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DX時代とその未来における「ユーザーエクスペリエンス」についての基本を抑える

どうも、都内でフロントエンドエンジニア兼フォトグラファーとして活動しています石亀と申します。

昨今、ユーザーエクスペリエンス(以後、UX)の重要度が増してきていましてデジタルやアナログ関係なくサービスの枠を超えてシームレスにユーザーの体験を構築することがビジネスの中で最重要ファクターになってきていると思います。
とはいえ、UXは非常に抽象的な概念でなんとなく雰囲気でしか掴んでいない人もいると思いますが、UI/UXについて色々インプットしたものを僕なりの解釈を交えて、UX、UXデザインとは何か?みたいな部分を言語化してみました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれている中で、重要度が増してきているUXについて、かなり長いですが体系的にまとめていますので皆さんの参考になればと思います。

目次

・What is UX?  ~UXとは何か~
・What is UX Design? ~UXデザインとは何か~
・Why UX Design?  ~なぜ、UXデザインなのか~
・What to UX Design? ~UXデザインは何をするか~

What is UX? ~UXとは何か~

UXとは直訳すると 「ユーザー体験」 になります。
製品やモノ・サービスと関わることでユーザーが得る体験や経験全般のこと指し、Webやシステムだけでなくゲームや日常雑貨など対象は様々で人と一対一で何かと向き合うときに生じるコト・体験を指し示します。
ISO 9241-210:2010によると、


UXには、利用前・利用中・利用後に起こる、ユーザーの感情、信念、嗜好、知覚、生理学・心理学的な反応、態度、達成感の全てを含む

とあり、事実だけではなくどういった感情になるかどう行動したくなるか、というところも含まれます。

近年では物質的なモノが作り出す価値よりも、ユーザーが被る体験や経験が価値として直結したり利益に繋がる傾向にあり、非常に重要になってきています。
例えば、AmazonのサイトのUXを見てみると、商品の検索から始まり決済に終わりますがその過程で、商品を探したり個人情報の入力があったり決済があったり、となっています。

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その時にユーザーが実際に辿った行動、その操作をしてどんな感情になったか、どんな願いを叶えられたか、どんな痛みを解決出来たか、これらがユーザー体験の一部になっています。このプロセスの順番や各工程での長さが変化するコトでサービスの満足度や継続率が大きく変わってくるでしょう。

また、それ自体はBX(Branding Experience)CX(Customer Experience)と呼ばれる上位概念の中に位置する概念です。(以下、図の通り)

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それぞれの特徴
・BX(Branding Experience) ・・・
ブランド・企業を通して得た価値や体験
・CX(Customer Experience)・・・顧客体験の中で、モノやサービスの枠組みを超えてデジタル・アナログ問わない顧客体験・経験全般のこと
・UX(User Experience)・・・モノやサービス・製品と触れ合うことで得られる体験や経験のこと
・UI(User Interface)・・・実際に顧客が触れる製品・サービスとの接点となる部分のこと、実際の成果物

CXとUXの違い
UXの場合、基本的に対象はモノやサービス(プロダクト、モノ、アプリなど)のみの単一になります。
それに対しCXは、対象は複数で、モノやサービスに止まらずお店での店員とのやりとり、レストランでの支払いまでの流れだったり複数のタッチポイントがあることが特徴です。その中の、一つにモノやwebサービスがありUXはそこに含まれます。また、広義のUXとも呼ばれていましたが、最近ではそれをCXと呼ぶことがあるそうです。

例えば、スターバックスにてアプリを使ってコーヒーを購入するとします。
店舗から入り席に座ってコーヒーを飲み、お店をでるところまでをCXとします。その中でアプリを起動して決済画面まで移動しレジで決済します。UXはまさにこの部分で、ユーザーとアプリが1対1の関係になった時です。

しかしながら、CX観点でみると、店舗に入ってきてから店員さんとのやりとりは一つ一つのUXであり、ユーザーがアプリを使うということをCXは内包してます。

またユーザーからしてみれば、アプリとは1対1ですが、スターバックスでコーヒーを飲むという体験に置いて複数のタッチポイントと触れ合っていることがわかります。これがUXとCXの違いです。しかしながら、UXもCXも非常に抽象的で広い意味を持ちますので、明確に分けるのではなくあくまで肌感として理解しておくことをお勧めします。

What is UX Design? ~UXデザインとは何か~

UXデザインとは先ほど説明したUXを最適化させることです。
ユーザーにとっての最高の体験とは何か、そしてそのためにはどう言った工程をどういう順序でおこなっていくべきか、そしてそのプロダクトはどうあるべきなのか、企業戦略としてのサービス・プロダクトの目指す方向がどこでそのためにはどういった体験を提供し続けるべきかと言うところを考えていきます。

UX自体が非常に抽象的なので、何が最適なのかはより多くの影響因子やコンテキストによって変わってきます。
プロダクトが素晴らしくても、デザインがターゲットに刺さらないモノだったり、導線、選ぶべき端末でなかったりなどサービス以外の要因または影響によって最適かが変わってくるからです。 ですので、それらを実証していくにはUXデザインはリサーチや仮説検証などありますが、手法自体はサービスの特色、マーケットの変化や組織構造によって取捨選択していきます。
ですので、UXデザインの目的に即しているかを逐一チームで確認しあうことが要求されます。

UXデザインの目的

UXデザインの目的は大きく分けると以下のようになります。
・ビジネス的ゴール達成
・ユーザーのゴール達成
・エクスペリエンスそのものの提供

基本的にはビジネス的なメリットユーザー側のメリットが中心です。
どういったビジョンを描きどういった世界にしたいのか・売り上げをどれくらい伸ばしていきたいのか、そのためにはどういったターゲットにどうアプローチしていくかといった企業の存続に影響を与えるような部分の目標があります。また、ただビジネス的ゴールを求めるためのUXではなくそれがユーザーにとっても心地いものでなければいけません。つまりは、企業側の都合であるビジネス的ゴールとユーザー側のゴールの交差点はどこかを見つけていくことがUXデザインの目的でもあると言えます。

3つ目はこれらとは少し違い、エクスペリエンスそのものが製品やサービスである場合、例えばディズニーランドやイベントなど提供する機能がモノではないことのようにUXが直接企業の利益に繋がることもあります。接客やゲーム、エンタメのような場合にはUXデザインがそのまま利益に影響します。
モノやサービスはディズニーランドのようにUX自体がコンテンツでもなく、それよりも直接的な利益に対する影響は小さいかもしれません。しかしながら、提供すべきファンクションを最適な形で届けなければ利益につながることはありません。そもそも届きません。それを最適な形にしていくことが、UXデザインなのです。

Why UX Design? ~なぜ、UXデザインなのか~

なぜ、UXやUXデザインが重要なのか、これはビジネスモデル差別化が大きなポイントになります。

ビジネスモデルから見た観点
現在多くのインターネットサービスは収益構造が、ユーザーの数ユーザーがどれだけそのサービスに時間を費やすかに大きく依存しています。または、そこにどれだけ没入・消費行動をとらせるか、そしてリピートさせるかが企業の利益・存続に大きく関わります。つまり、どれだけサービスを使ってもらえるかが企業の存続に直結するからです。また、デジタルかアナログ化の区別がなくデジタルがアナログそのものをを包括しつつある状態で、いかにユーザーの行動からデータを収集し、いかにサービスのUX改善に還元出来るかが、これから最重要になっていきます。

昨今、テクノロジーによっていつでもどこでも好きなタイミングで様々なサービスを受けることができます。

これは、ユーザーがモノで満たされることがなくなり、どれだけその世界にいるかどれだけ居心地が良いのかが鍵になってくるからです。また、スマホネイティブのユーザーは常につながっていることを前提とする世界に行動導線があるので、実店舗かECなのかなどは全く関係なく現在におけるコンテキストからより便利な導線は何かを判断し物理的限界を超えて購買行動を起こします。 ここから考えらるに、企業側の利益だけでなくユーザーの痛みは何か、そしてそれを解消できる方法を提供することが必要で、そのためには体験の設計が必要不可欠だからです。

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差別化の観点

次に、差別化ですがこれはモノで満たされなくなったことと情報過多であることにより、量や選択肢の多さではなくそのサービスのユニークさとユーザーにとっての心地よさを良いバランスで実現していることが重要です。つまり、量でもなく単なる質でもない部分で差別化を図るには体験の設計が必要です。

同じ旅行でも、家族と行くのか恋人同士で行くのか日本に行くのか海外に行くのか、旅行が目的なのか旅行を通して本当は何を求めているのかは千差万別です。旅行者自身も本当に何が欲しいか、何が必要かを把握している人はそう多くないと考えられます。 そういった中で、その人たちにどうなって欲しいのかどう変わって欲しいのかについて、サービサーは訴えかけ提供し続けなければないからです。そのためには、インサイトを突き、思いを馳せ一緒にストーリーを作っていくことが必要です。つまり、体験の設計です。


特に機能を提供することに注力してしまうと本当に与えたい価値を与えることはできない、機能 = 価値になることは多くなく、機能 => 便益 => 価値の流れでユーザーは価値と感じます。
機能はコモディティ化してしまうので、如何に機能便益を顧客価値に昇華させることが重要です。

以下に人がサービスに求める6段階の欲求レベルを示します。(以下、引用https://note.mu/fladdict/n/nb35a938974d0)

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日本のサービスの多くや業務アプリケーションの多くがLv2で止まっているそうです。しかしながら、機能や技術レベルでの差別化は飽和しておりユーザー体験の時代ではより高いレベルでしか差別化を測ることが出来ません。つまり、顧客価値=Lv5,6まで突き詰めることで付加価値のわかる化と差別化をすることが必要です。

What to UX Design? ~UXデザインは何をするか~ 


UXデザイナーが本質的にやるべき、2つのシンプルなこと
UXデザイナーに限らず全ての職種の人が考慮する内容になりますが、大きく分けると以下の2点になります。

・ユーザーにとっての価値を定義する
・ユーザーが価値を受け取るまでのプロセスを設計する(価値と感じるまでのプロセス)

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ユーザーにとっての価値を定義する
そもそも、UXデザインはユーザーに提供したい価値がなんなのかを定義させなければ始まりません。しかしながら、ユーザーが何を価値としているかはまだ誰もわかりませんし、何を提供すれば良いかもわかりません。つまりは、価値は何かをはっきりさせることがUXデザインにおける最重要ファクターでもあります。

ユーザーが価値を受け取るまでのプロセスを設計する(価値と感じるまでのプロセス)
次に、ユーザーが価値と認識するまでの導線の設計になります。最終的に私たちは機能を実装することになりますが、前述でも説明した通り機能=価値になることはありません。いかに機能 => 便益 => 価値のプロセスを作り、導線設計をするかが大事です。

ここまでUXやUXデザインについて書いてみましたが、これらを端的に表すと、どれだけユーザーに思いを馳せれるか、だと思います。
つまり、UXデザインはUXデザイナーだけがやるものではなく、全職能全ての人がマインドとして持っておくべきで、チーム全員がユーザーに思いを馳せながらプロダクト作りに当たることが前提になるんじゃないかと思っています。

ここまで非常に長い記事を読んでいただき本当にありがとうございます。


本記事は以下リンクにて参考記事などを取り入れながら僕個人の考えを書きとどめた記事から抜粋したものになります。

参考
https://designer.crowdworks.co.jp/entry/what_is_ux_designer
https://note.mu/fladdict/n/nb35a938974d0
https://goodpatch.com/blog/ui-interface-architect/


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