凸凹のプログラマーたちと、「こんな時は、冷たいモノの方がいいですよね」の思い出
前回の記事で、入社3年目くらいの頃のプロジェクトについて触れました。
そのおかげでプロジェクトの戦友である先輩や同期と久しぶりにやり取りすることができたり、思いのほか読んでくださった方々がいたりと、とても励みになりました。
どうも現在はそういった面影があまりないようなのですが、小学生の頃はお調子者の傾向があったので、今回もあっさりと調子に乗って、2回目の記事を書いてみることにしました。
凸凹のプログラマーたち
さて、そのプロジェクトの話に戻るのですが、前回お話ししたように、その難局を切り抜けるためには、協力会社の経験豊富で職人気質なプログラマーの方々との協働関係を築くことが何よりも必要でした。
彼らと意思疎通を図り、上流工程の要件をお伝えし、コーディングをしてもらわないとなりませんでした。
基本的にみんな疲れているし、殺気立っていますから、若造の僕が「ああすべきだ」「こうすべきだ」と言ったところで手を動かしてくれるような状況ではありません。
正直、「ああ、困ったな」と思いました。
思いましたが、思っただけではどうしようもないので、僕が「こうすべき」と考えていたこと(仕事の進め方とか、進捗の共有の仕方とか)をいったん脇に置いて、このどうしようもない状況のなかで少しでも気持ち良く、プログラムを書くことに彼らの力を発揮してもらえるような関わり方をしようと決めました。
つまり、こう↓ではなくて、
こっち↓のイメージです。
一人ひとりはどうしようもなく凸凹だけれども、それぞれの得意技を組み合わせたら何とかなるかもしれない。
本当にそれが機能していたのかどうかは、ご本人たちに聞いてみないと分からないのですが、ひとまず難局を乗り切ることができました。
こうして書いてみると至極当然の話であって、特別なことは何もありませんが、「チームで働くってそういうことだよな」と実感した覚えがあります。
ただし、それ以降も僕が常にうまくやれていたかどうかは別の話ですが。
むしろ、そういう組み合わせの妙を試行錯誤しながら、発見しながらチームとして働くことこそが、チームで働くことの本質なのかもしれない、分かったつもりみたいに言うと、そんな感じだと思います。
それ以降、一緒に働く人の得意技を見つけることができると、楽しくなりました。
「こんな時は、冷たいモノの方がいいですよね」
その後人事部で働いていた頃の話ですが、部下のAさんと一緒に、とても難しい問題に関して、現場の社員のBさんと面談をすることになりました。
30分ほど話をしたところで、少し休憩を挟むことになりました。
面談していた部屋のすぐ外には、缶コーヒーやペットボトルを売っている自動販売機と、その場で豆を挽いて淹れてくれる有料のコーヒーマシンがありました。
重い雰囲気のなか、みんなで部屋を出たところで、僕は何気なく「自動販売機もありますし、こちらにはコーヒーマシンもありますよ」というようなことを言ったと思います。
その時、Aさんがポケットから小銭入れを出しながら、間髪入れずに「こんな時は、冷たいモノの方がいいですよね」と言って、そっと小銭を自動販売機に入れて、冷えた缶コーヒーをBさんに手渡しました。
Bさんは少し緊張感が和らいだように見えました。
もちろん、Bさんが冷えた缶コーヒーを飲みたかったのか、実は淹れたてのホットコーヒーを飲みたかったのか、それとも何も飲みたくなかったのか、本当のところはよく分かりません。
ただ、社員思いの、分け隔てなく人に接することができる、現場の管理職から慕われていた、エクセルが少し苦手なベテラン人事パーソンのAさんの中心にある、あったかい部分に触れたような感じがしました。
Aさんが何を大切にして仕事をしてきたのか、何を大切にして仕事をしていきたいのかを、以前よりも分かった気がして嬉しくなりました。
そして、一緒に働く人の得意技を見つけることが楽しいのは、やっぱり今でも変わりません。
本日も最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。
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