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素敵な「もの」の世界#5~猫のちょいちょい「おもちゃになりたい時計」~

『幸せのおすそわけ#3~「過去」も「未来」もわかる猫』で、石やアクセサリーはいたずらしない我が家のネコちゃんが「ちょいちょい」といじっているものがあれば、それには意味があるというようなことをお伝えしました。

今回ネコちゃんが「ちょいちょい」したのは時計です。『素敵なものの世界#3~いつか旅立つ「感謝の時計」~』で「ようやく気に入った時計と出逢えた」として紹介されているもの。


ロゼモンという会社の時計です。

ロゼモン社の腕時計


 
リビングの朝日が当たる特等席のトレーに石やアクセサリーを置いているのですが、その日に使った時計もそこで少し休ませてからしまうようにしています。その時にネコちゃんがしきりに「ちょいちょい」していたのでした。
 
そして不思議なことに「ちょいちょい」した翌日に時計を見たら、全く違う時刻を指していたのです。「電池がなくなったのかも」と時計屋さんに持っていこうと思ったのですが、少ししてから見たらまた別の時刻を指しているのです。「あれ?電池が原因ではなかったの?」と思い、時刻を合わせてみたらそれ以降は問題なく動いていました。
 
「これは絶対意味がある!」と思って石の勉強の時にK先生に見ていただきました。ところが、しばらく一生懸命メッセージを受け取ろうとしてくださっていても、なかなか伝わってこなかったようです。「奥の方に何かメッセージがあるような気がするんだけど、それほど強くないみたいで、よくわからない」とおっしゃるのです。「よくわからない」ということはあまりない上に、ネコちゃんがいじっていたのもあって、(そんなはずはないと思うんだけどなあ、何かあるはずなんだけどなあ)と私も戸惑ってしまいました。
 
先生も何度かメッセージを受け取ろうとしてくださっているうちに「あ、ちょっと笑った」と。そして、「これはいつ頃買ったの?」とか「いくらくらいで買ったの?」と聞かれた後に「あのね、変なこと言うようだけど、これ小さい子のおもちゃになりたいらしい」とのこと!「え?おもちゃ?」とさすがにびっくりしました。
 
「うん、気に入っている時計なのだと思うし、値段だってそこそこしたと思うんだけど、そういうことこの時計自身には関係ないんだよね。子どもたちのおもちゃ、とイメージすると笑うんだよね」と・・・「どういうことかというと、子どもたちに時計の素晴らしさを知ってもらいたいらしい。おままごとで大人の真似するときにつけて遊んでほしいのだって」と。
 
なかなかメッセージを受け取れなかったのは、「おもちゃ」という発想が先生にも最初はなかったためにピントを合わせられなかった、ということなのでしょう。「子どもというのは小学校低学年くらいでしょうか?」とお聞きしたら「いやもっと小さい子みたいだ」とのこと。そしてお互いにパッと浮かんだのは「幼稚園」や「保育所」でした。
 
時計が止まったと思い「電池切れ?」と思ったことにも意味があったようで「壊れてはいないよ。でも、子どもたちに使ってほしい」というメッセージだったようです。そんなことあるんですね!(いろんなことに慣れたつもりでいても、やっぱり驚いてしまいます)
 
ただ、この話を聞いても私は数日ピンとこないままでした。子どもたちに譲る、ということが嫌なわけではなかったのだけど、どのような形でお譲りしたらいいのかそのイメージが浮かばなかったのです。でもそうこうしているうちに、とても懐かしい想い出が蘇ってきました。小学校に入学した時に渡された「お道具箱」の中に時計が入っていて、それが大好きだったこと・・・丸い時計の長い針と短い針で時間がわかる不思議とその素晴らしさ。時計が読めるようになった喜び。それは私の心に「学ぶ喜びの象徴」として残っていました。ところが、私の娘たちが小学校に入学した時、時計がお道具箱に入っていませんでした。それを知った時のショック!「あんなワクワクするお道具はなかったのに・・・」と。(その後、時計を読めない子が増えたことでまた時計が入るようになったとも聞きました)
 
そんなことを思い出したら「ああ、子どものおもちゃにするってなんて素敵なアイディアなんだろう!」と思いました。でも、さすがに幼稚園や保育所に「おもちゃにどうぞ」とお譲りしても困るだろうと思ったので、親戚や友人の家に子どもが生まれたら、順番におもちゃとして遊んでもらうのがいいのではないか、と思い立ちました。今のところは「うん、それがいいかも」と思っているところです。そう思って見てみると、この時計数字もわかりやすくておもちゃにピッタリな気がしてきました。そう、この数字がわかりやすいところもお気に入りだったんです。優しい気がして・・・
 
こうして振り返ってみれば、ネコちゃんの「ちょいちょい」はやっぱり意味があることがわかります。たくさん並んでいる石やアクセサリーは見向きもせずに、時計だけいじっていたのですから。これまでだって毎日時計はそこに置いていたのに、この日だけちょいちょいと・・・時計も私がK先生に見てもらおうとしていること知って、別の時刻を指してみたり、という演出をしてくれたのだから、うまく連携がとれているのですね。(いったい、どうなんているのでしょう・・・)毎日、とっても楽しい我が家です。
 
それにしても「時計の素晴らしさを知って欲しい」といのは、なんと素敵な願いなのでしょう。今はスマホなどで時間を見ることができるから時計を持たない人も増えてきた、という背景もあるのでしょうか・・・これを読んでくださっているみなさん、時計は身につけてもらうことを願っています。そのことがこの物語から伝わりますように・・・

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