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ワキガセル人とどこにでも転がっているような愛のはなし
「ワキガセル人て、兄弟だったんだって」
知ってた?と隣の席の彼女が僕の目を覗きこんだ。
「リョウの方しかしらない」
そもそも、僕はワキガセル人に詳しくない。言葉にした事さえなかったかもしれない。たしか、両手をあげてこちらをまっすぐ見つめる男性だったはずだ。
「うん、わたしも。リョウ・ワキガセルは兄で、妹がいたらしいよ。」
彼女は続けていう、
「妹はね、名前があいまいらしいんだけど、片手派
「ワキガセル人て、兄弟だったんだって」
知ってた?と隣の席の彼女が僕の目を覗きこんだ。
「リョウの方しかしらない」
そもそも、僕はワキガセル人に詳しくない。言葉にした事さえなかったかもしれない。たしか、両手をあげてこちらをまっすぐ見つめる男性だったはずだ。
「うん、わたしも。リョウ・ワキガセルは兄で、妹がいたらしいよ。」
彼女は続けていう、
「妹はね、名前があいまいらしいんだけど、片手派