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ひきこもりとともに歩き、学び、遊んだ色色

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ひきこもり支援をしながら、ひきこもりの人たちとともに歩いて、学んで、そして遊んだ様々なことをつづったものです。無償で気軽に読める短い記事やレポートを集めています。もしよければご一… もっと読む
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2020年5月の記事一覧

コロナ禍のひきこもり支援⑥ 家から突然人が消える…

(第一次の?)緊急事態宣言もまもなく終了となりそうです。ですが、ワクチンの開発と普及がうまくいっていない以上、まだ安心するのは早いわけで、6月の家族教室と若者の集いを中止としますので、ご了承ください。 ただ、個別面談や訪問支援は継続していますので、ご心配なく。これまで僕の知己のひきこもりの当事者やそのご家族は、一人も新型コロナに感染していません。僕も電車やバスの利用を控えたり、仕事の打ち合わせ(そもそも個人での活動が主なので、ないのですが)もしていないため、幸い感染の被害は

コロナ禍のひきこもり支援⑤ 半沢直樹は大人のチート信仰!?

先日、あるひきこもりの若者と話しました。 コロナ禍でも訪問して直に面談することはけっこうあって、3分の1以上は直に面談しています。半分以上はモバイル面談になっていますが。 その話の中で、最近のライトノベルやアニメの流行の話になりました。 いわゆる「なろう系」(小説家になろう、というサイトに多くみられるライトノベルの一つのパターン)といわれる転生チートもの(まず今の世の中で事故などで死ぬなどして、別世界に生まれ変わる=転生する。すると、不思議なことに最初から最強、最高、そ

コロナ禍のひきこもり支援④ ひきこもりが今、調子を崩す理由

最近面談した若者の中に、このところたびたび外出し始めた人がいます。すでに書いたように、今回のコロナ禍でみんなが自粛、ひきこもり状態になったことで、こういったタイプのひきこもりの若者は、特に調子を崩すことが多くなります。 彼はもともと10年以上、家からほとんど出ないでひきこもっていました。それだけなら、今回の半ば強制的な自粛圧力下でひきこもっていたとしてもそんなに苦痛はないはずです。 ただ、実際には彼は一年以上前から有酸素運動や筋トレで毎日(雨の日以外は)外出するよ

コロナ禍のひきこもり支援③ 「10万円は課金します!」

10万円の特別定額給付金がほどなく支給されます。 この10万円については、ひきこもりの当事者たちは、どんな気持ちを持っていて、どういうふうに使うのでしょう。 ひきこもりについて、僕はタイプを5つに分けていて、スムーズに治療を受けたり、あるいは障害年金などを受け取る手続きをできる人は、タイプゼロ、1、2の人たち。タイプ3、4の人たちはまず治療を進んで受けたり、障害年金の申請を進んでしたりすることはありません。 タイプについては、家族教室にきている方には繰り返し説明

コロナ禍のひきこもり支援② ひきこもりや家族の感染状況

さて、ひきこもり当事者とその家族の感染状況について、お伝えしたいと思います。 僕が訪問や相談など支援している方については、ひきこもり本人も家族も、今のところ新型コロナに感染した人は一人もいません。ご安心ください。(もちろん、僕と関わりのない方については、よくわかりません。それでも、一人もいないということは、ひきこもりの当事者や家族は感染から比較的縁遠いところにいると言えるでしょう。もちろん、個人差はあります。ひきこもりの中には、動きたくて動きたくて仕方ないタイプの人もいます

コロナ禍のひきこもり支援① バイトが突然消えた…

ひきこもりの当事者にとって、コロナ禍での外出自粛はどう受け取っているでしょうか。けっこう評価が難しい問題です。 短期的に見ると、年度替わりの新鮮なフレッシュマンが誕生する時期というのは、心の中で「自分だけ取り残されている…」と危機感を抱く、あまり楽しくはないと感じる当事者が多い時期です。中には、そんな元気な若者の旅立ちや新生活の情報に頑なに目や耳を閉ざしてしまう人もいます。 未成熟なパーソナリティーの残る人にとって、嫉妬という感情は、人生をもてあそぶ厄介な代物です。 た

『月刊みんなねっと』5月号に記事が掲載されました

全国精神保健福祉会連合会のだしている「月刊みんなねっと」(今年の5月号)に僕の小稿が掲載されました。もしよろしければご一読ください。 心の問題を抱えた人たちとの信頼関係の築き方を探る特集の一つとして書いたもので、タイトルは「ひきこもり支援の現場から」です。4ページほどの読みやすい分量です。いくつかの具体的な試みも記しています。 久々に(?)自分の本業(実はライター)を思い出しました(笑)。 「月刊みんなねっと」はとてもかわいらしい冊子なのですが、中には硬派な記事もあって