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コロナ禍のひきこもり支援④ ひきこもりが今、調子を崩す理由

最近面談した若者の中に、このところたびたび外出し始めた人がいます。すでに書いたように、今回のコロナ禍でみんなが自粛、ひきこもり状態になったことで、こういったタイプのひきこもりの若者は、特に調子を崩すことが多くなります。

彼はもともと10年以上、家からほとんど出ないでひきこもっていました。それだけなら、今回の半ば強制的な自粛圧力下でひきこもっていたとしてもそんなに苦痛はないはずです。

ただ、実際には彼は一年以上前から有酸素運動や筋トレで毎日(雨の日以外は)外出するようになっています。その習慣がようやく定着したところでした。

運動の習慣をつけることで、ストレスも発散できて、以前のように急に調子を崩す(抑うつ的になる)こともほとんどなくなってきました。

ところが、今回のコロナ禍で外出ができなくなってしまいました。

おかげで日々ストレスがたまり、まず腰や首回りに不調となってでて、ついで同居する家族に暴言をふっかけるようになりました。かと思うと、急に寂しくなってきて、親の布団に潜り込みたくなる衝動もでたそうです(一種の退行。子供がえりと思われます)。

調子が悪くなると、ものごとは悪くいくものです。

親へ激しく当たり散らすようになってしまい、僕のところに相談が舞い込んできたときには、親の片方はすでに夜逃げをした後でした。GW中のことです。

調子を崩す時は短期間で崩れ、調子を持ち直すまでに時間がかなりかかるか、難しい。それが長期ひきこもりです。

コロナ禍でひきこもりの人にとって、楽な時期になったような論調が見られますが、それはあくまで一面的です。最も心理的な打撃を受けるのもひきこもりや、その家族だったりします。

サポートしていただければ幸いです。長期ひきこもりの訪問支援では公的な補助や助成にできるだけ頼らずに活動したいと考えています。サポート資金は若者との交流や治癒活動に使わせてもらいます。