見出し画像

#シェアハウスの日常 もくもく燻製パーティー(138/365)

今夜は燻製パーティー!

実は明日、住んではいないけどウチと昔から仲良くしているシェアハウスファミリーが引っ越す。

引っ越すと言っても、JRで新快速に乗ったら400円もしない距離なので、全然フラッと遊びに来れる。

でも、今までよりはちょっと離れてしまうので、引っ越す前にご飯会でもしようとなった。

引っ越すその子は新しい土地でお店を任されるくらい料理の腕が立つので、その子自身が最後にみんなに腕を振るってくれるとのこと。

そのメニューこそが燻製。

燻製とは食材に煙を当て、その特有の風味を楽しんだり、燻すことで水分量を減らし保存性を高めたもの。

そういえば、ちょうど一年前もその子が企画してくれてウチの庭で燻製パーティーをした。

今日はあいにくの天気だったので、やむなく室内で行う。

前回は専用の燻製キットを使ったけど、今回は家に有るものを使う。

フライパンの上にアルミホイルを敷き、その上にサクラチップを乗せる。
それを跨ぐように、コンロのグリル用のアミアミを置く。
そしてその上に食材を乗せて再びアルミホイルで蓋をして、後は火を付け燻していく。

そもそも燻製なんておしゃれなもの普段作ったりしないので、僕たちは分からないから言われたことをやる。

ちなみに、今回の食材は、ウインナー・チーズ・明太子・はまち・ししゃも・ゆで卵・ベーコン・厚揚げである。

あと、元々焼き餃子として準備していたものも燻してみた。

何でも燻製にできるものである。

燻している間、おにぎりを握ったり他のメニューを皆で作っていたら、もくもくとした煙がいい匂いと共に漂ってきた。

お腹が鳴る。

室内でやるとなって煙が立ち込む事は予想していたので、縁側の窓を空けてそこでカセットコンロでやっていたから、ご近所さんにもいい匂いが届いていたかもしれない。

何回か繰り返すと全ての燻製が完成した。

さぁいざ実食。

風味がアップした具材たちは美味しい。

ビールに合う。

その子が他にも作ってくれていた、きんぴらやらサラダも美味しい。

ローストビーフに至っては添えられているソースから何まで自家製である。

こんなの美味しくないわけがない。

そして皆のお腹が満たされた頃に部屋の電気が消えた。

すると、奥からろうそくが立ったケーキが登場。

サプライズで用意していたものだ。

プレートには「行ってらっしゃい」の文字。

それを見たその子は感極まってウルウルしている。

さっきも書いだが、そんなに離れるわけでもない。

何ならすぐにだって会える。

しかし、住む場所が変わるという一つの節目。

しかも明日引っ越しなのに関わらず、その子自身が料理を振る舞ってくれた。

僕たちはケーキを用意することくらいしかできないけど、涙するくらい喜んでもらえて良かった。

集合写真を撮り、ケーキも皆で食す。

最後の一口をその子に食べてもらい、そろそろお開きの時間だ。

いつもなら「泊まっていこうかな」なんて流れになるが、今日ばかりはそんなわけにもいかない。

まだ荷造り終わっていないなんていうからなおさらだ。

名残惜しさもあるが、またすぐに会える。

新しいお店にも皆で行きたいし、落ち着いたら新居にも遊びに行くわ〜なんて言いながら別れの時。

さっき泣いた分、笑顔だ。

いつもどおり「行ってらっしゃい」と皆で手を振る。

その子も地下鉄の出入り口に入るまで、コチラをみながらずっと手を降っている。

姿が見えなくなったのを確認して僕らも引き上げる。

 

家の中にはまだ燻製の香りが漂っていた。

またすぐに会える。

サポートして頂いたその優しさは、他の誰かのサポートに使わせていただきます!