2017年シーズン前半・川崎フロンターレ総集編レビュー

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「大久保嘉人ってこうやって点を取っていたんだな。あの瞬間、相手も足が止まっていて、でも俺だけ信じて疑わなかった」(中村憲剛)。勝利を決定付けた追加点。その布石となった前半の場面とは?(リーグ開幕戦・大宮アルディージャ戦:2-0)

NACK5スタジアムでの大宮アルディージャ戦は2-0で勝利。

 小林悠と中村憲剛の開幕戦弾で勝ちきりました。

 この試合で特筆すべきは、先制した後の試合運びだと思います。
70分ぐらいから、大宮がパワープレー気味に攻撃に転じた85分ぐらいまで、フロンターレはほとんどボールを失わずに時計の針を進めていました。

 縦に急いで追加点を無理に狙うのではなく、奪いに来る相手を後ろでいなすかのようなボー

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センス、良いっすね。
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「ボールを持てたけど、最後の一手を出せていない」(田坂祐介)。ハマらないゴール前のパズルを、どう解いていくのか。今後の宿題を渡された一戦。(リーグ第2節・サガン戦:1-1)

 等々力陸上競技場でのサガン鳥栖戦は1-1のドロー。

 ホーム開幕戦と白星で飾ることはできませんでした。

プレビューはこちらです。→明確な狙いで守備をしてくる鳥栖守備陣。攻略のポイントは「ズラして、ズラして、クサビを打てるか」にあり。/ 試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第2節・サガン鳥栖戦)

 家長昭博の欠場により、プレビューで触れたとおりに大塚翔平がスタメンに抜

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ありがとうございまっす!
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「リョウタと同じ絵が描けていたと思う」(中村憲剛)。前線のプレッシングを支えていた、阿部浩之の絶妙な位置取りと、大島僚太の的確なコーチング。そして入念に準備していた柏対策の3バックを使わなかった理由とは?(リーグ第3節・柏レイソル戦:2-1)

等々力競技場での柏レイソル戦は2-1で勝利。

 鬼木フロンターレでは、ホームでのリーグ戦初勝利となりました。

 特筆すべきは、なんといっても前半のパフォーマンスでしょう。
攻守ともに素晴らしい出来でした。ゲームの入りからテンポよくボールが回り、ゴール前へ。まず開始1分には、右での大島僚太からの折り返しを小林悠が中央で落とし。それを中村憲剛が左足で狙いすまして振り抜きます。

 過去にもミドルシ

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なぜ、あえて森重真人と丸山祐市の間を突破しようと思ったのか。前半30分の独走ドリブルでの駆け引きについて、登里享平に聞いてみた。(リーグ第4節・FC東京戦:0-3)

 味の素スタジアムでのFC東京戦は、0-3で敗戦。

ACLから続いた7連戦の最後で、鬼木フロンターレは初黒星を喫しました。

「あの失点がすべてだったと思います」と、最初の失点を悔やんでいたのは谷口彰悟。その言葉通り、均衡が崩れるまでは一進一退の攻防だったと思いますが、終盤に3失点。失点前後から選手の足が止まり始め、気力を振り絞ったものの、さすがに及びませんでした。

 鬼木監督も采配が難しかっ

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「押し込ませ方、引き込み方をもっとうまくやる必要がある」。もっと盤石な試合運びのために、奈良竜樹が語ったこと。(リーグ第5節・ベガルタ仙台戦:2-0)

リーグ第5節のベガルタ仙台戦は2-0で勝利。

苦しい台所事情でしたが、連敗することなく勝ち点3を積み上げることができました。

 2週間のインターバルがあったとはいえ、前節はFC東京相手に3失点しての初黒星だったため、少し心配はありました。あのときのミックスゾーンで、とりわけ悔しさを表現していたのが、センターバックの奈良竜樹。劣勢になった終盤の時間帯だったとはいえ、耐えられずに決壊。ミックスゾー

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スキ、いただきました。あっざーす!
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「それでも進んでいかないといけない。こういう中で勝っていけば、チームとしての新しい側面が出てくる」(中村憲剛)。人が変わりながら、システムも変わりながら、ここからチームが前に進むために必要なもの。(リーグ第6節・ヴァンフォーレ甲府戦:1-1)

 リーグ第6節・ヴァンフォーレ甲府戦は1-1の引き分けでした。

 試合後のミックスゾーン。劇的な同点弾で勝ち点1を引き寄せましたが、結果と内容に満足しているフロンターレの選手はいませんでした。

 少し困惑した表情で振り返っていたのは、最前線にいた小林悠です。

「ウチのボランチの前に相手が4枚いて、後ろに5枚いる感じだった。選手間の距離が遠く、やっていて久しぶりに攻め手がないなと感じた」

 

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感謝・感謝です!
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前半は3バック?4バック?そして、なぜ後半に奈良竜樹の位置を入れ替えたのか。その狙いを読み解く。(リーグ第7節・北海道コンサドーレ札幌戦:1-1)

 札幌ドームでの北海道コンサドーレ札幌戦は1-1の引き分け。

 この試合を通じてフロンターレが放ったシュート数は9本。対するコンサドーレ札幌は13本です。

 シュートの数で負けているわけですが、問題は「質」の部分だと思います。ペナルティエリア内で相手守備陣に脅威を与えるような崩しがなく、フロンターレとしては決定機らしい決定機がとても少なかった。この試合に関していえば「決定力不足」ではなく「決定

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「右で作って、左から仕留める」。狙い通りに機能した右サイドのレフティ起用で2得点。そしてラストプレーでの水漏れはなぜ起きた?(リーグ第8節清水エスパルス戦:2-2)

等々力競技場で行われた清水エスパルスとの試合は2-2の引き分け。

 この清水戦のプレビューでの注目ポイントとして、右サイドエリアを縦に区切ったときのフロンターレの縦関係をあげました。具体的に言えば、右サイドハーフの三好康児と右サイドバックの登里享平ですね。鬼木監督は右サイドエリアに左利きの選手を縦関係で並べるという配置を行いました。

 左利きの選手が右サイドにいると、中にカットインして左足でシ

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サンキューです!
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「戦術的なところもあるけど、基本的なことができていないと、戦術うんぬんも成り立たない」(田坂祐介)。ピッチ上の分析だけでは読み取れない問題の本質。自分たちの意思を発しなかった90分は、なぜ起きた?(リーグ第9節・セレッソ大阪戦:0-2)

ヤンマースタジアム長居で行われたセレッソ大阪戦は0-2で敗戦。

過去のセレッソ大阪戦を振り返ると、殴り合いのゲームになることも珍しくありません。

 ただこのゲームは、前半から殴る側と殴れられる側がはっきりした試合になりました。そうなった場合、普通に考えると昨年優勝争いを演じたフロンターレが殴る側になり、今年J1に復帰を果たした昇格組のセレッソが殴られる側という構図になりがちです。

 しかし試

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僕もスキです!
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ゴールシーンに凝縮されていた「前へ」という姿勢。そしてゴール前での迷いがなくなり、笑顔を取り戻した小林悠。(リーグ第10節・アルビレックス新潟戦:3-0)

等々力競技場でのアルビレックス新潟戦は3-0で勝利。

プレビューで触れたように、選手だけのミーティングを経て臨んだ、大事な一戦でした。その試合をしっかりと3得点と無失点で勝ちきることができました。

「タツヤ(長谷川竜也)がいいところで顔を出してくれたし、阿部ちゃんも背後に抜けたり、みんなが前への推進力を出してプレーしてくれていた」(大島僚太)。

「前にいくこと。相手よりも先に準備して先手をと

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センス、良いっすね。
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