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パルプ小説を書くならこれを聴け

執筆活動とは地図なき荒野に道を敷くようなもの。方角を見失い迷子になることもあれば、同じところを何度もぐるぐる回るような遠回りをしてしまうこともあるだろう。
そんな中、作業用BGMとは夜空に輝く北極星であり、無限の地平が広がる荒野において唯一の道しるべとなる存在だ。
本記事では小説。とくにパルプ小説を書くにあたって必要となる作業用BGMを3曲紹介する。
10月8日からパルプ小説の冒頭800文字を書いて競う逆噴射小説大賞2021が開催されるため、参考にしてみるといいかもだ。
ちなみに言うまでもないことだが本記事で紹介する曲は全てHIPHOPである。なぜなら、HIPHOPを聴けばパルプ小説の作業効率が3倍も向上することが学会で証明されているからだ[※諸説ある]。

1.Downtown-マックルモア&ライアン・ルイス

マックルモアは最高だ。「マックルモアは最高」をパスワードにしているが、一度も破られたことがない。
個人的にパルプ小説を書く時の作業用BGMに求めることの一つが「3秒聞けばイケてることがわかる」なのだが、これはまさにそう。耳を貫く鮮烈なピアノのメロディに、奥の方からドンドンと響いてくる重低音。
改めて言うが、執筆作業は地図のない荒野に道を敷くようなもの。その覚悟を決めるのに、これほど相応しい曲はないだろう。とりあえず一度聴いてみて、それからパスワードを「マックルモアは最高」に変えてみるといいだろう。

2.WIN-ジェイ・ロック

ジェイ・ロックは西海岸を代表するラッパーと言っても過言ではない。その証左に、彼は自らの曲でこう宣言している。
──俺様こそがラップゲームの勝者だと。
その曲こそレーベルメイトであるケンドリック・ラマーも参加した『WIN』である。身も蓋もない曲名だが、そこにひとつの真理がある。
パルプ小説を書くにあたって必要なのが一種の独善性だ。「この小説は面白い」という絶対的な自信だ。それがないと虚無の暗黒に飲み込まれてしまう。
ジェイ・ロックの『WIN』では、「俺は勝者であり、そこは俺の道だ。どけ、カスども」そういったマインドをラップしている。
その独善は虚無の暗黒を切り開く灯となり、パルプ小説を書く時の第一歩となるだろう。

3.Berlin/Westside-Tobi lou

パルプ小説を書くからといって、必ずしもテンションを上げる必要はない。時には、チルアウトしてそのデカいケツをどっしり据えて書く必要もあるだろう。
そんな時にオススメなのがシカゴ出身の気鋭のアーティスト、Tobi Louだ。
キュートなファッションとバキバキの筋肉をもつTobi Louは、チルアウトな音楽性と独自のテーマ性を放つ唯一無二の個性派ラッパーだ。
カニエ・ウェストの影響でラップをはじめたTobi Louは変わりものである自分を肯定的に捉えているという。
Tobi Louの曲はチルアウト・サウンドなHIPHOPだが、執筆意欲がトーンダウンすることはない。むしろ芯の通った創作意欲がメキメキと沸いてくる。
それはTobi Louが己の個性を認め、それを表現しているからだろう。
あと、筋肉がバキバキですごい。

終わりに

今回はパルプ小説を書くときに自分が聴いている好きな曲を紹介したのだけど、別にこれを聴かないやつはアホだとかセンスないとかそういうことではないので無理に聴く必要はなかったりする。
とりあえず今回紹介した音楽がパルプ小説に限らず乗り越えるべきなにかに挑むとき役に立ったら幸いである。
あと、パスワードが「マックルモアは最高」じゃないやつはアホでセンスが無いので、今すぐパスワードを変更するべきだ。

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