オーストラリアの学校で親の本音を話してみた
基本的に小心者なので、それはドキドキした。
先生はどんな風に私の話を聞いてくれるだろうか。
私は冷静に堂々と話せるだろうか。
人に自分の「本心」を的確に伝える時ってのは、言語力、論理的な思考力、洞察力、思いやりと...あと、体力もいるなと思う。
また、この自分の本心も大人になればなるほど、育った環境、社会の変化、周りの人間関係、正直さとかでどこか心の遠いところに埋もれて見えなくなってしまうことがあるんだなと最近、思う。
5. 22. FRI
こないだのnote「暴力はあってはいけない」で、予め、先生には何をどんなタイミングで話すべきかある程度、日本語で整理しておいたのが助けになった。
それでも現場ではいつも予測不可能なことが起きる。
まず、学校の駐車場について娘を下ろすとちょうど同じタイミングで娘に石を投げて、パンチしてきたあの、男の子が登園している...!
コロナ後、以前の登校スタイルとは大きく変わり、親は学校の玄関
口のゲートで迎えに出てきた先生に子供を預けてお別れになる。
ひ...非常に気まづい。
あえてゆっくり歩こうとしたその時、母親の方から私たちに明るく " Good morning !”と挨拶をしてきた。
慌てる様に挨拶を返すと、男の子が
" WHO'S THAT GIRL ?! "
(あの子、誰?)
と、娘を指差しながら突拍子のない事を叫ぶ。
「こ、こいつ....」 と一瞬、心の中で黒い私が呟いたが、実は、娘も彼の名前を覚えていないのでしょうがない。3才だし。週に一度しか通っていないし。
すかさず、娘の名前を伝える。
すると母親はもう一度、大きな声で娘の名前をリピートし子供に教えようとしていた。
娘を見ると、黙り込んで、すでに避けたそうにしていた。
...
それ以外に会話はなかった。ここで、少し、歩くスピードを娘に合わせてゆっくりとした。
玄関に近づくと2人の先生が出迎えにきた。
男の子と母親はまだ、斜め前にいるので挨拶をした後、なるべく落ち着いた口調で " Can I talk something, shortly ?? (手短に話したいことがあるのですが... ) " と言った。
チラっと見ると母親は男の子を玄関に近い方のもう一人の先生に預けて車に戻って行った。
そして、少しホッとして伝えたいことを話しだす。
先週、先々週の事故の話から、再び、暴力があってはいけないこと。
男の子に悪いことをしたと理解して子供達みんなが安心して楽しく学校に通ってほしいという事。
とにかく、大きな事故が起きる前にもっと子供たちに目を向け、必要と感じればご両親にもきちんと話をして理解してほしいと伝えた。
すると、またもや予想外な出来事が...
" I am so sorry, but I'm a new here and NOT in charge...so Can you talk to another teacher, please ? "
(すみませんが、私はこの学校でまだ新しくて、責任者ではありません。別の先生にお話ししてもらっていいですか ?)
そうだよね、この先生あんまり見慣れないもんね。
と、思いつつ。戻ってきたいつもの顔の先生にまた、同じことを話す。
しかし、またその先生までもほぼ同じ対応で、このクラスの最高責任者は自分でないから、もう一人の先生に話してもらっていいですか?
となった。
ああ、そうですか。私はあなたが最初に娘の担当だと言っていたから、別にいいと思うんだけど...と思いつつ。
最終的に園内に入り、最終責任者の先生と話すことになった。
3人目でやっとたどり着いた最高責任者の先生は丁寧に最後まで私の話を聴いてくれた。
また、私の推測通り、娘以外も多くの子供達が被害を受けていたこともあって、男の子の暴力の件をすでに親には話済みだったことがわかった。
親は先週はとても動揺していた様だが、子供も親も反省していること。また、本人も本当は誰かを傷つけたくてやっているわけではないのだということ。とはいえ、学校の安全は第一なので、今日はというか、今日から、さらにEXTRA CARE (もっとよく園児たちを観察) しますと言っていた。
学校側は私が思っていた以上に先週、対応してくれていた。
(先週はアイスパットしたってこと以外、何も聞かなかったので今日預けることがとても心配になったのである。)
先生の言葉と対応。自分がきちんと伝えられた安堵と、共に、責任者ではないオージーの典型的(? ) なクレーム対応を同時に体験することとなったがやはり聞いて良かったなと思った。
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そして、今日のお迎えで娘は小さなクラフト細工のおもちゃを手に握って、元気に笑顔で帰ってきた。
それにしても責任者とそうでない人とオージーの対応の展がこんなにも違うのかと知った。
家で、男の子も自分に(娘)謝ってくれたと話してくれた。
男の子の名前をまだ、覚えていなかったので少しずつ覚えれると良いねと言った。
帰宅し、娘が前日から作りたいと願っていたライオンの(太陽にも見えるが.. ^^) パンケーキを自分でデコレーションして食べ、大喜び。
何がともあれ、伝えたいことは伝わったし。
子供はお互い嫌な思いをしていなかった様だし。
また、安心して学校にはいけそうだな。とホッとした金曜になった。
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