見出し画像

はてしない石の物語#19~満を持して現れた「魂を引き継ぐリング」~

『はてしない石の物語#14~ボスの指令、そして「石徳五訓」~』でお伝えしたように、友人ケイさんのお母さんの形見を預かった翌日のこと。別の友人ユキさんに「石徳五訓」の話や形見を預かった話を伝えました。

そのお話がこちらです。

話を聞いているうちにユキさんの様子がどんどん落ち着かなくなっていきました。そして、カバンの中から手帳を取り出して「これを見て」と言うのです。
 
ユキさんの話によると、おととし101歳で亡くなったおばあちゃんのスズさんのお部屋を整理しようとした時、持っていたはずのアクセサリーがどこにも見当たらなかったのだそうです。ユキさんも、ユキさんのお母さんもアクセサリーにはあまり興味がなかったので「他の物を片付けた時に一緒に捨てちゃったのかも」と思っていたそうです。
 
それが、数日前に突然どこからともなく出てきたのだとか。お母さんと相談して「売ってしまおう」ということになり、鑑定の予約を入れたのが昨日だった、というのです。手帳を出したのはその証拠を見せるため。「ほら、ここに鑑定って書いてあるでしょ?これを書いたのが昨日なのよ」と言って「鳥肌がたってきた」と・・・
 
「売らない方がいいと思う?」と聞かれて「売るか売らないかは、アクセサリーのメッセージを受け取ってからでもいいかも」と答えたら「お願いしてもいい?」と言われて、私は2日続けて形見のアクセサリーをお預かりすることになったのでした。(ボスの指令は、本当にすごい!)

そんなわけでK先生に見てもらうことになったスズさんのアクセサリー、真っ先に見ていただいたのは指輪でした。最初先生は「それはすごく哀しみが宿っている。どんな哀しみかというと、自分の経験をいかしたかったのに、いかしきれなかった哀しみ。そして悔しさ。このまま死ねない、というような想いが入っている」とおっしゃいました。でも、じっと指輪を見ているうちに「これ、すごいね。おばあちゃん、凄い人だったね。世のため人のために生きた人だ。これを売ったら大損だったよ。家10軒分くらいの価値があるよ。それくらいのパワーがあるよ。どんなデザインでもいいから好きなものに加工して持ってもらいたいそうだよ。そしたらすごい力になってくれる」と・・・
 
それを聞いて、「ああ、そうか。やっぱりこの指輪は満を持して、タイミングを待って出てきたんだ。そうでなかったらとっくに売られていたもの」と思いました。先生も「これは自分から出てきたんだね」とおっしゃっていました。
 
すずさんが素晴らしい女性だったことは私もユキさんから聞いて知っていました。戦後中国から日本に戻る時の奇跡のような話を。日本が戦争に負けた時、スズさんは幼い子どもを抱えて中国にいました。「もう生きて日本には戻れない、ここで死ぬのだ」と思っていた時、道端で泣いている中国人の女性に会ったそうです。なぜ泣いていたかというとお母さんが亡くなってしまった、とのこと。スズさんは自分が持っていた最後の大切な着物を亡くなったお母さんにかけてさしあげたそうです。そのことに感謝した中国人の女性は、生きるすべをスズさんに教えてくれたのだそうです。アメリカの船が入港する日を伝え、持っているものを全部売ってそれに乗るように、と・・・そのおかげでスズさんは幼かった息子さんと一緒に生きて日本に戻ることができたのでした。その息子さんがユキさんのお父さんです。
 
スズさんの遺言は「どんな大変な時にも人には親切にしなさい。それが巡り巡って自分に返ってくるのだから」だったそうです。
 
まさにスズさんは「世のため、人のため」に生きた方だったのです。でも、きっと時代も時代だっただけに、もっともっとやってみたいことがあったのだろうと思います。それを孫であるユキさんに託したかったのだと・・・
 
それはもう「家10軒分」の価値どころではありません。K先生も「すごく価値があるから絶対売ってはいけない」ということを伝えたくて「家10軒分」とおっしゃったのでしょう。
 
それほどのパワーと価値がある指輪でしたが、浄化の必要がありました。まず塩水に少しの間漬けた後、白檀のお香の上で2週間から1か月休ませるように、ということだったので、そのようにして浄化を試みました。それが2023年10月3日のこと。
 
次にその指輪を見ていただいたのが2023年10月20日。なんと「哀しみが吹っ飛んでいる」と言われました。「哀しみがなくなったわけではなく、未来への希望があまりにも大きくなったために、吹っ飛んだ」とのこと。そして「とても嬉しい、孫やひ孫のためにどんな形でもいいから力になりたい。何でも言って欲しい」というメッセージを伝えてくれました。
 
「希望があまりにも大きくなって哀しみが吹っ飛んだ」という言葉に私の心は震えました。私が最も好きな言葉のひとつが「希望」。やはり「希望」はこんなにも力があるのだ、ということを知ることができて胸がいっぱいでした。
 
嬉しくて、その日のうちにユキさんにお届けしました。ユキさんは「魂を引き継ぐリング」のものがたりと絵を見て涙ぐみ「ああ、まさにその通り・・・」と言葉にならないようでした。
 
こちらがaikoさんに絵を添えていただいた「魂を引き継ぐリング」のものがたりです。

「魂を引き継ぐリング」のものがたり


 一通り、K先生から聞いた話を伝えてそろそろ帰ろうと思った時、ユキさんが突然「今日は何日?」と聞きました。「10月20日」と答えたら、「わあ・・・」と言って手で口を覆ってしまいました。そして「聞きたい?」と言うので「聞きたい」と言ったら「誕生日!」と言うのです。「誕生日?誰の?」と聞いたら「おばあちゃんの」と言うではありませんか!!
 
指輪が癒され、それが孫のユキさんに届けられた日、それはスズさんの誕生日だったのです。「未来への大きな希望」を抱いて、スズさんは新たに生まれ変わったのかもしれません。そしてこれからユキさんやユキさんの子どもたちが幸せになるために、全力で守り導き支え応援してくださることでしょう。

話しはちょっと変わりますが『はてしない石の物語#15~お義父さんの石たち「天の石」~』でお伝えしたすごくパワーがある石を、お返しするアクセサリーと共に持って行っていました。ユキさんにも触ってもらいたかったからです。

「天の石」のお話がこちら。

この石をユキさんが持っていた時、石から「ミミッ」という音がして小さく欠けたのです!ユキさんは飛び上がらんばかりにびっくりして「今のは何?」と・・・

きっと「天の石」の祝福だったのだと私は思っています。そのかけらは大切に持っているようにお伝えしました。後日ユキさんから『手のひらに伝わった振動がすごくて、私は何をしてしまったのかと心底びっくりしました』というメールが届きました。K先生にお伝えしたところ「そうやって欠けたのはある意味奇跡のようなもの」とのことでした。
 
奇跡はこれで終わりではありませんでした。「これは売ってはいけない」と言われたアクセサリーは実は2つしかなかったのです。それ以外はその後買い取ってもらったそうです。なんとその総額が、ユキさんと子どもたち、そしてご両親と旅行しようと計画し支払った総額と全く同じだったそうなのです。K先生によると、みんなが旅行に行きたがっていることを知ったおじいちゃん、おばあちゃんからのサプライズの贈り物だったようです。
 
これがもし「小説」や「映画」だったら出来過ぎでかえってしらけてしまうかもしれません。でも、事実は小説より奇なり。そして、現実は私たちが気が付いていないだけで奇跡に満ちているのかもしれません。

ここに記した物語をユキさんに確認いただいたところ『確かに小説や映画だとしたら出来すぎですよね。だから人生は素晴らしい!こうやって生きざまが引き継がれていくことに、すずばあちゃんも喜んでいるに違いありません。気丈でしっかり者のおばあちゃんの「しっかり伝えて」の明るい声が聞こえてきそうです』とメールが届きました。
 
スズさんの「魂を引き継ぐリング」が伝えてくれることは、深くて広くて、これからの人生で少しずつ理解していくことになるのだろうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?