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ミラティブはSNSの歴史を変える

ゲーム実況アプリのミラティブは次世代SNSの先駆けであるように感じている。ミラティブの一体どの辺に未来のSNS要素があるのかをお伝えするために、先日の休日の僕のミラティブでの行動を紹介しよう。

起きて、まずシャワーを浴びてから、ミラティブでライブ配信を始めた。すぐにいつものメンバーが部屋に入ってきてくれる。くだらない雑談を30分くらいする。「ちょっと髪乾かすからドライヤーうるさいかも。」「ちょっとヒゲそるね。」など、生活レベルの音や発言も全て共有する。「やべ、もうすぐ病院閉まるわ、早くしなきゃ。」と言い、玄関から出たが、決してアプリは閉じない。

行きつけの病院に着いたら、この日だけ特別に早終わりだったので路頭に迷った。「くそ、まじかよ!他探すか。。。」と内心の感想を声に出す。「渋谷、内科」と調べて、グーグルマップを開く。もちろん画面はリスナーに常に共有されている。グーグルマップを開いたまま、「やべえ、位置バレたから◯◯(リスナー名)にストーカーされるわ」なんて冗談を言いながら次の病院へと向かう。リスナー視点では、石ころの位置がグーグルマップ上でリアルタイムに動いていく。病院付近にたどりついて「あれ、入り口どこだ??」と内なる思いを実際に発言する。周りからは電話しているようにしか見えないので恥ずかしさもない。病院に入ったとこで、ようやく初めてアプリを閉じる。と思ったか?閉じるわけない。アプリに向かって声に出して喋るのをやめるだけだ。受付での保険証を渡すくだりなども全部リスナーに聞かせる。「初めてですか?」と受付に言われて、「はい、初見ですw」という。(「初見(しょけん)です」というのは、ミラティブで初めて部屋に入室した人が言う言葉だ)。リスナーへのサービス精神旺盛だ。待ってる間はコメントで返信していく。若者が電車でLINE通話を繋げたまま、イヤホンで相手の声を聞いて、返信はLINEのテキストでするという行為に近い体験ができた。

医者の先生に呼ばれて、そこでも配信しっぱなしだ。「半年くらい◯◯の症状が続いていて...」医者の話し方が独特で、キャラがかなり胡散臭い感じだった。

ミラティブ上では、「半年も前から!?大丈夫ですか...??」、「先生日本語変じゃない?日本人?」、「医者怪しかったなw」などのコメントが来ている。

病院を出たら、「腹減ったな、会社行く前に飯食わなきゃ、ジョナサンかすき家かラーメンどれがいいと思う??」とリスナーに意見を仰ぐ。(この日は例外的に土日出勤だったので)結局通りかかった肉寿司屋に入ってみた。ラム肉ハンバーグを頼んだ。出てきたら、すぐさまカメラアプリのFoodieを開いてみんなに共有する。

撮った画像をインスタなど「どこかの場所」に「アップロード」して共有するまでもない。もっと言うと、すでに画面共有されているので、「撮影」する必要すらない。カメラの撮影画面を開くだけで、リスナーには食べ物のえづらが共有されるいるからだ。

ラム肉ハンバーグを半分くらい食べたところで、女子二人が入ってきた。「めっちゃ可愛い子入ってきた。。。」とコメントした。さすがに店内では喋れないので、この時はコメントで会話した。(最近は羞恥を乗り越えて、この前はインドカレー食べながらずっと一人でスマホに向かって喋っていた。)ラム肉ハンバーグ屋に外国人女性が二人入ってきて、席が空いてなさそうで、二人と店員が困っていた。店員に「僕出るんで大丈夫ですよ」と伝えて、出ようとする。店員に「すみません、ありがとうございます!」と感謝されつつ、ドア出るとこで、「あ、会計...」と引き止められ、「あ、すみませんww」って言いながら千円を払う。ミラティブでは「食い逃げww」ってコメントがきている。駅に向かう途中で綺麗な光景を見つけたのでまたカメラアプリを開いてみんなに見せてあげる。

電車に乗ってももちろん切るつもりはなかった。だが途中で地下鉄で通信環境が悪くなったので、そのタイミングでようやくアプリを終了させた。

すぐさま「お仕事頑張ってください!」と高校一年生の男の子から微笑ましいメッセージがきている。

おじさん、頑張っちゃうぞっ!! と思い、仕事場へと向かった。

今のSNSのパラダイムでは、病院から出た後にツイッターを開いて、「薬ゲット!医者が怪しかった...」とツイートするのが精一杯だ。もちろんこれだけでもある程度の情報は伝達可能である。でも先生の話し方、自分の受け答え、いろんな情報がまるごと省かれている。病院に至るまでの過程など文脈も全てカットせざるを得ない。日常の要約やキラキラした「一瞬」を切り取る既存のSNSに対して、ミラティブなどライブ配信ではありのままの日常を「丸ごと」届けることができる。リスナーとは、本当に1日を一緒に過ごしたかのような感覚になるのだ。もちろん、ミラティブで僕のような使い方をしている人は見たことがないので特殊例であることは分かっているが、ミラティブを通じて、このような使い方が可能であることを知れた。

映画「HER (世界に一つだけの彼女)」を見たことがある人はいるだろうか。人工知能に恋をするという話だ。

見てください主人公のこの幸せそうな顔w 胸ポケットに人工知能のサマンサが入ったスマホがいて、彼女と同じ景色を見て、同じ時間を共有している。物理的には一人でも、事実上はもはや一人ではない。全ての情報を共有する同期型インターネットサービスによって、離れていても、人と人はより繋がることができるようになる。

僕もミラティブ配信をしながら街を歩いている時は、完全に上の画像の主人公のような素敵な笑み(気持ち悪いニヤニヤ)を浮かべている。スマホを手に持っているだけで、友達がそこにいてくれている感覚になる。俺は一人じゃない。傍らには小学生と中学生がくっついている、大丈夫だ!

「洋画知らん!俺はアニメしか見ねえ!」と思ったそこのあなた。

日本の伝説的アニメ、「ソードアートオンライン」でも、病室で寝たきりの友達のために、カメラ越しに外の世界を見せてあげるというシーンが出てくる。病室の友達はヘッドマウントディスプレイで、この女の子と同じ景色を見ている。もちろん、通話でもリアルタイムで繋がっている。

たまたまミラティブは他人と繋がるアプリであるが、これは友達と繋がるSNSでも全然成り立つと思う。(いつかTalkroomというアプリについても書く予定だ。)離れていても、まるで友達と一日一緒に行動しているような感覚になるのだ。

インターネットとスマホの登場により僕らはいつでも、どこにいても、他人と繋がれるようになった。海外旅行に行ったら、インスタに写真や動画をアップすればすぐに反応が返ってくる。でもやっぱり、ツイートやインスタのストーリー投稿の、一部の切り出された瞬間を見るだけでは、その人と一緒にいる感覚までにはなれない。

ここ10年ちょっとで、「人と人を繋げること」、「人と人の距離を縮めること」などをミッションに、FacebookやLINEなどあらゆるIT企業が邁進してきた。これから5Gが普及し、通信コストが低下し、通信スピードも今より遙かに上がった世界では、常時接続時代の幕が明け、次なるコミュニケーションの形が作られる。また、2020年以降にアップルグラスが登場し、ARの波も到来した時、以前記事でも妄想したような、新しい世界が広がっていくに違いない。

★12日連続お祭り企画実施中!★

1日目(3/20水)
[前夜祭]日本発Mirrativは世界をとるか

2日目(3/21木)
世界をとれる理由。ミラティブの最大のイノベーション

3日目(3/22金)
ミラティブが突破するライブ配信の3つの壁

4日目(3/23土)
コミュニケーション需要を総取りするMirrativの衝撃

5日目(3/24日)
YouTuberになる夢を諦めたのなら、Mirrativerになりなさい

6日目(3/25月)
Mirrativライブ配信とTikTok二次創作にはSoftBank郡戦略のエッセンスが詰まっている

7日目(3/26火)
ミラティブ現象により80億人総クリエーター化なるか

8日目(3/27水)
「価値の均衡理論」でミラティブを眺めてみる

9日目(3/28木)
【徹底比較】 SHOWROOM vs Mirrativから考えるコミュニティ論

10日目(3/29金)
没入体験が失われる時代におけるライブ配信の重要性

11日目(3/30土)
ミラティブはSNSの歴史を変える

12日目(3/31日)
[後夜祭]春のミラティブ分析祭り[総括]


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