあり、スポーツ出版社や新聞社での新規採用が減っています。そのためにフリーランスへ転身しようという人が少なくなっているのも、フリーライターの絶対数が減っている要因ではないかとわたしは思っています。かつ、生活が不安定なフリーランスでライターになろうと決断するのは、なかなかリスクが高い。そこで若手が台頭しないのではないかとも考えています。
一方で、こういったnoteのような「発表の場」が栄えて、誰もが文章や写真、デザインを発表できる世の中になりました。
ライター業も、こうしてブログを書いて、そこでスカウトされ、お仕事につながるというケースも増えてくるでしょう。ただ、スポーツ界は「取材をして書く」という分野のお仕事がほとんどで、現場に行かなければ「取材」ができません。そして「取材」をするには、当然ですがその現場に入るための「取材パス」が必要になります。
いくら「いますぐ、現場に出て経験を積みたい」と望んでいても、どこかに所属し、そこから派遣され、記事を書くという確約がない限りは、その「取材パス」は手に入りません。
そういう意味ではスポーツは新規のフリーランスライターにとっては手を出しにくい分野なのかもしれません。
一方で、メジャースポーツではない競技では、新聞社の取材が少ないために「うちの競技をもっと媒体で紹介してほしい」「情報を発信したいのに、マンパワーが足りずに試合やチーム、選手の情報を表に出すことができない」と考えている運営スタッフがいると感じています。(実際には何人かそういう方にお会いしました)
身近なところで言えばバレーボールのチームの場合は、ほとんどのチームがマネジャーとSNS担当、広報担当など何種類かの役職を兼任している場合が多く、情報(ちょっとした試合レポートや試合前後の風景など)を出す、作成する時間がないというケースも多いかと思います。
そこで、「伝えたいことがある人」と「その手段(能力)を持つ人」をつなぐことができたらいいな、と考えました。
伝えてくれる人を探している側と、ライター、もしくはライターになりたい人、相互にメリットがある仕組みが作れないかなと考えたわけです。
その仕組み作りに必要なものを挙げてみます。
① ライターの卵に取材のノウハウを教えられる指導者(キャリアのあるライター、編集者)
② ライターの卵に仕事を依頼してくれるスポーツ団体およびスポーツチーム
③ ライターの卵、および卵の指導者の報酬を捻出するためのスポンサー
③についてはライターを育てるプロジェクトに参加して宣伝効果などのメリットを得られる企業や団体が望ましいと思い、たとえば
・出版社
出版社であれば自社でその後、育ったライターを雇用することができるというメリットはあります。ただし、その代わり既存の編集者には通常業務のほかに「ライターの卵を育てる時間と労力」が発生します。いわゆる「インターシップ」のような仕組みです。
・専門学校
ジャーナリスト養成学校などの専門学校で、そのライターの卵希望者を生徒の中から派遣する。専門学校には「こうして学生時代から実績を積むこともできます」という広告効果があり、そこで発生したスポンサー料を現場での指導係やライターの卵に報酬として支払う。
・大学のスポーツビジネス科
これも大学のネームバリューをアップするための広告料としてとらえられると思います。
以上、現状で思いつく限り上げてみました。
こんなのはどう?というアイデアがある方、興味を持った方がいましたらぜひご意見を聞かせてください。
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