見出し画像

#シェアハウスの日常 約束と契約(88/365)

昨日はシェアハウスの家族でありご近所さんである人が遊びに来てくれていたので、いるメンバーでホットプレートを囲んで夜ご飯でした。

そのご近所さんとは、このシェアハウスに2年位前住んでいて住民同士で結婚して、2人で海外に行ったりした末に徒歩2分くらいのところに引っ越してきた家族です。
そんなに近いものですから、僕らがお邪魔することもあるし、こちらにも遊びに来てくれたり、気軽に行き来するご近所さんであり家族なのです。
ちょうど前日に僕も夜ご飯にお邪魔したばっかりだったので、帰宅したら「昨日ぶり!」って感じでした。

 

 

そんなこんなでみんなで食卓を囲んでいたわけですが、住民の一人が涙を目に浮かべてリビングにやってきました。
みんなただ事ではない感は察知しましたが、特に何も言わずともポットからお茶を入れて持ってくる者、そっとティッシュを渡す者、スッと横にずれて「入れよ」って無言で伝える者がいます。
そしてこちらから「どうした?」なんて聞くこともなく、さっきまでの雑談を続けます。
彼女も何か苦しい事があったにも関わらず、ここに来たら受け入れてくれると思っているからみんなの前で涙を流しに来てくれた。
じゃ泣きたいだけ泣けばいいし、話したくなったら話せばいい。
それを僕らは聞いて受け止めてあげるだけです。

そして彼女が話してくれるには、ついさっき職場から解雇を言い渡す電話があったとのこと。
話を聞いていくと、当初は4月までは働いてくれとの話だったのが、何の前触れもなく急に「もう来なくていいよ」と伝えらたらしい。
職場というのも知り合いのところで報酬は手渡し、そして労働期間の取り決めも口頭での約束だったとのこと。
彼女はひとしきり泣いた後は鬼の形相で怒りの感情が沸き起こっているようですが、契約の根拠となる書面やラインのスクショなどはないみたい。
契約ではなく約束だったんですね。
となるといくら理不尽な事であるとしても、こちら側からそれ以上は言えない。
向こうが「そんな事言っていない」と言えば、それを裏付ける事もできない。

こうなる事が全くの予期せぬ事だっかかと言われれば、そうでもありません。
彼女がそこで働き始めてから詳しくはなくとも何となく話は聞いたりしていたので、こうなる事もありえるかなと予測はできたことでした。
じゃあ予測を交えた上で契約書を交わすなりの助言してやれよって話ですが、個々の仕事の事にそこまで首を突っ込むのもどうかと思うのです。
実際今回の件までに特に問題もなく仕事出来ていたようですし、その予測が本当に悪い方に転んでしまったか…という感じです。

彼女が怒る気持ちは痛いくらい分かります。
僕ら家族としても悔しいです。
しかし、所詮人なんて約束を破るもんです。
いくら信用している人であっても、その可能性はあります。
僕だって約束を破ったことがないかと言われれば、そうでもありません。
たとえそのような事があっても、「ま、俺の期待しすぎか」くらいの気持ちの持ちようでいられるか。
約束なんて破られて当たり前、無駄に人を信じない事がうまく生きる秘訣かなとも思います。
それでも笑って過ごせる関係性こそが理想ではないでしょうか。
そして、今回の彼女のようにお金が発生する事柄だったり極めて重要なことなのであれば、約束ではなく契約を交わし法的拘束力を持たせる。
こんなにも人を信じれないのは、寂しいかもしれませんが、自分を守るためは必要な事です。
信じる者は自分のみです。

彼女も今回の件で、仕事に関しては約束ではなく契約を交わすことが重要だと気づいたでしょうし、まぁいい経験と言えば聞こえはいいですが、こんな事の繰り返しで人は生きる術を身に着けていきます。
そして、なんたって僕ら家族がいます。
仕事も性格も異なる人間が住んでいるからこそ、何かあれば頼れる家族がいます。
お互いがもがきながら生きていく姿を共有できるのも、シェアハウスの面白みでもあります。

サポートして頂いたその優しさは、他の誰かのサポートに使わせていただきます!